2021年2月の乗用車全体(軽自動車を含む)の販売台数は36万1891台、前年比は100.0%でした。昨年2020年2月は消費税の改定影響などで2019年比10%弱落としていたことを考慮するとまだ完調とはいえないものの、堅調に推移していると言えるでしょう。
軽自動車を除く新車販売ランキングはトヨタヤリスが8ヵ月連続の1位、2ヵ月連続でトヨタルーミーが2位、トヨタアルファードが3位となりました。上位10車種のうち8台をトヨタ車が占めるなか、新型ノートとセレナの2台の日産車がTOP10圏内に滑り込みました。
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一方、軽自動車(乗用車)は年末にマイナーチェンジを受けたホンダN-BOXが引き続き首位をキープ、2位スズキスペーシア、3位ダイハツタント、4位日産ルークスとなり、スーパーハイトワゴン人気が続いています。今回も自動車評論家の島崎七生人さんに詳しく解説をしてもらいましょう。
国産乗用車販売台数 2021年2月(軽自動車を除く)順位車名ブランド名台数前年比1ヤリストヨタ20,559588.92ルーミートヨタ11,954155.63アルファードトヨタ10,107192.84カローラトヨタ8,76688.65ハリアートヨタ8,006367.46ライズトヨタ7,90179.27ノート日産7,24673.18ヴォクシートヨタ7,094105.29シエンタトヨタ6,36076.910セレナ日産6,30572.911フリードホンダ5,9288112フィットホンダ5,78270.313ソリオスズキ5,082128.614キックス日産5,06920年6月発売15ステップワゴンホンダ4,713123.916プリウストヨタ4,69362.417ノアトヨタ4,35710918RAV4トヨタ4,22073.519アクアトヨタ3,77344.720レヴォーグSUBARU3,677387.921パッソトヨタ3,00693.322ランドクルーザーWトヨタ2,715133.923MAZDA2マツダ2,676111.624CX-5マツダ2,58986.725ヴェゼルホンダ2,56872.526CX-8マツダ2,561167.727インプレッサSUBARU2,43458.128クラウントヨタ2,365103.729ロッキーダイハツ2,15263.130C-HRトヨタ2,12554.331CX-30マツダ2,01754.432スイフトスズキ1,95269.233フォレスターSUBARU1,8377534デリカD5三菱1,76716235MAZDA3マツダ1,71985.336トールダイハツ1,68981.137ジムニーワゴンスズキ1,641134.538オデッセイホンダ1,583225.239エクストレイル日産1,46256.740クロスビースズキ1,38874.141エスクァイアトヨタ1,28836.942シャトルホンダ1,27876.343シビックホンダ1,070136.344CX-3マツダ1,006267.645ヴェルファイアトヨタ1,00558.546マーチ日産999134.147カムリトヨタ98675.848リーフ日産95632.149エクリプスクロス三菱909169.650ハイエースワゴントヨタ731110.3昨年5月を底に回復基調のマーケット、10月以降は前年プラスで推移未曾有のコロナ禍の脅威に世界中がさらされ1年以上が経った。そんな中、今年2月の乗用車全体の新車販売台数は前年比で100.0%、軽自動車単独では104.7%の結果だった。昨年5月、前年比53.3%(軽自動車は44.1%)と底を打った際には目を覆いたくなったものだが、その後は復調に向かい、10月は消費税増税が表れ数字が落ち込んだ一昨年との比較で130%台にいったん数字がハネ上がったものの、11月以降も月ごとの対前年比がプラスに転じる流れになってきた。この原稿執筆時点で政府の緊急事態宣言が解除となり、リバウンドの懸念が言われるなどしている。ここまでの医療関係者の方々の尽力と思い、自動車業界に関わるすべての方々の力を踏みにじることにならないよう、私たちは引き続き可能なだけ気を引き締めて過ごしたいと心底思う。
欧州カー・オブ・ザ・イヤーも制したトヨタヤリスが絶好調!さて2月の販売台数だが、ランキングの上位10位中8車種はトヨタ車が占めている状況は1月と変わらない。1位のヤリス、2位のルーミー、3位のアルファードという顔ぶれも同じで、いずれも1月に対して台数も伸ばしている。その中でトップのヤリスは2万台超え、前年同月比588.9%という大健闘ぶり。ちなみにヤリスは、先の欧州カー・オブ・ザ・イヤー2021をヤリスとして初代(日本名=ヴィッツ)以来21年ぶり、2回目の受賞をしている。
