■「キャスト」そっくり“中華製EV”に「パクリのレベル超えてる」
2024年3月6日、アメリカのカーオークションサイト「Cars & bids」で中国製の小型EV「カンディ K27 NEV(以下K27)」が落札されました。
国内で販売していた軽自動車と酷似するモデルということもあり、SNSなどではさまざまなコメントが寄せられています。
【画像】「えっ…!」 これが「完全コピーの中国車」です(46枚)
米国や欧州、日本など、さまざまなクルマを扱うCars & bidsにおいても今回初出品となったK27は、中国生産のコンパクトEVです。
中国で2013年4月に設立し、四輪バギーやEVの部品を製造するカンディ(康迪)が手掛けています。
K27は、2017年11月に中国本土で認証を受け、その後2020年8月18日に発表。最大4人が快適に乗れる空間を持つコンパクトカーだといい、新車時の価格は1万2999ドル(約196万円・米国内)という低価格を実現。
パワートレインは17.69kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、約60馬力の1モーターを組み合わせ、航続可能距離は160マイルを実現しました。
ボディサイズは全長3460mm×全幅1470mm×全高1615mm、ホイールベースは2455mmです。
エクステリアは、愛嬌のある丸型ヘッドライトやルーフの2トーン塗装、8角形のリフレクターを内蔵したテールランプなどが特徴です。
インテリアはインパネ加飾やエアコン吹出口周り、シートのステッチなどにレッドのアクセントを施し、インパネシフトと大型インフォテイメントディスプレイを装備し使い勝手を追求したものとなっています。
しかし、K27のデザインは、その登場5年以上前から販売されていたダイハツ「キャスト」およびOEM車のトヨタ「ピクシスジョイ」にきわめて酷似しています。
エクステリアだけでなくインテリアのインパネシフト周りやパワーウインドウスイッチ、テールランプはそのままコピーしたと言わざるを得ない、そっくりな仕上がりです。
今回落札されたK27は2021年式で走行距離は1000マイル(約1600km)ほど。
年式や走行距離はかなり浅めですが、リアのドアハンドルが一部破損しているほか、ルーフの色褪せやエンブレムの欠損、運転席シートの劣化が指摘され、品質は良好でないことがうかがえます。
なお出品者によると、米国内では最高速度が35マイルに制限されており、フリーウェイを走行できないほか、一部地域では登録もできないとしています。
オークションは104ドルでスタートしましたが、入札は12件ほどで終了。レアモデルも多いCars & bidsでも低迷を極め、最終的に価格も3800ドル(当日レートで約56.7万円)で落札されました。
そんなK27について、SNSなどでは多くのユーザーからのコメントが投稿されています。
「完全にキャストかピクシスだ」と類似性を指摘するコメントに加え、「いやパクリって言うレベルじゃないよこれ」と、“パクリ”の度合いを超えたコピー加減にあきれる人も。
また「これは…金型盗んだのか?」「これは、外観部品の反転型をとって作ったレベル。そこまでやるか」「こりゃ3Dスキャンしたデータが出回ってるんじゃないか」「いわゆる中古の金型を何らかの方法で入手して造ったんでないのか?」と、もはや製造や開発過程で盗用を疑うコメントも多く見られます。
さらに、「3年程度1600キロ走行で、こんな程度まで劣化とは」「やはり、安かろう悪かろうですね」「まともに買う車ではない」「外見はパクれても質感まではパクれない」と製造品質の悪さを指摘する人もいます。
その一方で、「中国経済は300を超えるEVメーカーがあるから、丸パクリしているようなメーカーも多くある」「キャストってなぜかコピー車が山ほど存在するんだよな。このカンディK27をはじめ、『牡丹X8』『鴻日U8』『凌宝BOX』『sitech AEVs』…。中には本家にはない3ドアショートボディまで存在する始末」と、中国の新興メーカー事情の現状について言及するコメントも投稿されています。
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みんなのコメント
オマージュの国家は栄える。
物造りの考え方と姿勢だな。