K4-GP関連の企画展がスタート
鈴鹿サーキットと共に二大拠点として日本国内のモータースポーツをけん引してきた富士スピードウェイ。その西ゲートに隣接したエリアに富士スピードウェイホテルと富士モータースポーツミュージアム(FMM)が竣工し、営業を始めたのは2022年の10月でした。それから1年余り、国内では唯一ともいうべきモータースポーツに特化したミュージアムとして、FMMでは富士スピードウェイでビッグイベントが開催されるのに合わせて様々な企画展を開催しています。SUPER GT(SGT)やSUPER FORMULA(SF)、それにWEC富士6時間などの開催に合わせて、全日本GT選手権時代を含めたSGTやF2にF3000、フォーミュラ・ニッポンなどを含めたトップフォーミュラとしてのSF、さらには全日本耐久選手権や全日本スポーツプロトタイプカー選手権、WECなど耐久レースに参戦していたクラシックなレーシングカーを紹介するものでしたが、今回はこれまで以上にユニークな企画展が2024年1月26日(金)から開催されています。
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2つのエリアに分かれて特別展示
富士スピードウェイでは2024年2月3日(土)~4日(日)にK4-GPが開催されました。K4-GPは2001年に富士スピードウェイで初めて行われたレースを“模した”エコラン競技で、毎年のように冬と夏の2回開催されています。そんなK4-GPに合わせた企画展は、(1)1階のエレベーター前と(2)2階のル・マン展示コーナー横、2つのエリアに分かれて特別展示が行なわれています。
(1)ではK4-GP用の3/4 F40とFL500車両のハヤシ712・スズキを、(2)ではK4-GP用の3/4 962CとグループC車両のポルシェ962Cを展示中です(3/4 F40は2月4日のK4-GP終了後からの展示予定)。K4-GP用車両の3/4 F40と3/4 962Cはともに、日産自動車で企画しウエストレーシングカーズで製作されたザウルスJr.のシャシーをベースに、フェラーリF40やポルシェ962Cを模したボディを架装したもので、3/4とは実車に対するスケール感を表現したネーミングです。
FL500車両のハヤシ712・スズキは、1970年代に人気を博したFL500の最終世代のモデルでアルミハニカムのツインパネルとアルミパネルによるツインチューブを組み合わせるハイブリッド・モノコックを持った、当時のF1マシン並みのハイスペックなレーシング・フォーミュラで、当時は「ミニF1」とも呼ばれていました。
ポルシェ962Cはポルシェが製作したグループCカテゴリーの市販レーシング・スポーツカーで、グループC規定で戦われていた世界耐久選手権(WEC)では圧倒的な強さを見せつけていました。そのため(1)のエリアでは共に軽自動車(とそれに準ずる)エンジンを搭載したレーシングカーで約半世紀の歴史の違いを感じ、(2)のエリアでは同じデザインテイストながら方や世界選手権にも出場していた本物の迫力と、もう一方はミニチュア的な可愛らしさを感じられる展示となっています。なお、K4-GP用車両の3/4 F40と3/4 962CはK4-GP当日は、富士スピードウェイで開催されているK4-GP本戦に出場するためにサーキットに出張、FMMでは不在となっています。
定期的な入れ替えでも興味深いクルマが続々登場
2022年の10月に開館して以来、FMMでは何度も展示車両の入れ替えを行ってきており、例えば1階奥のエリアでトヨタ7(5L V8を搭載した通称“NEW 7”)と並んで展示されていた日産R382に代わって現在ではR381が展示され、その隣にはダイハツP5が収まっています。
エレベーターの入り口正面で2ショットに収まっていたホンダのF1GPマシンと2輪のWGPマシンも1965年メキシコGP優勝車のRA272(レプリカ)と、1961年西ドイツGP優勝バイクのRC162の#100号車とのコンビネーションだったものが、現在は1967年のRA273と1961年に参戦2年目で250ccクラスの二冠に輝いたRC162の#10号車に変わっていました。
その斜向かいにあった日産の、1958年豪州ラリーに参戦したダットサン桜号が、今回からは富士号に交代して展示され、また2階のエレベーターホール裏側、アメリカン・ドリーム/アメリカン・モータースポーツのコーナーでは開館当初から展示されていたCARTのレーシング・フォーミュラ、ローラ・トヨタの斜め手前にローラT93・ホンダが新たに展示。ジャパン・パワーの揃い踏みとなっていました。
また2月2日(金)からは2025年の2月初旬までの予定で、グループB時代を筆頭に数多くのラリーカーを収蔵している四国自動車博物館の収蔵車両、1986年のランチア デルタS4の展示が決定しています。2022年にFMMがオープンした当時に訪れた人も、これを機会に再度訪れてみてはいかがでしょう。
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