まだまだ余韻の残る印象的なイベントとなりましたが、ラリーの拠点となった豊田スタジアム周辺で見られた一幕を写真で紹介いたします。場所別に紹介していきますので、現場の雰囲気をごゆるりとお楽しみください。
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無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
まずは、ラリージャパン2024最終日の豊田スタジアムから。この日の入場待機列は一段と長く、写真右端にあるメインゲートから、『WELCOME』の『M』の字くらいまでありました。
スタジアムに入り、まずは我々の拠点メディアルームへ。何度目か分からないこの暖簾を、『やってる?』とくぐって、とある地下の一室に入ります。
ちなみになかはこんな感じ。Wi-Fiはもちろん、公式放送『RALLY.TV』もつねにディスプレイで確認可能です。
さらに、大きなパーテーションに貼られた特大ラリーマップもあり、遠くにあるスペシャルステージ(SS)のなんとなくの雰囲気が分かります。ちなみにこちら、最終日の帰り際に「片づけてくれたらそのまま持ってっていいよ~」とナショナルメディアオフィサーのアシスタントの方におっしゃっていただいたので、“お持ち帰り”しました。いつの日かの読者プレゼントになるかもしれませんので、ご期待を。
メディアルームについてそうこうしているうちに、SSの走行が始まります。自分はスマートフォンで『RALLY.TV』に繋いで片耳イヤホンで放送を聞きつつ、まずはスタジア内の各所で行われているあれやこれやのイベントを観に行ってみました。
メディアルームから出て階段を上がってすぐ、スタジアム中心の特設コースへ。こちらでは、ヒストリックマシンを含むさまざまなラリーカーのスペシャルデモランが行われていました。ずっと見てみたかった三菱トライトンラリーカーや、懐かしの三菱パジェロスーパープロダクション、大迫力の日野レンジャーなど、いろいろなマシンが集まったお客さんを楽しませておりました。こちらは写真多めでお届けです。
上の4台以外にも実はワタクシ、個人的にスバル・ヴィヴィオやセリカ GT-FOUR ST185を楽しみにしていたのですが、日曜日はあいにくのマシントラブルで両方とも出走できずでしたね。
特設ステージそばの通路内には、往年のレジェンドラリーカーの展示『The Golden Age of Rally in Japan』も。隅々までじっくりと見たいところでしたが、私はあいにく時間が取れず。一緒に取材へ向かった先輩に掲載をお願いした『ギャラリー記事』で我慢です。現在は、富士モータースポーツミュージアムでも展示されているそうですよ。(絶対に行かねば……!)
歯を食いしばってヒストリックマシン達から目を離し、続いてイベント広場へとやってきました。開けた芝生広場に設営されたトークステージでは、週末を通して多くの著名人が出演し、集まったファンの皆さんを楽しませておられました。
個人的には、金曜日のフィギュアスケート選手・紀平梨花さんの登場に大歓喜。グランプリファイナルで当時の女子ショートプログラム世界最高得点を更新した『月の光』は、何度見ても色あせない演技です。
そして、WEC世界耐久選手権ではTOYOTA GAZOO Racingのチーム代表兼7号車トヨタGR010ハイブリッドのドライバーを務めている小林可夢偉選手の姿も。「僕は芸人枠ですから(笑)」なんていいながら登場して早くも会場を沸かせていました。
さらに、モータースポーツファンにはおなじみのピエール北川さんも登壇。トークショーだけでなくデモランでやスタジアムステージ、セレモニアルスタート/フィニッシュまで、すべてのMCを担当されていました。はたから見ていてもかなり忙しそうな雰囲気で、もしかしたらあの週末はふたりか三人くらいのピエール北川さんが稼働していたのかもしれない……ほどのご尽力でした。
特設コース、トークステージに続いて、次はサービスパークでの一幕を紹介。こちらはヒョンデ・シェル・モービスWRTのサービスパークです。金曜日にはヌービル車に謎のスローダウントラブルが起き、サービスは大忙しでてんやわんや。
ですがメカニックらは大きな声を上げたり、互いにぶつかることもなくスムーズに仕事をこなしており、世界一のメカニック集団のワザを感じました。トラブルの原因と見られたターボチャージャーは、そそくさと外されて持っていかれ、ルーティンのブレーキメンテはとんでもなく速い。スパナって、そんなに早く使えるもんなんですか?というほどの信じられない動きで、これもWRCの立派な見どころだと身に沁みました。
さらに、もう一台のアンドレアス・ミケルセン車に目を向けてみると、こちらはクラッシュによる破損を修復中です。フロントフェンダーが外されてフレームが丸見えで、何やら溶接をしながらゆがんだ箇所を修正中のよう。
金曜日時点でトップを走るオット・タナクのマシンは対照的で、静かに整備を待っております。ただ、日曜日に今週末最大級の大破に見舞われてしまいました……。
迎えた日曜日には、朝のSSを3本走り終え、ドライバーズチャンピオンが決まったティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が帰還です。
そして、われらが勝田貴元選手もパークへ戻ってきました。この週末は記事でも紹介した事情もあってか緊張の面持ちが多かった印象です。
そんななかでも、ファンの応援が力になったと何度も言葉にしておりました。週末中は、サービスパークにもたくさんのファンが応援に駆け付けており、時間が戻りますが土曜日の夜はチームスタッフが止めるなかでも長い間サイン対応をしておりました。
そして、こちらはその後に戻ってきた勝田選手のチームメイトであるエルフィン・エバンス選手。サービスパークに行けば、こんなに近くにマシンを観ることができます。ただなにより、あの事案を目の当たりにしたエバンス選手が無事に戻ってこられたことが、この週末一番の大事なポイントだったかもしれませんね。
こうしてサービスを終えた各車は日曜日、最後のパワーステージを終えてパルクフェルメへ戻ってきました。まずはWRC2の3台。
WRC2を制したのは、人気漫画『頭文字D』にモチーフを得たカラーリングのマシンで戦ったニコライ・グリアジン(シトロエンC3ラリー2)。さすがはターマックのスペシャリスト、完璧なマネジメントで豆腐の配達完了(?)です。
そして、勝田選手も無事にパルクフェルメへ帰還。フィニッシュ後に見せた安堵の表情が印象的でしたね。
この後は取材内容を急いで記事化するためにメディアセンターへ直行。配信で表彰式の様子を見つつ、原稿執筆と掲載を進めます。そうしたなか、表彰式を終えた選手らは実はメディアセンターへ足を運んでおり、我々の取材に対応していたのでした。最初に来たWRC2クラス3位の新井大輝選手には、登場の瞬間から大拍手が上がりましたね。
このように、取材→記事化のルーティンを何度かこなしているうちに、気づけば残っているメディアは僕らだけに。先述のラリーマップを丁寧に回収しまして、5日間お世話になった豊田スタジアムとお別れです。
翌日月曜日には、名古屋駅前にあるトヨタ自動車オフィスにてTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームの2025年WRC体制発表会に出席し、あっという間に今年のラリージャパン2024は終幕となりました。
この週末は多くの観客が各所に足を運ばれ、さらに数多のクラッシュや事案も起きておりましたが、そんななかでもラリージャパンを支えるスタッフの丁寧な対応の数々を目にしました。彼らの尽力があってこそのラリージャパンであり、きっと来年はさらにパワーアップしたイベントとして帰ってくるはず。またその模様を現地からお伝えできればと思います。では、また来年のラリージャパンで!
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