11月10日、2024全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦『第23回JAF鈴鹿グランプリ』の決勝レースが、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選2番手からロケットスタートを決めた太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が週末2連勝を達成。これに次ぐ2位フィニッシュを果たした坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が15ポイントを加算し、シリーズチャンピオンに輝いた。3位は福住仁嶺(Kids com Team KCMG)となった。
気温20度、路面温度25度というコンディションのなか、14時30分にフォーメーションラップが始まり、いよいよ今シーズン最後のスーパーフォーミュラレースがスタートした。
抜群のスタートダッシュを決めたのは、フロントロウ2番手につけた太田。ポールシッターの野尻智紀(TEAM MUGEN)をかわしてトップで1コーナーに進入する。その後方では5番手スタートの福住が佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)を抜いて4番手に浮上。9番手スタートの山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)も2ポジションアップに成功した。
オープニングラップは太田、野尻、坪井、福住、佐藤、阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)というトップ6。坪井は2周目に入った1コーナーで野尻を豪快にオーバーテイクし早々に2番手に浮上した。3番手にドロップした野尻はシケインで福住にもかわされ4番手に下がると、6周目には佐藤の先行も許しポジションを次々に下げていった。
レースは10周を経過し、タイヤ交換のタイミングを迎える。ミニマムでのピットインを選択したのは福住、野尻、阪口、山本、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、三宅淳嗣(ThreeBond Racing)、そしてJuju(TGM Grand Prix)の8名だ。前日の第8戦ではピット作業でミスのあったPONOS NAKAJIMA RACINGだったが、今回は素早い作業で山本を送り出し、コース上では前にいた阪口を逆転。
ピットロード出口に一番近い位置にピットを構える笹原がギリギリのタイミングで並び、阪口を含めた3人が一瞬出口で交錯する場面も。これに対しアンセーフリリースも審議されたが、後に「問題なし」と判定が出ている。
山本は笹原に先行されたものの、アウトラップのシケインで攻略し、ポジションアップに成功。その後12周目にはファステストラップを塗り替えると、牧野をとらえて見た目上の11番手にまで浮上した。
11周を終えるところでピットインしてきたのは坪井、佐藤、牧野、山下健太(KONDO RACING)、大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、大津弘樹(TGM Grand Prix)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)の7名。そして、その翌周にはトップの太田がタイヤ交換に向かった。序盤からハイペースで後続に大きな差を築いていた太田は“裏1位”を走行する坪井のはるか前方でコースに復帰する。しかし、すでにタイヤに熱の入った坪井が急速に接近し、スプーンカーブではサイド・バイ・サイドに持ち込まれるが、太田は冷えたタイヤでなんとか応戦しポジションを死守。事実上のトップを保ったまま後半戦へと突入した。
15周目に小林可夢偉(Kids com Team KCMG)と平良響(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、18周目に木村偉織(San-Ei Gen with B-MAX)がピットに向かい、残るは岩佐歩夢(TEAM MUGEN)のみとなった。フレッシュタイヤのマージンを最大限に使えるタイミングを図りながら周回を進めた岩佐は、21周を終えるところでピットイン。7番手を走る牧野の後ろでコースに復帰する。
岩佐はアウトラップでは後方にいた山下にかわされたものの、23周目にはホームストレートで山下を抜き返して牧野に迫っていく。牧野の前方、1秒を切る位置には山本もいて、終盤は岩佐、牧野、山本の3台がパックになって6番手争いが展開された。
後方では随所でオーバーテイクシーンが見られたが、上位陣には変動なし。坪井とのバトルでトップを守った太田は、序盤と変わらぬハイペースで周回を重ねていく。気づけば坪井に対し5秒以上の大差をつけ、2戦連続のトップチェッカー。今季2勝目をマークしてシーズンを終えることとなった。
太田には届かなかったものの、坪井は2位でチェッカーを受け、シリーズチャンピオンを確定させる。2019年にスーパーフォーミュラにデビューし、6年目での初戴冠となった。
3位は福住で、今シーズン2度目の表彰台。野尻が4位に入り、ランキング2位に浮上。その牧野は最終ラップで岩佐のオーバーテイクを許し8位でゴール。野尻の逆転を許しランキング3位となった。その牧野と岩佐とともに6番手争いを演じた山本はポジションを守り切り、ラストレースを6位フィニッシュで飾った。
中盤に車両トラブルからか、大津がピットインしたものの、終盤には修復を終えてコースに復帰。全21台が無事にチェッカーを受けてシーズン最終戦を締めくくった。
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