FIAは、スーパーフォーミュラに割り当てられるスーパーライセンスポイントを2025年から変更。motorsport.comの取材に対し、その背景を説明した。
F1参戦に必要なスーパーライセンスは近年ポイント制が採用されており、世界各国のレースシリーズにおいて、その結果に応じて付与される“FIAスーパーライセンスポイント”を3年間で40ポイント獲得するなど、諸条件を満たすことで発給されることとなっている。
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日本最高峰のフォーミュラカテゴリーであるスーパーフォーミュラに関してはこれまで、チャンピオンのドライバーに25点が与えられ、ランキング2位から順に20-15-10-7-5-3-2-1とポイントが与えられていた。ただこれはランキング上位3人に40点が付与されるFIA F2などと比べるとかなり少なく、F3とF4の中間に位置されるフォーミュラ・リージョナルの欧州選手権と同等のポイント配分。スーパーフォーミュラへの配点は不当に低いのではないかという声もあった。
しかしながら、FIA国際競技規約の最新版によると、スーパーフォーミュラの配点は2025年から増加。チャンピオンには30点が与えられ、2位以下には順に25-20-15-12-9-7-5-3-2という配点となった。これはFIA F3と完全に同じであり、WEC(世界耐久選手権)の最高峰ハイパーカークラスやフォーミュラEといった名だたる世界選手権とも同水準。スーパーフォーミュラよりも高いポイントが付与されるカテゴリーはF2とインディカー・シリーズのみとなった。
これについてmotorsport.comがFIAの担当者に問い合わせたところ、以下のような声明が届いた。曰く、近年のスーパーフォーミュラのカテゴリーとしての“進化”が一因となっているという。
「FIAスーパーライセンスポイントの配点は、シングルシーターのピラミッドが時間と共に変化、発展していくに伴って定期的に見直されている」
「スーパーライセンスに関する部会の最新の会合の中で、日本のスーパーフォーミュラに割り当てられるポイントの更新が承認され、それが2025年から施行されることになった」
「この更新は、FIAフォーミュラ1選手権を除いた中で最も速いシングルシーター選手権のひとつとなった同シリーズの進化を反映している。また部会の中では、最近スーパーフォーミュラに参戦したドライバーがF1やその他のFIA世界選手権カテゴリーに進出した例も指摘された」
FIAの言う、「F1やFIA世界選手権カテゴリーに進出したスーパーフォーミュラドライバー」の好例としては、リアム・ローソンが挙げられるだろう。ローソンは昨年スーパーフォーミュラに参戦し、デビュー戦で優勝を飾るなどいきなりタイトル争いを展開してランキング2位。F1でもアルファタウリ(RB)から参戦し、既に印象的なパフォーマンスを見せている。
またその他にも、スーパーフォーミュラで活躍したドライバーが世界選手権の舞台で活躍している。平川亮はWECでトヨタのドライバーとしてル・マン24時間覇者、WEC王者に輝いており、ニック・キャシディやサッシャ・フェネストラズもスーパーフォーミュラでの活躍を経てフォーミュラEに参戦した。
また、スーパーライセンスポイント増加の決定に影響を与えたと思われるもうひとつの要因が、レース数の増加だ。来シーズンは全7大会中5大会が2レース制を敷くため、年間のレース数は過去最多の12戦となる。シリーズプロモーターである日本レースプロモーションはさらにこの数を増やすことを目指しており、最終的には10大会20レースを目標に掲げている。
なお参考までに、現在のスーパーフォーミュラ参戦ドライバーの中にはスーパーライセンスポイントを発給要件のひとつである40点を満たしているドライバーが複数いる。
例えば、ポイントリーダーとして今季スーパーフォーミュラ最終戦を迎える坪井翔は2度のスーパーGTタイトル(チャンピオンに20点付与)により条件クリア。今季限りで2021年のタイトル分が失効となるが、今季スーパーフォーミュラ王者となれば、再び40点に達する。
その他、2021年、2022年のスーパーフォーミュラチャンピオンである野尻智紀、過去2年FIA F2で活躍した岩佐歩夢も40点に到達済。ランキング2番手で最終ラウンドを迎える牧野任祐もチャンピオンとなれば40点に到達する見込みだ。
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