F1サンパウロGP、予選でピットレーン出口の”一時停止”を取り締まりへ。アタックの準備はコースインしてからに

　F1サンパウロGPの予選では、他車へのアタック妨害を取り締まる一環として、ピットレーンのファストレーンでの停止が禁止されることになった。

　予選での危険なトラフィックトラブルを避けるため、FIAは最大ラップタイムを規定し、過度なスロー走行を取り締まっている。

　しかし、これは意図しない結果を引き起こした。ドライバーがアタックに向けた準備をするラップで、ライバルとのギャップを十分に開くことができないため、ピットレーンで停止。コースインを遅らせることでギャップを作ろうとした。

　ピット出口でドライバーのペースが大幅に落ちたり、あるいは完全に止まって後続のライバルも止めてしまうことが何度かあったのだ。

　前戦メキシコシティGPでは、マックス・フェルスタッペン（レッドブル）、ジョージ・ラッセル（メルセデス）、フェルナンド・アロンソ（アストンマーチン）の3人がQ1でピット出口で停止し、ギャップを築こうとしたとして審議の対象となった。

　3人はお咎めなしの裁定が下ったものの、この問題が広範囲に及んでいたことから、より良い解決策を見いだすべきとの声が上がり、今週末のサンパウロGPを前にF1レースディレクターのニールス・ウィティヒがこれを実行に移した。

　サンパウロGPの前に全チームに送られたウィティヒのイベントノートには、予選とスプリント・シュートアウトの両方でドライバーに新たな行動基準が求められると書かれている。

　予選セッション中にファストレーンでライバルを引き止めてはならないとし、どこでギャップを見つけるかについても厳しいガイドラインを示した。

　イベントノートの中で彼は次のように述べている。

「F1競技規則33.4条に従い、ドライバーは不必要なスロー走行をしてはならない。これはピットレーンのファストレーンでの停止も含まれる」

「シュートアウトと予選では、ドライバーはピット出口のライトとSC2ライン（第2セーフティカーライン）の間でギャップを作ることができる」

「そうしたいドライバーは、他のドライバーがピットロード出口の右側から追い越せるように、できるだけ左側を走らなければならない」

　マクラーレンのチーム代表であるアンドレア・ステラはメキシコで、ピットレーンの問題は非常に深刻であり、緊急の解決策が必要だと述べた。

「早急な対策が必要だと思う」

「良い光景とは言えない。オペレーションがすごく難しくなるんだ。自分のマシンがいつコースインするかわからないのだからね」

「すべてのドライバーが他のドライバーに翻弄されることになる。これは不公平だと私は考える。この状況をコントロールするために、取り締まり的な側面や裁定的な側面を作り出す必要がある」