Q4 e-toronはアウディBEVの白眉!
アウディQ4・e-tronの快感ポイントは、ズバリ、ナチュラルであること! そういってしまうと「?マーク」が頭の中を駆け巡ってしまうかもしれませんが、Q4・e-tronはアウディのEVの中で、いちばん普通に乗れる自然体のEVであるところが実はスゴイところなのです。
アウディが新しいプレステージ電動SUVの「Q8 e-tron」シリーズを発表
というのも、最初に登場したアウディのBEV、e-tronスポーツバックは、誤解を恐れずにいうと、「蒲鉾の板に乗っているみたい」というのが、私の第一印象だったんです。電池を搭載する下回りのガッチリ感、この主張が強すぎたのだと思います。決して、上半身がペナペナだったという話ではないのですが、ひと言で表現すると全体的な一体感が希薄だったんですよね。クルマは、適度かつジャストタイミングのロール感がないと、気持ちよく感じられないのではないか……?と、思ったのをよく覚えています。
その後に登場したe-tron・SUVは、上背があるぶん少しロールが感じられ、乗りやすいと思いました。またe-tron・GTは専用設計されたプラットフォームで登場したおかげで、至極バランスがよかった。GTはまぁ、スポーツカーであるからして、今回はちょっと話の脇に置いておくとしても、好印象のQ4・e-tronにEV専用プラットフォームMEBが採用されていることを考えると、やはりBEVは内燃機関とまったくレイアウトが異なるので、多くを専用設計しないと気持ちのいいドライビングフィールが、表現できないのかもしれません。
駆動方式はRWD。カッチリ感と抜群の安定性を実現
一般的にBEVは内燃機関のクルマよりは容易に作れるといわれています。中国や米国で多くのチャレンジャーが参入しているのはこのためです。その意味でも、気持ちのいいドライビングフィールを実現しているかどうか、これがいちばん大事なポイントだと思いますし、個性のアピールのしどころではないかと思います。
Q4・e-tronの場合、クワトロではなく後輪駆動ではありますが、アウディらしいカッチリ感と抜群の安定感、そのあたりを存分に感じさせてくれます。低重心なレイアウトを生かしつつ自然な動きで、内燃機関から乗り換えてもほぼ違和感なし。EV特有のダッシュを利かせた「バカッ速」ではありませんが、パフォーマンスは十分以上です。
インテリアは、上下フラットの異形ステアリングが目立つくらいで、仰々しい未来っぽさはなく上質そのもの。アウディらしいクールでスポーティなイメージで彩られているところも「らしさ」を伝える相乗効果となっているのかもしれません。
パッケージングも巧妙。ボディサイズはQ3とQ5の中間の大きさながら、室内長はQ5を超え、荷室容量を含めて考えるとQ7並みに使えそうなユーティリティ性を持っています。これぞアウディの真骨頂というところを、上手に盛り込んでいます。
BEVだからといって気負うことなく、価格も含めて、全方位に最新アウディである。これがQ4・e-tronの快感ポイントだと思います。
アウディQ4 e-tron主要諸元
グレード=Q4スポーツバック40e-tron・Sライン
価格=737万円
全長×全幅×全高=4590×1865×1600mm
ホイールベース=2765mm
車重=2100kg
モーター最高出力=150kW
モーター最大トルク=310Nm
バッテリー総電力量=82kWh
一充電走行距離(WLTCモード)=594km
駆動方式=RWD
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