レッドブルのセルジオ・ペレスは2023年シーズンをランキング2位で終えたものの、チームメイトで3度目のドライバーズチャンピオンに輝いたマックス・フェルスタッペンには大きく差を付けられてしまった。シーズン中に交代論も噴出する状況だったが、来シーズンではマシンの進歩に適応していくことが契約を延長する上でも重要になってくると語った。
ペレスは2023年シーズン序盤戦で2勝を挙げ、第5戦時点ではフェルスタッペンと僅差でタイトル争いを繰り広げていた。しかし6月には調子を崩してしまい、タイトル争いからは脱落。レッドブルが交代人事も考慮しているのではないかと囁かれるようになった。
■F1タイトル争いから急ブレーキ、スランプからの脱却……セルジオ・ペレス、激動の2023年シーズンを語る
それでもペレスは終盤戦では持ち直してなんとか目標だったランキング2位を確保してシーズンを終えることができた。2024年は契約の節目の年となっているが、ペレスは新しい契約を確保するための鍵はシーズンを通じてレッドブルのマシンのアップデートに適応していくことだと考えていると話した。
「一貫性を保って、プラットフォームを築きたいと思っているんだ」と、ペレスは言う。
「今年の僕に欠けていたのは進歩だった。初めは凄く良くて、マックスと同等のスタートを切っていたんだ。でもシーズンを通じて進化することができなかった。言ってしまえば、後退するときもあった。だから僕の優先順位の高い問題はそこにある。シーズンを通じて進歩できるようにすることだ」
ペレスはレッドブルに加入して以来、レッドブルのマシン開発に彼のドライビングスタイルを適応させていくことに苦労する、というのが一貫した課題となってきた。
レースウィーク初日に適切なセットアップの方向性をしばしば見つけることができず、そのせいでマシンのポテンシャルを使い切れていなかったのだ。
2023年に限れば、この問題はスペインGP以降表面化した。この週末、ペレスは予選Q3進出を逃し、その後のQ2敗退が続くきっかけとなってしまった。ペレスはスペインGP以降でマシンと自分に起きていた事について、次のように説明している。
「マシンが違っているように感じて、これまで以上にドライビング方法について考えなくてはいけなかった」
「今年のちょっとした転換点だったよ」
「最初の5戦はとても強力にスタートを切れていたけど、その後マシンと一緒に進歩できなかった。それこそが今年の僕に欠けていたことだし、来年はしっかりと改善したいと思っている」
「この問題を経て、僕は問題があったときにどの方向へ進むべきか、自分がどうセットアップを行なっていたのかをより深く理解できるようになった。間違いなく、来年の僕を強くしてくれると思う」
ペレスがスランプからの脱却の鍵を掴んだのは、カタールGP後にみっちり3日間シミュレーター作業を行ない、チームとブレインストーミングを行なったことだった。そしてシーズン終了後の冬の間にも、再び得るものがあるとペレスは語った。
「冬の間にエンジニアの皆と時間を使って検討するつもりなんだ」
「それ以外でも、シーズン中に確実に進歩できるようにすることを重視するつもりだ。これが大事なことだと思っている」
「今年のスタートがどうだったかを振り返ると、もし1年を通じて進歩を維持できれば僕らはもっと強力なシーズンを過ごせていただろうね」
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