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タイヤ3本でも幸せなモーガン・スーパー3 素晴らしいFRクーペのBMW M240i BBDC 2022(2)

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タイヤ3本でも幸せなモーガン・スーパー3 素晴らしいFRクーペのBMW M240i BBDC 2022(2)

3本のタイヤが生む幸せなドライビング体験

34回目となる、BBDC選手権。同点タイで2台が最下位となったが、それも恥ずべき結果ではない。ノミネート車両の選定に不備があったかな、と思わせるモデルが紛れ込む年が稀にある。しかし、2022年の11台はすべて精鋭だったといっていい。

【画像】1番運転の楽しいクルマは? BBDC 2022 モーガン・スーパー3 BMW M240i ほか 全112枚

モーガンは、BBDC選手権にしばしばノミネートされるメーカーだ。過去にはエアロ8と、先代のスリーホイラーが得点争いに加わっている。どちらも、上位に食い込むことはなかったけれど。

エアロ8は、ライバルに伍せるだけの内容ではなかった。スリーホイラーは、惜しくもサスペンションに不具合をきたし、審査へ進む前にリタイアとなった。

新しいスーパー3は、3本のタイヤで幸せなドライビング体験を味わわせてくれた。得点は伸び悩み最下位になってしまったが、順位ではお伝えできいない喜びがあった。

すべての審査員が、公道でスーパー3を好きになった。個性的な見た目だし、挙動もそれ以外のクルマとは異なる。だが、ボディ剛性は高く製造品質も素晴らしい。大手の自動車メーカーが開発したモデルのような、完成度を備えている。

マット・ソーンダースは、「より秀でた動力性能と引き換えに、若干魅力が薄まったようですね」。と話しつつ、「悪いトレードオフではないようです」。と付け加えた。

彼は、スーパー3は一般道に最適化されていると続けたが、マット・プライヤーも同意する。「開発レベルはかなり高いようです。若干の弱点はあるものの、気にするほどではありません。楽しくて、ずっと笑いながら運転していました」

1950年代のレーシングカーのよう

スーパー3がサーキットでも楽しいかとなると、話は別。低い順位に沈んだ理由でもある。もっとも、多くの人が想像するであろう、横転する危険性はまったく感じられなかった。リアタイヤが、どんなに振り回してもグリップを失わないのだ。

フォード由来となる自然吸気の1.5L 3気筒エンジンは、とても活気がある。サウンドも良いし、気持ちよく吹け上がる。しかし、コーナーでパワーを掛けていくと、フロントノーズは徐々に外側へ流れてしまう。

アクセルペダルでのライン調整も、充分にはできない。ステアリングのレシオは低く、アンダーステアをリカバリーする操舵を当てるのも、かなり慌てた動作になってしまう。

スーパー3にとって、サーキットは場違いな環境だといえる。郊外のパブまでドライブを楽しめる選手権だとしたら、3輪のモーガンが優勝していたかもしれない。

実際、スーパー3の魅力は初日の帰り道でジェームス・ディスデイルを魅了した。「ホテルへ戻る道すがら、スーパー3は輝いていました。他とは異なるモデルを運転するという、特別さを純粋に堪能できます」

「1950年代のレーシングカーのように、腕をボディの外に出して、歯を食いしばってステアリングホイールを握る。そうすれば、運転が楽しくて笑顔が止まりません。細部まで精巧に仕上げられており、情熱的なプロジェクトの見事な成果ですね」

普段使いが前提の優れた高性能クーペ

恐らく、情熱的という言葉はBMW M240i xドライブにも当てはまる。だが、その熱量はさほど高いわけでもないようだ。どちらかといえば、上質さや快適性に重きが置かれている。

もちろん身のこなしは機敏で、十二分に充足感のあるドライビング体験は得られる。それでも、心を高ぶらせる走りより実用性側に軸足がある。

公道での試乗を終え、アングルシー・サーキットでどのクルマが最もわれわれの心を掴むのか考えた時、M240i xドライブは上位に入ると予想したモデルの1台だった。審査員の間では、ノミネート車両で最初は1番人気が高かった。

ところが、「典型的な80点のクルマといえます。それはそれで悪くないのですが」。誰かが、こう口にした。リチャード・レーンも、そんな意見に考えは近かった。

「とても優れた、普段使いを前提とした高性能クーペです。3.0Lの直列6気筒エンジンは甘美に回るし、ステアリングレシオは直感的。xドライブを搭載したシャシーは驚くほど能力の幅が広いですね」

「でも、今回の11台のなかで際立つほどではないでしょう。余分な車重と、やや過剰な上級感や洗練具合が、興奮を誘うドライバーズカーとしての訴求力を鈍らせているようでした」

一般道では、適度に引き締められたシャシーで驚くほどの速さを披露した。一方で、サイズにしては重い1690kgの車重と柔らかめの足まわりで、サーキットでは少々精彩に欠いていた。

もちろん、精鋭揃いのなかで僅かに光量が足りなかっただけ。素晴らしいFRモデルだということは、誤解しないで欲しい。

この続きは(3)にて。

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みんなのコメント

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  • モーガンジャパンになったことでかえって少量生産車や特殊な3輪車が導入困難となっているとするならば残念な事だ。是非味わってみたい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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