子供向けの「ボンドカー」
text:Will Trinkwon(ウィル・トリンクウォン)
【画像】アストン マーティンDB5ジュニア【オリジナルと写真で比較。後継のDB6も】 全67枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
アストンマーティンは、往年のスポーツカーDB5の「ジュニア」バージョンを公開した。
電動カーメーカーのリトル・カー・カンパニー(最近発売されたブガッティ・ベイビーと同様)と共同で開発されたこのジュニアは、全長約3m、全幅約1.1m。主に子供をターゲットにしているが、大人も乗れば楽しめる。
DB5ジュニアは、オリジナルのDB5の3Dスキャンをベースに、細部にまでこだわって作られている。アルミニウム製のハニカムシャーシを採用したコンポジットボディは、ロゴに至るまで実車とほぼ同じだ。
ダッシュボードには、DB5に搭載されていたスミス時計や計器類が取り付けられている。アルミニウム製のブレーキペダルとアクセルペダルが特徴で、インテリアにはブラックレザーで施されている。
後輪に6.8psを供給する電動パワートレインを搭載しており、最高速度は48km/hに達するが、これを聞いて不安に思う親もいるだろう。しかし、内蔵されているノービス・ドライビングモードでは、最高速度を19km/hに制限できるのでご安心を。
リモコンのキルスイッチも備わっており、最大30mの距離からクルマを無効化できる。距離が離れすぎると、自動的にクルマを停止させることも可能だ。
エキスパートモードを選択すれば速度制限が解除され、性能をフルに発揮する。レースモードでは、加速力と最高速度で他のリトル・カー・カンパニーのモデルと競うことができる。
高性能の「ヴァンテージ」も設定
パワーはすべてリアの10インチワイヤーホイールに伝達され、4輪のベンチレーテッドディスクブレーキと回生ブレーキを備えている。ボンネットの下には、最大32kmの航続距離を持つ取り外し可能なバッテリーが収納されている。
フロントサスペンションにダブルウィッシュボーンを採用し、実車のセットアップを踏襲しながら、ロールセンターとキャンバーゲインをオリジナルの形状に合わせている。
リアには、時代に合わせたライブアクスルを採用し、本物のトレーリングアームサスペンションとパンハードロッドを装備している。
さらなるパフォーマンスを求める人のために、「ヴァンテージ」バージョンも用意された。最高速度は未確認だが、DB5ジュニアの最高出力を2倍の13.5psまで高めたものだ。
ボディはカーボン製で、高速走行時のトラクションを向上させるリミテッド・スリップ・ディファレンシャルが追加されている。2つ目のバッテリーを装着し、航続距離を32~64kmに倍増させた。
DB5ジュニアの価格設定は3万5000ポンド(490万円)から、ヴァンテージバージョンは4万5000ポンド(630万円)となっている。
わずか1059台の限定生産で、現在注文が可能だ。生産は2021年に英国で開始され、最初の納車は2023年までに始まると予想されている。
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