モンツァが何十年もF1カレンダーに残ってきたことを考えると、このイタリアのサーキットにはドライバーやチームが知らないことは何もないだろうと考えるかもしれない。実際ほぼそのとおりで、この10年間トラックには大きな変更が行われないままだった。
しかし、今年はレーシングコースが完全に再舗装されたほか、ホームストレートの先に待ち受ける最初のシケイン“バリアンテ・レティフィーロ(ターン1、2)”の形状が変更され、2台のマシンがインシデントを起こすことなくサイド・バイ・サイドで走れるようになった。
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さらに、トラック内のすべての縁石が再設計され、以前のアグレッシブな形状と比べてはるかに緩やかになっている。
ここはタイヤの不具合が悲劇的な結果を招く恐れのある、真のハイスピード・サーキットだ。ピレリは今週末のイタリアGPのプレビューにおいて、いっそう速くなることが予想されているコーナリング・スピードにコンストラクション(構造)が耐えられるよう、全力を尽くしたとし、次のように説明した。「コースの作業が完了するとすぐ、8月上旬にピレリのエンジニアチームが新しい路面の検査を行い、データをFIAとチームと共有した。これは、F1シーズンの最後のヨーロッパラウンドに備えるためだ」
ピレリのエンジニアによる検査では、「新しく敷設されたアスファルトによく見られるように、表面は以前よりも滑らかで、色が濃くなっている」ことが明らかになった。
地元イタリアのタイヤブランドによると、「後者は路面温度に影響を与え、日が照ると過去のグランプリよりも暑くなり、摂氏50度を超える非常に高い路温に達する可能性さえある」ということだ。ピレリは結論として、「理論的には、新しい路面ではより多くのグリップが得られるはずであり、それがタイヤのパフォーマンスと作動温度範囲に影響を与えるはずだ。このイベントではF1だけでなく、さまざまなカテゴリーがラップを積み重ねることになるため、週末を通じてコースの状態が大きく改善する可能性が高い」
■走り始めの金曜は手探り状態?
各チームもこれらの変化について強く意識しており、フェラーリF1のチーム代表であるフレデリック・バスールは、モンツァでは「今年は完全な再舗装が行われ、一部のコーナーの縁石にも変更が加えられたことから、さらなる課題がもたらされるだろう」と認めている。
彼の友人でありライバルであるトト・ウォルフも同様の見解を持っている。メルセデスF1チームを率いるオーストリア人は「彼らが行ったいくつかの変更により、今年はさらに速くなる」ことを予想していると付け加え、次のように認めた。「実施されたトラックの再舗装の影響も理解する必要があるだろう」
ビザ・キャッシュアップRBのベテランレーシングディレクターであるアラン・パーメインは、「モンツァは伝統的に、タイヤの摩耗やデグラデーションが少ないレースだった」と指摘したが、「新しい路面がそれを変えるかもしれない」と見ている。「金曜日のフリー走行セッションの一部は、日曜日のレースに向けてタイヤの挙動をチェックし、最適なレース戦略に備えるために使われるだろう」と彼は続けた。
ドライバーたちも、金曜日のFP1セッションでは異なるアプローチを取る必要があると考えているようだ。4年前の2020年にイタリアGPのウイナーとなった、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)はそのひとりだ。彼は「レイアウトに小さな変更がいくつかあるため、レーシングラインへの影響と、マシンとタイヤの動作を理解して評価するために時間をかける」と語っている。
このように、モンツァはドライバーやチームにとってまったく新しいゲームになるわけではないが、通常よりも課題は大きくなることが予想されるる。そのため、レースウイークの初日となる金曜日は誰にとっても重要な一日となることだろう。
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