新型コロナウイルスの影響で開催カレンダーの大規模な変更を余儀なくされた2020年シーズンのF1だが、最終的には17戦で開催されることになりそうだ。
今季の改訂版F1カレンダーは情勢を鑑みて段階的に更新される形となっているが、現時点ではイモラでの第13戦エミリア-ロマーニャGPまでが発表されている。F1会長のチェイス・キャリーはかねてより「15~18戦」を開催したいとしており、残る開催地がどこになるのか注目となっていた。
■トルコとヘレスで2020年にF1開催へ? 今季全18戦の開催実現秒読み
追加候補にはトルコのイスタンブール・パークやスペインのヘレスなどが挙がっていたが、どうやらトルコがカレンダーに追加されることになるようだ。その後は以前から噂されていたように、バーレーンでの2レースとアブダビの“中東3連戦”でシーズンが締めくくられる形となるだろう。
これで前述の通り、17戦がカレンダーに組み込まれることになるが、TV放映局がF1に放映権料全額を支払うことを保証する最小レース数は15であり、したがってF1側としては1レースないし2レースが新型コロナウイルスの影響で中止となっても許容できる。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないアメリカ大陸でのレース開催を断念したF1は、11月以降のスケジュールを確定させようとしていた。一時は正式な中止が発表されていなかったベトナムや中国でレースをするという案もあったが、最終的には開催されないようだ。
トルコ戦の日程はまだ発表されていないが、イモラ戦の2週間後である11月15日になるものとみられている。そしてバーレーンで11月19日と12月6日に連戦を行なった後、12月13日にアブダビでフィナーレを迎える。バーレーンでの2戦目は既報の通り、通常よりも高速なレイアウトが採用される予定だ。
トルコへの貨物輸送に関しては新型コロナウイルスへの懸念を考慮して、陸路ではなく空路で行なわれることになるようだ。しかしながら、チーム関係者の移動に関しては、モーターホームを利用して陸路で移動するかもしれない。
トルコでのF1復活は、少々意外なものであった。トルコで最後にF1レースが行なわれたのは2011年で、それ以降は商業的な理由で開催が中止されていた。キャリーはF1の会長に就任して早々、2017年の4月にトルコを訪問してレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と会談したこともあったが、その段階ではスケジュールに復活する可能性は低いとみられていた。
イスタンブール・パークは2013年からインターシティ社が運営しており、エルドアン大統領からF1復活に向けて取り組むことを命じられていた。
現役F1ドライバーの中で、F1トルコGPに出場した経験を持つのはわずか4人。ルイス・ハミルトン(メルセデス)、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、キミ・ライコネン(アルファロメオ)、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)だ。ロマン・グロージャン(ハース)とバルテリ・ボッタス(メルセデス)はサポートレースで走った経験がある。
先日行なわれたF1スペインGPのパドックの中でも、トルコでのレース開催については好意的な意見が多く寄せられていた。GP2時代にイスタンブールを走ったグロージャンは次のように語った。
「本当に素晴らしいものになるだろうね。とてもクールなサーキットだし、レースをするのが楽しい。ターン8は首にくるコーナーでとても速く走れるだろう」
トルコ未経験のドライバーたちも開催を歓迎している。ルノーのエステバン・オコンはこう語っていた。
「トルコは素晴らしいサーキットだ。カレンダーに復活するなら最高だ」
「昔ながらのサーキットで、子供の時にTVで見ていたよ。あの全開の左コーナー(ターン8)はとても印象的なものになるだろう」
また、レッドブルのアレクサンダー・アルボンは次のように語る。
「とてもクールに見えるし、ワクワクしている」
「リバティ(メディア/F1オーナー企業)とF1はコース選びにおいて素晴らしい仕事をしている。偶然そうなっているのか、ちょうど空いているから選んでいるのかは分からないけどね」
「ムジェロ、イモラ、トルコ、これらは世界最高のサーキットのひとつだし、僕は大賛成だ。左コーナーが連続する区間は、今のマシンでは簡単に全開で通過できるだろうね」
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