MotoGPの2024年タイトル争いはホルヘ・マルティン(プラマック)とフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が接戦を繰り広げ、最終戦にまでもつれ込んだ。
マルティンは最後に優位な立場を築きタイトルを手中に収めつつあるが、ドゥカティファクトリーのバニャイヤと戦うことは“世界”を相手に戦うようなものだと語っている。
■バニャイヤのMotoGP3連覇絶体絶命。年間10勝をマークしながら追い詰められている理由とは?
タイトル争いは一進一退の攻防が続いてきたが、第19戦マレーシアGPのスプリントレースでバニャイヤが転倒ノーポイントに終わったことで、状況はマルティンが24ポイントリードと優位に立った。
マルティンはバニャイヤと同じく、ドゥカティの最新型デスモセディチGP24を使用している。彼らの条件は同じで、ドゥカティの方針からパーツなどもファクトリーと同様に最新という形だ。
しかしプラマックはあくまでもサテライトチームであり、たとえ近年はファクトリーとサテライトが一体化を進めているとはいえ、ファクトリーと同じリソースは持っていない。
そうした状況だからこそ、マルティンは今年のタイトルを勝ち取ることの重要性を認識している。なおこのままマルティンがタイトルを獲得した場合、サテライトチームのライダーが王者となるのは、2002年にバレンティーノ・ロッシがナストロ・アズーロ・ホンダで500ccクラスのチャンピオンになって以来。MotoGPクラスとなってからは初めてという歴史的な偉業となる。
マルティンは、バニャイヤとの争いについて世界と戦っているようなものだと語る。
「彼(バニャイヤ)は僕とは違う瞬間にいるんだ。彼はMotoGPで6年目で、ファクトリーチームに在籍していて全てを手にしている。勝つための環境など、全てが整っているんだ」
「僕は12人のチームで、世界を相手にひとりで戦っている。そうした中でスプリント7勝、グランプリ3勝、表彰台も(これまでに)30回獲得して見せた。これ以上のことは望めないよ」
「この成功は僕ひとりの手柄じゃない。僕いる環境、チームや周囲の全てのひとたちのおかげなんだ。僕は彼らのためにも(タイトル獲得を)成し遂げたいと思っているだけだ。そうなれば、彼らは楽しんでくれるはずだ。それが僕の喜びになり、ワクワクさせてくれる」
バニャイヤは2022年にケーシー・ストーナー以来のドゥカティ陣営でのチャンピオンに輝き、連覇を達成。世代最高のライダーのひとりとしてのポジションを確立してきた。
マルティンは今季決勝10勝、スプリント6勝という結果を残す強力なライダーを相手にタイトルを獲得することは、特別な価値があると語った。
「チャンピオンシップを争って、ここまで辿り着けたことは誇らしい」とマルティンは言う。
「バニャイヤのようなライバルがいてくれることも自慢できる。彼のようなライダーがいることで、僕も良くなっていけるからだ」
「ペッコ(バニャイヤの愛称)は最高水準につけている。彼を相手に戦って、彼を限界まで追い込むことができるというのは、僕らのしていることの価値を更に高めてくれる」
「今年、僕は(スプリントで)7勝しているけど今のペッコを相手に最終戦で倒すのは、かなり難しいだろう」
「週末がどうなるかは分からない。より涼しいコンディションになってくるだろうけど、普通ならそれは僕にとっては良い事だろう。より暑ければ、それはバニャイヤにとって完璧なコンディションになる。そして気温が低ければ転倒してしまう可能性も大きくなるけど、そのリスクはどちらにとっても同じことだ」
「最終戦でタイトルを争うのは、いつだってとても難しいことだ。何だって起こりうるからね。でも自信を持って、僕はタイトル獲得を達成できると信じて挑むよ」
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みんなのコメント
来週末が楽しみ。
使っているのはファクトリーと同じマシンだから、
46やグレシーニがタイトルを獲るのとは違うと思う。
ロッシもチームは違えどファクトリーマシンだったしね