2025年にIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの一戦として復活することが発表された鈴鹿ラウンド。IGTCを運営するSROモータースポーツグループの創設者兼CEO、ステファン・ラテルは、同レースが過去に10時間形式として行われたものの、来年は1000kmというレース距離になる理由を明らかにした。これは、このイベントが耐久レースの経験が少ない地元のエントリーに大きく依存することを示唆している。
■「スパと鈴鹿は世界で最も美しいサーキットのひとつ」
鈴鹿1000kmが2025年に復活! インターコンチネンタルGTチャレンジの一戦として9月に開催へ
先週、スパ・フランコルシャンで行われたSROモータースポーツグループの年次記者会見で発表されたように、鈴鹿は2019年以来初めて、ラテルの組織が完全に管理する形で、世界を駆け巡るGT3シリーズのカレンダーに戻ってくる。
現在、サーキットのオーナーであるモビリティランドとの最終契約を待つこの複数年契約は、2025年9月に初年度のレースが予定されている。
「私がずっと言ってきたように、鈴鹿に戻ることが我々の目標だった」とラテルはスパで記者団に語った。
「鈴鹿1000kmの旗の下で開催されることを、とても嬉しく思う。正しいか間違っているかは別として、私はスパと鈴鹿は世界で最も美しいサーキットのひとつだと考えている」
過去2回の鈴鹿10時間レースでは、それぞれ35台と36台のエントリーがあったが、2025年はスーパーGT・GT300仕様の車両はおそらこのイベントの一部とはならないため、ラテルはより慎重なアプローチを取っている。
つまり、グリッドの大半は、GTワールドチャレンジ・アジアや日本を拠点とするスーパー耐久シリーズに参戦している既存のGT3チームと、フルシーズンのIGTCエントリーで成り立つということになる。
ラテルは、来年の初イベントでは、約25台のエントリーを集めるという目標を概説した。
「我々がそこに戻るチャンスに関しては、現実的だ」とラテルは語った。
「バサーストやインディアナポリスに行くヨーロッパ(チーム)のクルマの数を見れば、それは限られていることが分かる」
「もし別のマニュファクチャラーがシリーズに参加すれば、10台から12台のクルマがもたらされることを期待できる。だから、地元のチームがたくさん必要なのだ」
「忘れないでほしいのは、ベンジャミン(・フラナソビッキ/SROでGTWCアジアの運営を担当)のアジアでの成功は信じられないことだ。先週末、私は富士にいたが、GT3カーは41台あった。しかし、これらのチームの中で長距離レースに慣れているチームはほとんどない」
「我々はこれらのチームのコンバートについて、懸命に取り組まなければならない。それがこの耐久レースに参加するベンジャミンの仕事だ」
「耐久チームではないところから10時間レースに転向するとなると、無理がある。1000kmの方が妥当だと思う。フィニッシュが夜にかかる10時間レースの感覚は残したいが、とてもとても満足している」
ラテルは、9月の正確な日付は彼らのなかにすでに存在しているとして、契約が完了したら発表すると述べた。
「鈴鹿サーキットのオーナーであるモビリティランドとの話し合いを終えなければならないので、(開催日程は)“確認待ち”とした」と彼は語った。
「だが、まもなく確定するものと、我々は非常に楽観している。我々のなかで開催日は決まっているが、その日が来たら、100%確定したと言える日になるだろう」
■欧州チーム、マニュファクチャラーからも“復活歓迎”の声
WRTチーム代表のヴァンサン・ボッセとメルセデスAMGカスタマーレーシングの代表ステファン・ウェンドルは、鈴鹿がカレンダーに復帰し、IGTCに5戦目が追加されることに賛同している。
「鈴鹿は常に素晴らしいレースだった」とボッセはSportscar365に語った。
「また行ける方法があれば、ぜひ参加したい。まず第一に、鈴鹿は素晴らしいイベントだ。ここ数年、IGTCにはそれが欠けていたと思う。正しい動きだ」
「前回参加した時は、レースで優勝した。今は少し違ったレースになるが、ワクワクしている」
メルセデスのウェンドルは次のように付け加えた。
「チームを代表して、鈴鹿がIGTCカレンダーに復帰したことを非常にうれしく思う」
「これからは、カレンダー全体の状況をより詳しく検討していく。ル・マン、ニュルブルクリンク、スパなど、週ごとにさまざまなレースが予定されており、2週間の枠内で鈴鹿とインディアナポリスが開催される可能性もある」
「これにより、再びロジスティックス上の課題が生じるが、チームと潜在的な選択肢について話し合う用意はある。競争力のあるグリッドが実現すると楽観視している」
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