世間に出回っているどんな商品でも、メーカーとして漫然と市場に放置していれば、いずれは魅力を失い、古くなって市場から見向きもされなくなり、静かにマーケットから消え去ることになる。
自動車にとっても、フルモデルチェンジ(FMC)やマイナーチェンジ(MC)による工業製品としての商品性アップは、ビジネスプランの根幹といえる。だが、例外的なクルマが存在する。
【金メダル級モデルが大連発】2020年の新車が日本を席捲する!!
通常は4年または6年周期で次期型にフルモデルチェンジされるのだが、6年周期を超えて8、9年、10年もほったらかしにされているクルマがあるのだ。いくらマイナーチェンジや一部改良をしているとはいっても、10年ひと昔といわれるだけに、限度がありそうな気もするが……。
そこで、2000年以降、6年以上フルモデルチェンジされていないクルマを対象として、ただ、ほったらかしにされた年月の長さで順位付けするのではなく、その間に行われたマイナーチェンジや一部改良の内容、次期型への期待度や、世の中のイメージなどもろもろを混ぜ合わせ、筆者の独断と偏見で「ほったらかし車TOP10」を選定させていただきました。
はたしてどんな、ほったらかし車があるのか、モータージャーナリストの岩尾信哉氏が解説する。
文/岩尾信哉
写真/ベストカーWEB編集部
(画像ギャラリー)【なぜ6年以上もフルモデルチェンジしないのか?】日本の「ほったらかし車」10選
6年周期を超える「ほったらかし車」
ほったらかしにされている長寿命の年月だけ見れば15年8日と1位となるハイエース (ワゴン)
まずは「ほったらかし状態」であると決定する基準の話から始めたい。以前は発表発売から2年でマイナーチェンジ(MC)、4年でフルモデルチェンジ(FMC)というのが基本スケジュールだったが、インターバルが長くなって、最近ではトヨタなどではMC:3年、FMC:6年というケースが増えているようだ。
そこで、ほったらかし車を選ぶうえで、フルモデルチェンジから6年前後が経過したモデル、すなわち2013年以前にフルモデルチェンジを実施したモデルを採り上げ、商用車は除外し、乗用車のみとした。
6年前からの変化が、安全装備の追加や内外装の小変更や一部改良の実施にとどまっており、特別仕様車などの設定はあっても、結果的に変更に“特別感”が薄いものであれば、あくまで“独断”ではあるが「ほったらかし状態」とさせてもらった。
マイナーチェンジの評価については、先に登場したスカイラインのように、デザインとパワートレーンの変更(セッティングの評価などについては微妙だが)を同時に実施した場合にはビッグマイナーチェンジとして、「ほったらかし状態」を弱めたとする。
厳しいようだが、排ガス規制対応や安全装備の充実は商品性アップの基本中の基本なので、変化を評価するレベルは高くならない。
個人的にはフロントグリルなどブランド(デザイン)イメージの統一による変化はあまり評価できず、マイナーチェンジによって外観の細部が変わって一時的に印象が改められたとしても、結果として顧客に受け入られたと感じられなければ高くは評価していない。
たとえば、ランドクルーザープラドは2009年9月のフルモデルチェンジ後、2013年9月のマイナーチェンジではエグイ顔つきになった。
すると2017年のマイナーチェンジでは穏やかなデザインに改めた例などもあるように、変更の意味を失ってしまうからだ。
一方で、ほったらかし車の候補として選んだ理由については、各社の“お家の事情”が関わってくるわけだが、以下のようなケースが挙げられる。
・経営方針に基づいた車種整理(トヨタ)
・販売台数が少ないスポーツカーへの投資不足(日産)
・日本市場の軽視(日産)
・新世代プラットフォーム採用への移行(ダイハツ)
そのほか、販売台数が伸び悩むセダンなどで「ほったらかし状態」に陥っている状況が見られる。
■主なほったらかし車のリスト
※このうち候補車6年以上フルモデルチェンジしていない乗用車(商用車を除く)を対象としました。日付は発売日。2019年9月1日時点
●トヨタ
15年8日:2004年8月24日:ハイエースワゴン
13年7ヵ月16日:2006年1月16日:エスティマ
12年3ヵ月3日:2007年6月4日:プレミオ/アリオン
11年11カ月17日:2007年9月18日:ランドクルーザー200