根強い人気の「ベテランミニバン」ほかに10位圏内のトヨタ車では、比較的あたらしいモデルとともに、アルファード(3位/1万107台)、ヴォクシー(8位/7094台)、シエンタ(9位/6360台)の3車のベテラン組(?)が根強い人気を示している。3車とも1月に対し台数を伸ばしているだけでなく、アルファードは前年比192.8%と、強さはルックスだけにとどまらないようだ。いずれにせよ各クラス揃っての“ご自宅用実用車の3強”といったところで、これにルーミーを加えると、人気車だけでミニバンまたは箱形実用車のフルラインアップが完成する感すらある。さらにハリアー(前年比367.4%と、1月より順位、台数とも落としながらも堅調だ)、ライズ、さらにヤリスクロスのSUVタイプも存在感を示している。
日産ノート&セレナがTOP10入りの反面、ホンダは圏外へ10位圏内のトヨタ車以外の2車には、ノートとセレナの日産の売れ筋2車が食い込んだ。ノートは新型の台数が乗ってくるのはこれからといったところか。セレナは1月よりも台数自体は落としている。一方で1月に10位につけていたホンダフィットが台数を僅かに落としながら12位へ。代わりにホンダフリードが1月から順位をふたつあげ、台数も1000台弱上乗せした。同じホンダではステップワゴンが1月の23位から15位に順位を大きく上げ、台数も1月が2381台だったのに対し2月は4713台に大きく伸ばした。
スズキジムニーシエラの納期は再び伸びる方向そのほか前年同月比を大きく伸ばしている車種には、スバルレヴォーグ(387.9%/20位)、ホンダオデッセイ(225.2%/38位)、マツダCX-3(267.6%/44位)などがある。オデッセイとCX-3は改良効果が出ているようだ。ジムニーワゴン(シエラ)は順位は1月と変わらず台数は僅かに上乗せしているが、それでも「納期は再び伸びる方向」(スズキ)といい、この位のポジション、ボリュームで、定番商品として息の長いライフを過ごしているのかもしれない。49位に入った三菱エクリプスクロスはこれからの伸び具合が注目される。
軽乗用車販売台数 2021年2月順位車名ブランド名台数前年比1N-BOXホンダ18,59196.92スペーシアスズキ15,328109.93タントダイハツ13,87695.74ルークス日産10,97320年3月発売5ムーヴダイハツ9,75884.36ハスラースズキ8,21714157デイズ日産6,7514368アルトスズキ6,63994.19ミラダイハツ5,94082.910ワゴンRスズキ5,693100.411タフトダイハツ5,58020年6月発売12N-WGNホンダ5,20646.813ジムニースズキ4,138177.114eK三菱3,978118.315N-ONEホンダ1,916867.0※ 通称名についてはメーカーごとに同一車名のものを合算して集計しています(アルト、ミラ、ムーヴ、タント、eK、プレオ、N-BOX、デイズ、ピクシスなど)
例)デイズルークスはデイズとして、2020年3月発売のルークスについてはルークスとして集計
マイナーチェンジしたホンダN-BOXが相変わらずの強さ軽自動車は2月の各車の販売台数を見る限り、上位15車うち14車種が1月に対してプラスとなっている。このうち1位のホンダN-BOX、2位のスズキスペーシア、3位のダイハツタントは1月と順位は変わらず。N-BOXについては1月の1万6369台から2月は1万8591台に伸ばしているが、昨年12月にはHonda SENSING(安全運転支援システム)を全車に標準装備化するなどの改良が行われており、商品性の高さは相変わらず。国内販売台数4年連続ナンバー1の貫録を見せている。とはいえ台数としてはやや開きがあるものの2位につけるスペーシア、3位のタントと、スーパーハイトワゴン系のライバル車がしっかりと後ろに構えている。
ホンダでいえば、直近で大幅改良が行われたN-ONEだが、台数は1月に対して下げているものの、前年比では867.0%の数字となった。これからの有望株といったところか。対してN-WGNは前年比46.8%ながら、台数は1月よりも多い5206台となった。
SUV対決はスズキハスラーに軍配か注目のライバル車のスズキハスラーとダイハツタフトは、ハスラーが優勢で推移している。2月の販売台数は両車共に1月に較べ上乗せしてはいるが、ハスラーが8217台、タフトが5580台とおよそ2600台ほどの開きがある。
ほかにここにきてジワジワと台数と順位を上げてきた日産ルークス(2月は4位で1万973台)も注目。いっぽう三菱eKは1月の2581台に対して台数こそ3978台に上げたものの順位は14位にとどまっており、ルークスとの差がもどかしい。
※記事の内容は2021年3月時点の情報で制作しています。
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