【インディカー】佐藤琢磨らの来季チームメイトに？ デイル・コイン、ルーキーテスト参加のアームストロングは「とても良い候補」

　元フェラーリ・ドライバーズアカデミー出身で、FIA F2で優勝経験を持つマーカス・アームストロングは、10月12日（水）にセブリングのショートコースで行なわれたインディカーのルーキー評価テストにデイル・コイン with HMDモータースポーツから参加。アームストロングは計131周を周り、5名中4番手のタイムとなったものの、チームオーナーのデイル・コインはアームストロングの走りを高く評価している。

　デイル・コインは翌日も居残りテストを実施し、今季インディカー・ライツ参戦中のダニアル・フロストを走らせた。チームは来季、3台目のエントリーを検討しているが、そのドライバー候補としてアームストロングの名前が挙がっているようだ。

　コインはmotorsport.comに対して次のように語っている。

「我々はホンダに”やられた”みたいなもんだ。ああ、言ってやるとも。プッシュ・トゥ・パス（P2P）があって、彼らは『計測ラップでは使うな』と言っていたのに、他3台のホンダ車は使っていた……その理由はなんだ？」

「でもとにかく、P2Pがない状態でのタイムだから、結果は0.4秒速くなるはずだった」

　アームストロングはP2Pを使用しなかったものの、3番手のジェイク・デニス（アンドレッティ・オートスポート）から0.2879秒差。P2Pによるタイムアップを見込んだ場合は、F2のハイテック・グランプリでチームメイトを組み、ルーキーテストで2番手となったユーリ・ヴィップス（レイホール・ラニガン・レターマン・レーシング）に匹敵するタイムだっただろう。

　またコインはアームストロングの走りの面だけでなく、エンジニアのドン・ブリッカーへのフィードバックも良かったと語っている。

「彼はとても良いし、とてもプロフェッショナルだ」とコインは続ける。

「彼はフェラーリのシミュレータで長い時間を過ごしてきた。彼は20,000kmと言っていたね。だから9時から17時までここで走っても、彼は良い結果を残すと予想はしていたよ」

「彼は低速コーナーで本当に良い走りをしていた。セブリングのコースはバンピーで、ヨーロッパ育ちのドライバーには通常対応できないようなバンプが多いから、ここではそこを常に注目している。F1やF2にも低速コーナーはあるけど、我々のレースにあるようなバンプはない。その点、そのような走りが見られて良かったと思う」

「ステアリングに関してはマーカスは悩んでいなかったようだが、マシンに彼とダニアルは疲れたみたいだ。セブリングはハードブレーキングが要求されるから、ペダルを思い切り踏む必要があるし、ふたりとも脚力不足に驚いていたよ」

　今回の結果から、アームストロングはデイビッド・マルーカスと佐藤琢磨のチームメイトとして来季の3台目を走らせる候補になり得るかと訊かれたコインは、次のように答えている。

「我々と走ることに関して、彼はとても良い候補だよ」

「3台目？　それはどうなるか見てみないと分からない」

「デイビッドが残留することは分かっている。タクマもそうしたいところだが、まだそこまでには至っていない。彼は今、日本でスポンサー各社と詳細を詰めているところだ。彼は（参戦継続を）希望しているし、我々も期待している。彼は僕らに正直だし、我々も彼に対して正直でありたいと思う」

「マーカスはF2を諦めたみたいだが、我々とインディカーを走ることについては熱視線を向けているようだ。デイビッドやタクマに加えて、マーカスを走らせる第3のプログラムを組めれば、それは理想的なシナリオだ」