10年13日:2009年9月14日:ランドクルーザープラド
10年1ヵ月18日:2009年10月19日:マークX
8年9ヵ月21日:2010年12月22日:ヴィッツ
7年9ヵ月25日:2011年12月26日:アクア
7年5ヵ月5日:2012年4月6日:86
7年4ヵ月10日:2012年5月11日:カローラフィールダー/アクシオ
7年1ヵ月9日:2012年7月23日:ポルテ/スペイド
●レクサス
8年8ヵ月11日:2011年1月12日:CT200h
7年7ヵ月25日:2012月1月26日:GS
6年3ヵ月15日:2013年5月16日:IS
●日産
11年9ヵ月5日:2007年12月6日:GT-R
10年10ヵ月18日:2008年11月19日:キューブ
10年9ヵ月:2008年12月1日:フェアレディZ
10年4ヵ月18日:2009年5月19日:NV200バネット
9年10ヵ月18日:2009年11月19日:フーガ
9年3ヵ月8日:2010年6月9日:ジューク
9年2ヵ月12日:2010年7月13日:マーチ
9年1ヵ月3日:2010年8月4日:エルグランド
7年3ヵ月11日:2012年5月21日:シーマ
7年2ヵ月17日:2012年6月15日:キャラバンNV350
7年2日:2012年9月3日:ノート
6年9ヵ月4日:2012年12月5日:シルフィ
5年9ヵ月10日:2013年12月11日:エクストレイル
5年7ヵ月4日:2014年2月5日:ティアナ
●ホンダ
5年9ヵ月19日:2013年12月20日:ヴェゼル
●三菱
12年11ヵ月3日:2006年10月4日:パジェロ
12年7ヵ月30日:2007年1月31日:デリカD:5
10年3ヵ月4日:2009年6月5日:i-MiEV
9年6ヵ月16日:2010年2月17日:RVR
7年1ヵ月:2012年8月1日:ミラージュ
6年10ヵ月24日:2012年10月25日:アウトランダー
6年7ヵ月8日:2013年1月24日:アウトランダーPHEV
●ダイハツ
14年4ヵ月22日:2005年5月9日:アトレーワゴン
4年11ヵ月19日:2014年9月20日:ミライース
4年9ヵ月11日:2014年12月12日:ムーヴ
生産終了、フルモデルチェンジがすでに明らかになっているクルマの扱い
2019年12月末の生産終了が伝えられたキューブは 2019年9月1日時点でデビューから10年10ヵ月18日経っている
新型へのモデルチェンジが近づいているモデルは、現状として販売されているので「ほったらかし状態」車種の対象とした。
自動車メーカーは明確にはしたがらず、販売(生産)終了というとマーケットの印象は良くないだろうが、マーケットや対象車種のオーナーに対する“礼儀”としての意味はあると思う。
年内で生産・販売終了が報じられているモデルやフルモデルチェンジが近づいている車種を「ほったらかし状態」の順位の評価に含めるかは微妙だった。
生産終了が報じられているのは、トヨタのマークX(2019年12月)とエスティマ(2019年10月)、三菱のパジェロ(2019年8月)、日産キューブ(2019年12月末)。
フルモデルチェンジが近いトヨタカローラフィールダー/アクシオ(2019年9月17日デビュー予定)、ホンダフィット(2019年11月デビュー予定)、日産ジューク(2019年9月3日発表、日本仕様は2020年4月以降デビュー予定)、スズキハスラー(2019年12月デビュー予定)などは選びにくくなった。
誕生から丸10年を超えた2016年6月に気合いの入ったマイナーチェンジを断行した。先進感のある美しいシルエットは色あせていなかったが、フロントマスクを中心にフェイスリフトを行い、顔を大きく変えている。 デビューから13年7ヵ月が経つが、すでにエスティマは2019年10月での生産終了が決定し、受注生産状態にあったが、2019年7月末でオーダーも終了
ダイハツやスズキといった軽自動車メーカーでは、常に厳しい競争に晒され、新鮮さを保つために継続的なリニューアルの実行を求められることがモデルチェンジのインターバルの短さに表われている。
そのほか、商用車ベースのトヨタのハイエースワゴンとダイハツのアトレーワゴンは長期のライフスパンを前提に作られるので、単純にほかのモデルと同様に評価するわけにはいかなかった。
ほったらかし車TOP10
