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ベルント・マイレンダーに聞くF1セーフティカーとアストンマーティン・バンテージ

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ベルント・マイレンダーに聞くF1セーフティカーとアストンマーティン・バンテージ

 F1世界選手権の安全なレースコントロールに欠かすことができないセーフティカー/メディカルカー。セーフティカーはアクシデントが発生した際に出動し隊列をコントロールするほか、メディカルカーは現場に駆けつけることから、高いパフォーマンスが要求される。そんなF1のセーフティカードライバーを24年にも渡って務めるベルント・マイレンダーが、F1日本グランプリの際に今季F1で使用されるアストンマーティン・バンテージのセーフティカーについて説明してくれた。

 マイレンダーは1971年生まれ。レーシングドライバーとしてDTMドイツ・ツーリングカー選手権やFIA-GTで活躍し、2000年にはポルシェを駆りニュルブルクリンク24時間レースでも優勝を飾っている。その実力を買われ、同年からF1のセーフティカードライバーを務めてきた。

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 そんなマイレンダーにとっても、鈴鹿は特別なコースだという。「私はFIA-GTで何度か戦ったことがあるが、鈴鹿のようなトラックはいつでも特別で、最初のコーナーから最後のコーナーまで集中力が求められる素晴らしいサーキットだ。私もFIA-GTでは、この素晴らしいトラックで1997年に2位、98年には4位に入っているんだ」とマイレンダー。

「そういった素晴らしいコースでは、もちろん特別なパフォーマンスがセーフティカーとしても求められる。それがアストンマーティン・バンテージにはあり、最強のマシンではないが、ドライバビリティに優れており、クルマにいま何が起きているのかを正確にドライバーに伝えてくれる。これはとても大事なことなんだ」

 マイレンダーがセーフティカーとしてドライブするバンテージは、『F1エディション』と呼ばれるスペシャルバージョンではあるが、実戦で使用されているバンテージは「サーキット専用車としてリヤが少し硬めになっていて、一般道で乗ったら少し不快になるかもしれないね」という。しかし、その他の部分はF1エディションと同様で、「本当にトップレベルで素晴らしいと思う。またメディカルカーもDBXからDBX707に進化したが、もともと素晴らしいものがさらに上のレベルになっている」と賞賛した。

 ちなみに、以前F1ではメルセデスAMG GT『ブラックシリーズ』がセーフティカーで使用されてきたが、これとの比較については「200馬力も差があるので、クルマとして比べるのはフェアではない」とした。

 さらにマイレンダーは、「希望するならご案内しよう」と実際のセーフティカー内部も披露した。市販モデルと大きく異なるのは、もちろん外観では特別に製作されたルーフライトなどが目立つが、内部も大きく異なっている。「特に違うのはリヤのトランクハッチ内だ」とマイレンダー。レースコントロールからの情報が逐一送信される電子機器が、所狭しと配されている。また、コクピット内もモニターが複数装着され、セーフティカー内に情報をもたらす。

 また、レーシングカー同様に、セーフティカー/メディカルカーを走らせるためのチームも控える。スペアタイヤも用意され、レースウイーク中にタイヤ交換も行われる。F1を先導しサーキットを周回するためには、相応にタイヤの状態を保つことも重要というわけだ。

「我々はいつも2台のセーフティカー、2台のメディカルカーを準備している。F2やF3が開催されるときも備えなければならないからね。そして、セーフティカードライバーという私の立場からすれば、メルセデスもそうだが、アストンマーティンのようなブランドがF1の歴史と背景を理解し、パートナーとなっていることを非常に嬉しく思っているよ」とマイレンダー。

「F1では安全が最も重要であり、そのためには最速のロードカーを提供できる、F1と同じ考えをもつメーカーが必要だと思う。セーフティカーに求められるシステムが安全を提供し、アクシデントに対応できるようになる。私は長期に渡ってF1に関わっているが、アストンマーティンも同じ思いをもってくれていると願っているよ」

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