■流行りの「バンライフ」は、日本と海外で少し違う?
最近、さまざまなメディアやSNSでクルマを生活の拠点とする「バンライフ」という言葉を頻繁に見かけます。
実際にトヨタ「ハイエース」などをベースにした「バンライフ仕様」などのカスタムも展開されていますが、本来の「バンライフ」とはどのようなスタイルなのでしょうか。
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バンライフとは、「バン(van)」と「ライフ(life)」を掛け合わせた造語で、クルマを中心としたライフスタイルを指します。
バンは箱型の商用車であることが多く、日本では、前述のハイエースや、スズキの軽バン「エブリイ」などが多く見受けられます。
バンライフという言葉の起源は、ファッションブランド・ラルフローレンのコンセプトデザインを手掛けていたフォスター・ハンティントン氏が、必要最低限の物を持ってバンで生活を始めたことが最初といわれています。
こうしたバンライフは、徐々に需要が高まっており、SNSではバンライフをおこなう人を「バンライファー」と名乗り、世代や性別を問わず、チャレンジする人が増えてきています。
では、実際にバンライフはどのようにおこなうものでしょうか。
一般的に、バンライファーは自宅を持たず、クルマのなかに最低限の生活環境を整え、時には移動しながらの生活を繰り返しています。
基本的には通年クルマで生活する人が多く見受けられますが、なかには週末だけキャンプ感覚でバンライフをおこなっている人もいるようです。
そんなバンのなかでの生活は、快適に暮らせるようにさまざまな工夫がなされています。
たとえば、車内にベッドを置いて睡眠環境を整えたり、テーブルを設置して食事するスペースを確保したりなどが挙げられます。
ほかにも、SNSをみると有孔ボードを設置して壁一面を収納スペース設けていたり、車内に発電機を備えてテレビを設置したりといった、「小さな家」ともいえるようなDIYをおこなっている人も見受けられます。
このようなバンライフは、日本と海外ではそれぞれ異なる特徴があり、日本の場合では、バンを改装すること自体もバンライフの楽しさであるという傾向が強く見られます。
一方で、海外ではバンではなくキャンピングカーを用いたバンライフも多く普及しており、悠々自適な生活自体を満喫したいという考えから、そうした生活のかたちが広まりを見せているようです。
※ ※ ※
バンライフを一言で表しても、目的や動機はさまざまです。「人とかかわらず自由に生活したい」という人もいれば、「自然を楽しみたい」という人もいます。
新しい生活様式が話題となっているなかで、バンライフとはこれからの時代の「新しい生活のかたちのひとつ」といえるかもしれません。
■知られざるバンライフの魅力はなに? 多くの人がハマる理由とは
広がりを見せているバンライフですが、実際におこなっている人はどのように感じているのでしょうか。
バンライフの魅力について、実際にオーストラリアで3年間バンライフをしている日本人のAkiさん(@NurseAki4649)は、以下のように話します。
「バンライフの大きな魅力は、場所によってさまざまな景色や環境、人と出会えることです。
これは、アパートや一軒家での生活では味わうことが難しいのではないでしょうか。常に新しい環境や人と出会うことは、人生において大きな刺激になっています」
バンライフは、季節に応じて住みやすい地域へ移動することができるため、寒いときは暖かい地方へ、暑いときは涼しい地域へ移動することができます。
そのため、自分の好きな気候で一年中暮らすことができ、通年を通して快適に過ごせるといえるでしょう。
そんなバンライフは、多くの魅力やメリットがある一方で、さまざまな工夫も必要だといいます。
Akiさんは「一番工夫しているのは水の使い方です。水はタンクに保管されるので、使いすぎて急に無くならないように節水しています」と話します。
さらに、Akiさんはバンライフでの電力として太陽光を利用しており、クーラーと電子レンジ以外はソーラーパネルの電力ですべてまかなって生活しています。
はじめは電化製品やクルマ自体の故障など、多くのトラブルに見舞われたそうですが、今ではひとつずつ解決しながら、工夫を重ねた生活をしているそうです。
バンライフを始めることは、入念な準備や計画が必要に感じる人も多いでしょう。しかし、Akiさんは「住んでみたら意外となんでもできるので楽しいし、快適です」と話します。
近年、広がりつつあるバンライフですが、海外では日本よりも滞在場所の完備が進み、バンライファーが急増しているようです。
日本では、アウトドアの需要が高まりを見せており、それを受けて、今後バンライフのさらなる増加も予想されます。
※ ※ ※
「自由気ままに暮らせる」というイメージを持たれがちなバンライフですが、大変なことも多く、楽しいだけの生活とはいい難いでしょう。
しかし、バンライフでしか見られない景色や出会えない人々は、大きな刺激となり、一般的な生活では味わえないおもしろさを体感することができるかもれません。
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