番外編/ダントツ1位 商用車マツダボンゴバン:20年2ヵ月17日
登場してから20年2ヵ月と、まるでシーラカンスとさえ呼びたくなるマツダボンゴ。現在は商用車のみ。過去には2~2.2L直4ディーゼルも設定されていたが、現行車は1.8Lガソリン直4のみを設定(102ps/15.0kgm)。2WD、4WDともに5MTと5ATを用意している
はじめから申し訳ないが、商用車を対象から除外したとはいえ、デビューから20年2ヵ月17日でダントツの長寿1位となったボンゴは外せないと判断し、番外編の1位とした。この時代にあって登場から20年2カ月も経つのに、ほぼデビュー当時の姿を残しているのが貴重だからだ。
1999年6月17日に登場したマツダボンゴ。衝突安全対応のため車体の前半分のみ新設計したSKプラットフォームを採用した。
現行のボンゴでは乗用登録のワゴンは未設定であるが、自家用車として兼用する中小自営業者の需要にも応えるため、過去には外観や装備を充実させたワゴン風の上級グレード、GLスーパー(ハイルーフ・4ドア)が設定されていた。
残念ながら現行4代目ボンゴは、2020年までに生産終了といわれている。現時点ではマツダから公式に発表されていないが、次期型のボンゴは、インドネシアで生産されているタウンエースのOEMになる可能性が高い。
1位:日産GT-R:11年9ヵ月5日
GT-Rは11年9ヵ月あまりの長寿車。競争の激しいスーパースポーツの世界にあってこれだけの長寿車は珍しい
この“スーパースポーツ”をトップに選んだのは、我々が“過大であること”を承知しつつも、GT-Rに求め続けている期待に応えてくれているかどうかが、どうしても評価のテーマになってしまうからだ。
誕生から12年弱の間に、GT-Rがイヤーモデル(YM)としての変更を明確にしたのは2010年のマイナーチェンジから。
2013年のマイナーチェンジ(2014YM)では、GTレース仕様から得た部品を装備した「ニスモ」仕様も立ち上げた。
その後も、エンジンの性能向上やシャシーの改良、外装などの小変更をYMとして実施、2017YMでは外装を中心にリフレッシュを続けてきた。
ただし、日産が2015YMを“スキップ”したあたりから改良は縮小傾向にあり、どれだけのマーケットへのインパクトや効果を保ち続けているのかは微妙になってきた。
2007年の登場時から進化と熟成を重ねられてきたとはいえ、やはりハイブリッドやEVなどの電動化が進む世界のスポーツカーの趨勢をみると、遅れていると言わざるを得ない状況になってきたのではないか。
このあたりで、新たな時代を見据えた新型GT-Rがスポーツカーとしての新たな地平を見せることで、“技術の日産”の象徴として輝き続けてもらいたい。
2位:フェアレディZ:10年9ヵ月
2019年5月24日から予約注文が開始され、2020年3月末までの期間限定モデルとして同年7月から発売となった、フェアレディZの生誕50周年を記念した限定モデル「フェアレディZ 50thアニバーサリー 」
GT-Rに約1年続くかたちで2位に挙げた、11年弱も手つかずのままのZ34型フェアレディZは、2012年7月以降マイナーチェンジが実施されていない。
最近では「50周年記念車」を期間限定で発売したが、基本的に標準仕様に専用のボディカラーやシート表皮などを加えたぐらいで、仕立てに手間をかけている印象は薄い。
まずは区切りの年として、噂されている2019年10月の東京モーターショーでのコンセプトカーの発表が実現するどうかを見極めたいところだ。
3位:日産マーチ:9年2ヵ月12日
現行型マーチは2013年6月にマイナーチェンジを実施。それ以降、目立った変更を加えていない
マーチはタイで生産されている世界戦略車として2010年7月にデビューしたが、2013年6月のNISMO追加を含むマイナーチェンジ以降、一度もマイナーチェンジが行われていない。
先代が登場した2002年には月平均で1万台超を販売していたが、現在は月販1000台を割る月も珍しくなく、ユーザー離れが進んでいる。何も対策をしないまま、放置しているという印象が強い。
欧州ではマイクラという、日本のマーチとは別のモデルが販売されており、この欧州製マーチを日本市場でマーチとして販売する手も考えられるのだが……。
4位:三菱ミラージュ:7年1ヵ月
