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インド国内で商業用3輪EVのシェアトップを独走する日本のグローバルEVベンチャー・テラモーターズの戦略

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インド国内で商業用3輪EVのシェアトップを独走する日本のグローバルEVベンチャー・テラモーターズの戦略

二輪、三輪車のライトモビリティ市場先行で、EVシフトが加速するインド。背景にある「EV導入の必要性」と「政府の大きな後押し」

日本発のグローバルEVベンチャーとして、持続可能なモビリティ産業の基盤構築を目指す、Terra Motors株式会社は、公式HPにインド現地商況レポートを公開した。

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EVシフトが加速する「ライトモビリティ産業」において、商業用EV三輪車(E-リキシャ)のインド国内シェアNo.1を獲得、維持している。

世界的な「脱炭素」の潮流にある中、日本発のグローバルEVベンチャーとして引き続き、独自市場におけるガソリン車からのEVシフト、さらなる「EVライトモビリティ産業」のグローバルな発展へ寄与していくという。

「インドEVライトモビリティ産業躍進の背景と課題」レポートはこちらより。
Tetta Motors公式HP特設URL: https://terramotors.co.jp/india-ev-light-mobility
英語版は、6月下旬に公開予定。
URL: https://terramotors.co.jp/en/

レポート概要

■「ライトモビリティ」の必要性

広大な国土と未発達な公共交通網であるインドでは、人々が手軽に利用できる交通手段として、自動車やバスと別に、二輪、三輪市場、「ライトモビリティ」の移動手段が確立している。

地域により異なる気候風土があり、通勤・通学、買い物用途の短・中距離移動(一日の移動距離が100km以内、スピードは最高時速80km/h程度)として、最終目的地までの移動手段、徒歩での移動を補うなど様々なシーンで活用されてきている。

特に、三輪車は、インドにおいて公共交通機関(電車の駅/バス停)から自宅圏内までのラストワンマイル(※)を繋ぐ手段として日常に溶け込み、人々の主要な交通インフラとして機能を果たしている。

(※1) ラストワンマイルとは、約1.6km以内の移動距離、公共交通機関がある地点までの足を担う。

■フル充電で近場移動ニーズを満たせる「ライトモビリティ」の特性が生きる

EV全体の普及にあたっては、グローバル市場全体でも「充電インフラの設置に対する課題」がある。

しかし、四輪車に比べ一回の走行距離が短いライトモビリティのEVシフトにおいては、これらは優先課題ではなく、「自宅で充電すれば、1日の必要移動距離がカバーされるため新しい充電インフラの設置が不要」であり、この点が通常の四輪に比べ、ライトモビリティのEVシフトが急速である製品特性要因。

■政府の後押しもあり、先行してEV化が進む

現在、インドでは、EV産業の発展はアジアにおける自国プレゼンスの重要な産業とする背景として、3つのポイントがある。

1つ目は、貿易赤字解消として、莫大な石油輸入による貿易赤字を解消するため、ガソリン車を規制し石油消費を減らす事が必要であること、2つ⽬は、⾃動⾞産業の振興としてEVを起点に国内外から電動⾞の製造投資を誘致し、雇⽤創出、輸出拠点としての経済成⻑を⽬指すこと、3つ目に、インドに暮らす国⺠の健康問題解決策として、深刻な⼤気汚染を解消し、国際基準に従った排ガス規制の導⼊をしていることだ。

ガソリン車体の規制強化においては、EV車体とガソリン車体と値差が縮まることに加え、ランニングコストである燃料費への購入インセンティブが増加傾向であることによって、EV車購入への大きな後押しとなっている。

こうした影響を受け、インドの人々の生活の一部であったライトモビリティセグメントが、急速に、EV車に置き換わっていっており、『EVライトモビリティ産業』として、次世代の新しい産業が成り立ってきている。

『EVライトモビリティ』は、今後の経済発展を見据えたニーズが高まる中、国内外の活況にインパクトをもたらす重要なセグメントであると予測している。

テラモーターズは、タクシー、デリバリー就労向けの商用EV車を取り扱っており、従来のガソリン車からの乗り換えによる「運用コスト減」や、「生活改善の後押し」に繋がるユーザーの目的特化型の製品開発を行なっている。

ユーザー層は、インド人口全体の約65%を占めている低・所得者層によって構成され、この層は経済的に豊かな生活を求めている背景があり、インド経済の発展とともに需要も伸びていくことが予測される。

今後、EV車が人々の生活へと浸透していく中、テラモーターズが顧客へ提供する価値は、「ガソリン車と比較した、経済性の高い車体提供」と「新しい生活を想起させるブランド価値の提供」。

この二つの価値を提供するために、車体の高技術化、革新的なIOTによる利便性向上、シェアードモビリティなどの各種サービス事業との協業を推進、次世代に向けた『EVを起点としたプラットフォーマー』としての事業価値を向上させていく。

(※2)インドのEV支援
-「FAME」:2015年スタートした政府によるクリーンエネルギーとなるEVの導入支援策、2019年より第二フェーズ「FAME(Electric Vehicles in India)-2」が展開。
- 消費税は、ガソリン車28%に対し、EV車は5%である。
- ガソリン車の規制強化として、2025年より150cc以下二輪車はEVのみ販売が可能で、2020年4月よりガソリン規制がさらに強化(BS4規制からBS6規制へ)
- 補助金の支給:リチウム中心に現地組立のものに補助金支給、現在進行中のEV促進の予算は、約1500億円。(「FAME」※第2フェーズ19年4月~22年3月迄)

関連情報:https://terramotors.co.jp/

構成/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)

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