2024年FIA F2第10戦の舞台ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットは、今季から欧州のレースに挑む宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)にとって、数少ない走行経験があるコースだ。
「スパは今年のWEC世界耐久選手権第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースにスポット参戦した際にレクサスRC F GT3で走ったことはありますが、FIA F2のクルマとは景色もぜんぜん違いました」と、宮田。
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「GT3車両で走った経験が100パーセント生かせる感じではなく“景色が同じだけ”という感じでした」
そんなFIA F2第10戦の走り始めのセッションとなる45分間のフリー走行は、ラファエル・ヴィラゴメス(ファン・アメルスフォールト・レーシング)のクラッシュにより約10分の中断を挟むことに。
「少しでも経験を積みたい僕にとってフリー走行は難しいセッションとなりました。その後の予選は16番手に終わりましたが、ベストは尽くしました」と、宮田。
金曜日のドライコンディションから一転、土曜日のスパ・フランコルシャン・サーキットは朝からあいにくの雨に見舞われた。
上空に低気圧がとどまり、雨が降り続いていたため、現地時間14時15分にスタートする予定だったスプリントレースは危険な状況から、レースコントロールは合計30分の遅延のあと、F1の公式予選前のレース開催を断念。スプリントレースはF1の公式予選後、18時15分から行うこととなった。
「最初にスプリントレースが予定されていた時間では、FIA F2のガレージがあるサポートピットからF1のピットへ向かうまでの走行でもアクアプレーニング現象が起きたり、前車の水しぶきで前が見えづらかったので、延期は仕方がなかったと思います」と、宮田。
しかし、リスケジュール後のスタート予定時刻の18時15分には再び雨が降り出し、さらに雨雲による視界不良から医療用ヘリコプターの離発着が不可能な状態となり、10分以上遅れてのフォーメーションラップスタートとなった。
無事スタートが切られたものの、ジョセップ・マリア・マルティ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)のマシンがコース上で停車したため、セーフティカー(SC)が導入。マシンを撤去するためにレースは7周目に赤旗中断となり、全車ピットレーンへ。
その後、マシンが撤去されるころにはふたたび雨脚が強まり、レースは再開されることなく終了。15番グリッドスタートの宮田は上位浮上を狙う間もなく、スタートポジションのまま15位という結果となった。なお、レースはレース周回数の50%に達しなかったため、上位5台のみがポイントを獲得している。
「赤旗が出され、ピットレーンに戻って待っている状況で、再び雨が強くなったためにレースはそこで終了となりました。スパの雨は誰にも責められませんし、事故がなくて良かったと思うだけですね」と宮田。
フィーチャーレースが行われる翌日、日曜日のスパは晴天が予報された。
「日曜日はドライコンディションとなりそうなので、いいレースをして、またポイントを獲得することができればいいなと思っています」と、フィーチャーレースでの挽回を誓った宮田。
翌日のフィーチャーレースにおいて、宮田は自身の持ち味を存分に生かした走りを見せ、今季6度目の入賞を果たすことになる。
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