6代目となる現行ミラージュは2012年にグローバルコンパクトカーとして10年ぶりに復活し、タイで生産を開始。アセアン諸国をはじめ、欧州、豪州などへ供給。日本国内では2012年8月より販売を開始し、2015年12月にマイナーチェンジ。写真は2019年6月27日に行われた一部改良時のもの
ミラージュは2012年8月にタイ工場で生産され日本市場で復活した。2015年12月のマイナーチェンジで、ボンネットフードにボリュームを持たせ、アッパーグリルとロワーグリルにクロームメッキ加飾を施し、フロントバンパーは下部にエアダム形状を配したフロントフェイスに刷新したが、これ以外の目立った改良は行われておらず、ほったらかし状態といっていい。
日本市場での存在感の薄さに関してあえて極論すれば、東南アジアで生産・輸出されること自体に問題があるのではなく、日本の市場で細部の創意工夫が豊かな軽自動車に対して、「これで充分」という(コストなどの)の割り切りが見え隠れる仕立ての小型車に、顧客が目を向けるのかということだ。
5位:トヨタプレミオ/アリオン:12年3ヵ月3日
2016年6月のマイナーチェンジでクラウン顔になったプレミオ
5ナンバーセダンは日常の足として一定のニーズはあるのだろうが、2007年6月のフルモデルチェンジから行われたマイナーチェンジは2010年4月、2016年6月のフロントグリルの大型化などの実施にとどまっている。
安全装備の充実などは実用的な改良はきっちり実施されているが、年配者の日常の足“以上”の価値観を加えることは可能だろう。
高齢になるとスタイリングに斬新さを求めないなんてことはなく、手頃な価格をキープしつつ、個性溢れるデザインを施すことはトヨタなら実行できるはずだ。
6位:日産フーガ:9年10ヵ月18日
初代フーガは2004年10月、日産を支えた名門ブランドであるセドリック/グロリアの後継車としてデビュー。現行型である2代目は2009年11月に鳴り物入りで発売。 2010年にハイブリッド仕様を追加、2015年にマイチェンを実施し、2017年に一部改良を実施。写真はその一部改良以降の現行型。フルモデルチェンジの話は聞こえてきていない
日産が後輪駆動モデルに使い続けている“FR-Lプラットフォーム”は、これまでエンジン搭載位置の変更などを受けているとはいえ、新世代のプラットフォームが待たれる。
フーガは2015年2月のマイナーチェンジでインフィニティ「Q70」のグリル、ガーニッシュを与えて、イメージを高める努力をされてはいるものの、根本的に“旧い”イメージを払拭するには無理がある。
どれだけ社用車などの需要があるのか想像できないが、それこそフーガとシーマが「ほったらかし状態」に思われるぐらいなら、いっそ「車種統一」したほうが賢明のように思える。
第7位:日産ティアナ:5年7ヵ月4日
初代ティアナはまるでリビングにいるかのようなインテリアでスマッシュヒットしたがその後はさっぱり
2014年2月にモデルチェンジした現行ティアナは、世界第2位の市場である中国をメインターゲットとするような気配があり、日本市場ではフルモデルチェンジから6年未満であっても、もはや存在感は薄い(ハイブリッド仕様の導入は見送られたようだ)。
外観などで細部の変化があったにしても、個性を強調すべきセダンとしてのフォルムが凡庸に映るようになっては活路を見出すことはできない。
車両の格(大きさ)が重要な中国では問題ないかもしれないが、日産には日本市場でのミドルクラスセダンを盛り上げるような気概をもってほしい。
8位:日産エルグランド:9年1ヵ月3日
2010年にデビューした3代目(現行型)エルグランド。現在までマイチェンや一部改良を重ねて、販売を続けている。すでに9年1カ月が経過しているが、新型開発の情報は入ってきていない
アルファード/ヴェルファイアに対してもはやお手上げの状態なのだろうか。それにしても9年以上もフルモデルチェンジしないというのは日産のやる気のなさが表われているのではないか。
ミニバンの凋落傾向は続いているとはいえ、すべてのモデルが落ち込んでいるわけではない。
オーテック仕様車やマイナーチェンジによる内外装の見た目の変化だけで実質的な改良が見当たらなければ、顧客が簡単に触手を伸ばすことはないはず。
アルファード/ヴェルファイアの商品力で敵わない状況のなかで、日産が“電動化”(e-POWER)など、際だった改良の一手を打つ姿勢をみせなければ、いずれフェイドアウトの憂き目に遭うのは必然だろう。
