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NASCAR:インディカー併催の1戦はフォードのハービック勝利。ピットではクラッシュの波乱も

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NASCAR:インディカー併催の1戦はフォードのハービック勝利。ピットではクラッシュの波乱も

 2020年のNASCARカップシリーズは7月5日、インディアナ州インディアナポリスのインディアナポリス・モータースピードウェイでシーズン16戦目となる“ビッグ・マシーン・ハンド・サニタイザー400”が行われ、ケビン・ハービック(フォード・マスタング)が2020年シーズン4勝目を飾った。

 5月半ばのシリーズ再開から数えて12戦目となるNASCARインディアナポリス戦は、おなじく北米で高い人気を誇るNTTインディカー・シリーズ第2戦GMRグランプリと史上初のダブルヘッダーとして行われた。

【アメリカ・シカゴから特別寄稿】米国モータースポーツの実情。いち早くレースを再開したNASCARに再び暗雲か

 7月4日に決勝が行われたインディカー第2戦はインディアナポリスのオーバルとインフィールドセクションの両方を使ったロードコースを舞台に争われたが、NASCARは1周2.5マイル(約4キロメートル)のオーバルコースが舞台。決勝レースは402.5マイル(約644キロメートル)、延長戦“オーバータイム”の1周を含む3ステージ合計161周で争われた。

 なお、今回のインディアナポリス戦ではジミー・ジョンソン(シボレー・カマロZL1)が検査で新型コロナウイルス(COVID-19)陽性が確認されたため欠場。かわってNASCARエクスフニティシリーズに参戦中のジャスティン・アルガイエがカーナンバー48をドライブした。

 50周目までのステージ1は14周目にコンペティションコーションが導入され、ここでほぼ全車が一斉にピットへ向かう。すると、ピット入口付近で9台が絡む玉突き事故が起きてしまう。

 この混乱のなか、ピット作業エリア側に弾き出されたブレナン・プール(シボレー・カマロZL1)と、ピット作業中だったライアン・ブレイニー(フォード・マスタング)が接触。その際、ブレイニー車の右リヤタイヤを交換していたピットクルーのザック・プライスが2台のクルマに挟まるアクシデントが発生した。



 このアクシデントによりレースは赤旗中断となり、マシン2台に挟まれたプライスは救急車で病院へ搬送された。なおプライスは担架で運ばれる際、サムズアップして自身の無事をアピールしており、検査の結果でも大きな外傷などは見つからなかったため、当日中に退院している。

 アクシデントの処理を経て、レースは20周目に再開されると、リスタート早々にジョーイ・ロガーノ(フォード・マスタング)とハービックの首位争いがぼっ発。ハービックが前におどり出るとロガーノとのギャップを徐々に広げていく。

 しかし、ステージ1チェッカー目前の41周目にライアン・ニューマン(フォード・マスタング)がターン3でクラッシュしたためイエローコーションとなり、レースは一度リセットされることに。

 ステージ1は47周目、ウィリアム・バイロン(シボレー・カマロZL1)を先頭に再開されると、そのままバイロンがポジションを守ってトップチェッカーを受けた。


 100周目までで争われたステージ2は、56周目にチェイス・エリオット(シボレー・カマロZL1)を先頭にスタートが切られると、75周目に他車のクラッシュがあり、イエローコーションが導入された。

 レースは83周目に一度再開されたが、このとき2番手を走っていたバイロンの左フロントタイヤがパンクしてスローダウンしたため、ふたたびイエローコーションとなってしまう。

 そして88周目、オースティン・ディロン(シボレー・カマロZL1)を先頭に2番手デニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)、3番手カート・ブッシュ(シボレー・カマロZL1)、4番手ハービックの順でレースは再開。

 バックストレートでディロンに2番手ハムリンが並びかけると、その2台のドラフティング(スリップストリーム)を利用したハービックがイン側から2台を一気にかわしトップへ。その直後、12番手を走行していたライアン・ブレイニー(フォード・マスタング)がターン4でクラッシュしたことで、またもイエローコーションで仕切り直しとなる。

 ステージ2最後のリスタートは92周目。この時点で首位だったハービックは100周目のステージ2チェッカーまでの間に1秒以上のリードを築き、ステージを制した。

 最終ステージ3はステージ2を制したハービックと同ステージ3位だったハムリンが激しく火花を散らした。最初のバトルはリスタート直後のバックストレート。トップのハービックに2番手のエリオットが並びかけると、その2台の後方からハムリンが猛追。ハービックには届かなかったものの、エリオットは攻略し、ハムリンが2番手に浮上する。

 2番手を走るハムリンは122周目、首位ハービックとのギャップが0.183秒まで縮まったところで先行してピットへ。翌周にはハービックもピットへ向かい大きなロスなく給油とタイヤ交換を済ませたものの、ここでハムリンに先行を許した。

 その後、ハムリンはトップの座を守り続けていたが、153周目にタイヤが突如バーストしてターン1でクラッシュ。衝撃でマシンから火の手が上がるなか、ハムリンはピットロード出口付近のランオフにマシンを停めて脱出した。

 このアクシデントでレースにはイエローコーションが導入される。そして本来であればファイナルラップである160周目、NASCAR独自の延長システム“オーバータイム”も適用され、レースは残り2周で再開されると、トップのハービックがポジションを守ってトップチェッカーを受け、2020年シーズン4勝目を飾った。

 2位にはeスポーツイベント中に人種差別発言をして解雇されたカイル・ラーソンに代わり、ダーリントン戦からカーナンバー42を託されているマット・ケンゼス(シボレー・カマロZL1)が入り、3位はアリック・アルミローラ(フォード・マスタング)が獲得した。

 カップシリーズ決勝前日の7月4日には同地のロードコースでNASCARエクスフニティ・シリーズの“ペンゾイル150”が開催され、こちらはチェイス・ブリスコー(フォード・マスタング)が優勝を飾っている。

 2020年のNASCARカップシリーズ、次戦は7月12日にケンタッキー州スパータのケンタッキー・スピードウェイで行われる。


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