トヨタ自動車は10月9日、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020)で選手村で使用される完全自動運転の電気自動車(EV)「e-パレット 東京2020オリンピック・パラリンピック仕様」を公開した。同モデルをベースにした特別モデルを10月23日から東京ビッグサイトなどで開催される「東京モーターショー2019」に出展する。
e-パレットは、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)専用車両で、さまざまなモビリティサービスで活用される車両として開発している。トヨタはe-パレットの認知度アップを図るとともに、実走行を通して進化させるため、東京2020の選手村で、選手や関係者の輸送手段としてe-パレットを運行させる予定だ。
東京モーターショー/ダイハツ/完全自動運転のEV/コンセプトカー4台
e-パレット東京2020仕様車は、前後対称の箱型デザインを採用し、タイヤを四隅に配置することで広い室内空間を確保するとともに、幅1300mmの大開口スライドドア、低床フロアを採用して乗降性を追及した。最大乗員数は20人。ロングホイールベースとフラットフロアによって最大4人の車椅子ユーザーが乗車できるほか、選手村に設置されたバス停に自動で正着制御し、電動スロープによって楽に乗り降りできるようにした。
車両は低速ながら自動運転レベル4(限定地域での完全自動運転)で、選手村では最高時速を19kmに抑えて運行する。3D高精度マップを搭載しており、バス停への停車を含めてあらかじめ設定されたルートに沿って自動走行する。横断歩行者や障害物を、カメラやLiDAR(レーザースキャナー)などのセンサーが検知して安全に走行する。LiDARは車両の前後左右と天井の5カ所に設置しており、周囲の状況に適した速度で走行する。航続距離は通常の走行で約150km。選手村では、10数台が走行する予定で、ドアの開閉などを操作するオペレーターが常時1人乗車する。歩行者とコミュニケーションができるように、歩行者が横断しているのを認識すると、笑顔のような表情を示して「お先にどうぞ」と伝えるなど、車両の認識状況を周りに知らせるランプをフロントとリアに採用した。
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