9位:レクサスCT:8年8ヵ月11日
2017年8月のマイナーチェンジで最新レクサスデザインになったが、実はデビューから8年8ヵ月も経っている
高級コンパクトカーが「日本市場」で成立するのかという問いかけに、レクサスブランドとしてハイブリッドで挑戦したCTだが、成績は芳しくない。
2011年1月12日に発売した後、2014年1月のマイナーチェンジでスピンドルグリルを変更、2017年の8月のマイナーチェンジでフェイスリフトを含む大掛かりなマイナーチェンジが施されたとはいえ、8年8カ月もフルモデルチェンジから遠ざかっている。
なにより377万から477万円という価格の設定は、なかなかマーケット全体として受け入れられにくいようだ。VWゴルフやマツダ3など世界の欧州Cセグメント車と比べると、 レクサスでのプレミアムコンパクトカーとしての立場は脆弱といえる。
10位:ランドクルーザー200: 11年11カ月17日
2017年9月18日にデビューしたランドクルーザー200。2015年8月のマイナーチェンジでフェイスリフト 。前後を中心にデザインが一新され、エンジンフードからフロントグリルまで凸形状を保ちながらフードセンター部をえぐり、3本のグリルバーの上下にメッキを施したフロントマスクを採用。ヘッドランプはLED化するとともに、破損回避のためランプ類を奥側に配置し、フロントグリルからランプに連続したグリルフレームと一体感のあるデザインに変更
世界中で人気のランドクルーザー200だが、登場から12年が経とうとしている。ランドクルーザーの目立った改良は、2009年5月のエンジン変更、2012年1月のマイナーチェンジでマルチテレインセレクトの追加やデザイン変更、そして2015年8月のマイナーチェンジで大掛かりなエクステリアのデザイン変更が行われた。
比較的モデルサイクルが長いクロカン四駆とはいえ、すでに最長寿の部類に入り、さすがに古さが目立ってきた。
日本が誇るキング・オブ・オフロードという存在を維持するためには、早くフルモデルチェンジしてもらいたいものだ。
ベストカー本誌のスクープ情報によると、次期ランクル300のデビュー時期は2020年秋といわれている。
長寿車だが改良を続けて成功した例も
7年2日:2012年9月3日:ノート
2012年発売の現行型ノートは2016年にe-POWERを追加し、2018年に登録車販売No.1を獲得
そのいっぽうで逆の発想として、フルモデルチェンジをなかなかしないが、地道なマイナーチェンジで、大化けしたクルマがある。どういう呼び方にしていいのかわからないが、「ほったらかし車・裏1位」だろうか?
2012年9月3日にデビューしたノートである。2013年12月、2014年10月、2015年7月、そして4度目となる2016年11月のマイナーチェンジでノートe-POWERを追加。このノートe-POWERの発売がこのクルマの運命を変えた。
2018年には約13万6300台と乗用車(軽自動車除く)ブランド通称名別新車販売台数で首位となったのだ。
でもフェイスリストし、e-POWERが登場したことで、最新モデルのように見えるが、実は2012年9月3日にデビューしてから7年2日も経ったモデルということを忘れちゃいけない。
「生殺与奪」の権利はマーケットの側に
ほったからし車TOP10台はいかがでしたか? あくまでも私の主観で申し訳ないが10台中、6台が日産車ということになった。
日産がラインアップをビジネス上の合理性で突き詰めていった結果、多くのモデルで個性が“乾ききってしまった”という現実を認識すべきだ。
ほったらかし状態を判断・評価する作業は想像していた以上に難しいものだった。モデルごとの事情と、メーカーの複合的な判断が折り重なって、モデルの扱いや命運が決定していく流れを見ていくなかで、マーケットそのものを動かしているのはユーザーである我々であることを忘れてはならないことを確認できた。
自省の念を込めて言い添えれば、メディアとしてモデルの魅力やメーカーの開発への努力を継続的に評価し続けていかなければ、「ほったらかし状態」のモデルを増やしてしまうことを肝に銘じておかなければならない。
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