ルーベンス・バリチェロ(フルタイムスポーツ/トヨタ・カローラ)のキャリア2度目の戴冠に沸いたSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”は、12月10~11日の最終戦を終え、早くも来季に向けた動きが活発化。
各陣営の2023年体制が続々と確定し、TOYOTA GAZOO Racingブラジル陣営の一員として戦ってきたネルソン・ピケJr.は、古豪クラウン・レーシングとのジョイント形態で新体制に移行することを表明した。
ホンダ系の強豪が4台体制を確定。アルゼンチン国内を除く来季開催地詳細も/TCRサウスアメリカ
同じくトヨタ陣営のトップチームであるフルタイムスポーツのメンバーで、北米大陸を中心にキャリアを積んできたトニー・カナーンは、エントリー名のテキサコ・レーシングを含め体制維持で、自身3年目のフルシーズン参戦が確定。
そして2022年は初優勝達成からタイトル争いにも絡んだ隣国アルゼンチン出身のスター、マティアス・ロッシも“古巣”のフルタイムスポーツ復帰を決断。そのロッシが1シーズンのみ所属したA.マティス・フォーゲルや、強豪イピランガ・レーシングなど、トップチームを中心に来季ドライバー陣容が確定している。
父ネルソンの息が掛かったファミリーチーム的な性格を持つチームとして発足したTMGレーシングで戦ったピケJr.だが、来季に向けてはタイトルスポンサーの意向を含めて新体制を構築することとなり、地元の自動車整備企業“ユニバーサル・ソリューション・オートモーティブ・グループ”を迎え、来季はウィリアム・ルーブ代表が率いる古豪クラウン・レーシングとの技術的パートナーシップを結ぶとアナウンスした。
「彼らのようなグループの加入に満足しているし、2022年は僕にとって新しいチームでの開発のシーズンでありながら、都合2度の勝利を収めることもできた。このプロジェクトに対するユニバーサルの信頼に感謝し、ブランドを代表できることを誇りに思っている」と、ピケJr.も新体制発足の意欲を語った。
一方でピケJr.を迎え入れたルーブ代表も「ネルシーニョのような、国際的に成功したドライバーが戻ってきたことに非常に満足している」と、歓迎の言葉を述べた。
「このスポーツに対する深い理解を伴う偉大なスポンサーが戻ってきて、ストックへの迅速な適応を見せ、すでにレースで勝っているドライバーを起用できるのは最高だ。TMGとの技術的パートナーシップ強化により、ストックカーでの近年の歴史で達成してきたように、我々クラウン・レーシングが勝利とタイトルのために戦うことについて、さらに楽観的な見通しが持てるよ」と、自身も2度のシリーズチャンピオンを経験するルーブ代表。
■フル参戦3シーズン目を迎えるカナーンもチームとの契約更新を発表
一方、電撃的フル参戦から3シーズン目を迎えるカナーンは、チームとの契約更新を発表し、引き続きフルタイムスポーツが用意するトヨタ・カローラのステアリングを握ることが決まった。
「インディカーを含め、僕のキャリアで10年以上を一緒に過ごしてきたテキサコのブランドと、真にプロフェッショナルなフルタイムスポーツのメンバーとともに、こうして3年目を迎えることができて、とても感謝している」と語った2013年のインディ500ウイナー。
「この継続性は、ストックカーのような競争の激しいカテゴリーでは非常に重要だし、彼らが僕自身を、そして僕がこのチームをどれだけ信じているかを現している。早めに到着したこの素晴らしいクリスマスプレゼントにとても満足しているし、僕らはともに仕事を続け、来季こそ素晴らしいチャンピオンシップを手に入れることができるはずさ!」
そして“越境”フル参戦2年目の2022年は、ヴェロチッタとインテルラゴスでの2勝に加え、年間7度の表彰台を数えたロッシも、引き続き「ブラジルで最も成功を収めた海外ドライバー」の肩書きとともにストックカーのグリッドに並び、デビュー時に所属したチームへと復帰してTGRカラーのマシンをドライブする。
「僕のためにストックカーへの扉を開いてくれたチームであるフルタイムスポーツに戻ることができてうれしいよ」と、2022年はランキング4位を獲得したロッシ。「今季ルーベンス(・バリチェロ)がタイトルを獲得したように、チーム構成はシリーズで最も印象的なもののひとつであり、トラックでのパフォーマンスは壮観と言うほかないね。この約2年ぶりの復帰が勝利を手繰り寄せ、チーム全員にさらに良い時間をもたらしてくれることを願っている」
そのロッシが所属していたA.マティス・フォーゲルは、2021年王者としてタイトル防衛を目指したガブリエル・カサグランデ(A.マティス・フォーゲル/シボレー・クルーズ)と、ロッシの117号車TGRトヨタ・カローラの2台体制というマニュファクチャラーをまたいだ変則構成となっていたが、今回のロッシ離脱を機にシボレー陣営へと回帰。アルゼンチン出身ドライバーの後釜には、2019~2020年にもチームに所属したブラジリア出身のルーカス・フォレスティの起用が決まった。
そしてA.マティス・フォーゲルの“トヨタ版”とも言うべき強豪イピランガ・レーシングは、2020年以来のチーム体制を維持し、今季も勝利とW表彰台も獲得したチアゴ・カミーロとセザール・ラモスの強力な布陣の継続をアナウンスしている。
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