2023年のWorldRX世界ラリークロス選手権第5戦開催が予定される8月5~6日のベルギー戦にて、電動ワンメイクのオフロード選手権『エクストリームE』の初代チャンピオンでもある豪州出身モリー・テイラーが、併催イベントの『FIA RX2eチャンピオンシップ』に参戦することが決定。シリーズの強豪ハンセン・モータースポーツが運営するジュニアチーム『#YellowSquad(イエロースクワッド)』から、続くドイツ・エスターリンクを含めた終盤2戦に出場する。
2016年には地元オーストラリアの国内ラリー選手権チャンピオンとして、史上初の女性ドライバーによる総合優勝と史上最年少記録も打ち立てるなど歴史に名を刻んだ彼女だが、2021年にはWorldRXの“絶対王者”でもあるヨハン・クリストファーソンとタッグを組み、初年度のエクストリームEに挑戦。元F1王者ニコ・ロズベルグ率いるロズベルグXレーシング(RXR)の一員として、見事に初代シリーズチャンピオンを獲得した。
ついに王者が“再起動”RXRのクリストファーソン&コチュリンスキー組が完全制覇/エクストリームE第5-6戦
そのテイラーは現在、同じくエクストリームEに参戦するヴェローチェ・レーシングに所属し、この#YellowSquad創設者でもあるケビン・ハンセンのチームメイトとして、開幕戦Desert X Prix(サウジアラビア)とHydro X Prix (スコットランド)で2勝をマーク。ふたたびタイトル争いの渦中に身を置いている。
そんな彼女は、今週末ベルギーのメテで開催される“WorldRXベネルクス”でRX2eデビューを飾り、さらに8月19日から20日にエスターリンクで開催されるイベントにも出場を予定する。
「RX2eは電気自動車でラリークロスを学び始めるのに理想的な場所であり、この#YellowSquadチームの一員となり、カテゴリーで最高の選手たちから学ぶ機会も得られるはずよ」と、さらにサイド・バイ・サイドでのグラベル競技に活動の場を広げるテイラー。
同じく今季のFIA RX2eには序盤戦から多くの女性ドライバーが参戦しており、彼女と同じくエクストリームEに参戦するレギュラー陣からは、ミカエラ-アーリン・コチュリンスキー(現RXR)やクリスティーナ・グティエレス(X44ビーダ・カーボン・レーシング)、ケイティ・マニングス(アンドレッティ・アルタウィキラット・エクストリームE)らがエントリーし、コチュリンスキーは開幕3位表彰台を獲得。マニングスも初日にヒート初勝利を決めるなど、それぞれが印象的なスピードを披露してきた。
■RX2eワンメイク車両『ZEROID X1』のテスト機会も計画
「これらRX2eのふたつのイベントに参加できることは本当に楽しみで素晴らしい機会だし、これを可能にしてくれた(支援企業の)E.ONとヴェローチェ・レーシングにも深く感謝しているわ」と続けた35歳のテイラー。
「ラリー出身だし、サイ・バイ・サイドのレースは私にとってエクストリームE以外では馴染みのないこと。これは私にとってこの種のレース経験を増やす最適な方法であり、それがエクストリームEにも必ず反映されると確信している」
「それに#YellowSquadと一緒に活動していると、自分の周りには適切な人材がいることがわかる。できるだけ早く学び、成長して、この挑戦をモノにすることを楽しみにしているし、始めるのが待ち切れない気分ね」
そのテイラーは、昨季シリーズランキング2位を獲得したアイザック・シェクヴィストとともに、完全BEVで270kW(約367PS)を発生する4輪駆動RX2e車両のステアリングを握る予定で、ベルギーに旅立つ直前には他の女性ゲスト同様にスペインのカラファトにて、このRX2eで使用されるワンメイク車両『ZEROID X1』に習熟するテスト機会が計画されている。
「モリー(・テイラー)はラリーや電動レイドでその資格を何度も証明してきた才能あるドライバーだ。彼女が別の分野に移行するとき、一緒に仕事をするのは非常に興味深い体験になるだろう」と語るのは、この#YellowSquadでチームマネージャーを務めるエリック・フェレン。
「ベルギーとドイツのトラックはどちらも特徴が大きく異なるため、ご存知のとおり非常に競争の激しい分野であるラリークロスとRX2eでの彼女の学習に役立つことは間違いないだろう」
「どちらのコースも走行経験が豊富なRX2eドライバーはほとんどいないので、それが我々にも有利に作用することを期待している。我々はモリーができるだけ早くスピードに乗れるよう、一生懸命に努力するつもりだ」
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