MotoGPクラスに今シーズンから昇格したペドロ・アコスタ(GASGAS)は非常に大きな期待が寄せられている存在だが、現王者のフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)は「放っておくべき」だとプレッシャーまみれの状況にある後輩をかばう姿勢を見せた。
アコスタは2021年にMoto3クラス、2023年にMoto2クラスのタイトルを獲得し、2024年は鳴り物入りで最高峰クラスに19歳で昇格してきた。今、彼はマルク・マルケス(グレシーニ)が保持している最年少優勝記録など様々な記録更新の可能性が注目されるライダーとなっている。
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カタールGP初日はFP1で3番手、ウエットコンディションで行なわれたFP2でも3番手タイムと好調な滑り出しで、彼に対する期待はさらに高まった。
そうした中、現王者のバニャイヤはアコスタのペースには驚かなかったというが、これ以上プレッシャーを背負わせないためにも放っておくべきだと後輩をかばう姿勢を示している。
「アコスタは非常に速かったね」とバニャイヤは言う。
「でも彼はこれまでも常に非常に速かったし、予想していたよ。アコスタは放っておかなくてはいけない。彼にはもう十分なほどのプレッシャーがかかっている」
なおアコスタはカタールGP初日に好位置につけたものの、若手にとって期待を抱くことは最悪なことであるため、その結果に浮かれるようなことはしたくないと語っている。
アコスタはRC16の限界をまだ見つけていないため現時点では「様々なことが楽にできる」状況だと語り、さらにこう続けた。
「僕はスタートに向けて、本当に何も期待とかは考えていなかった」
「ハッキリ言っておくと、僕は何の期待もせずにここに来ている。このパドックでは、期待を持つのは最悪のことだと思う」
「MotoGPクラスでのステップやチームの変化を楽しんでいるんだ。何も考えず、ただ楽しもうとしているだけだ」
「プレシーズンからあまりクラッシュしていないから、限界をまださほど見つけられていないと思う」
「時間が必要だ。今、僕はまだ全てが楽な状況にある。『仕事の80%は、20%の努力でできて、残りの20%のために80%の努力がいる』という言葉があるだろう」
「大体そういうことだ。とにかく、僕は取り組みを継続して行く必要があるんだ。可能な限り最善の方法で作業を進めているよ。クラスが変わったりチームが変わるのは簡単なことではない。でもそれに取り組んでいるんだ」
なおバニャイヤ自身はFP1では10番手と最速タイムを記録していたカタールテストと比較すると精彩を欠く結果だった。彼はこの原因はタイヤに関連したモノで、あくまでもバイクのポテンシャルは高いと分かっているという。
「今日のことは、予想していたようなシーズンの始まり方にはならなかった」
「でもバイクのフィーリングはテストのときと同じだ。だけど、何かが上手く機能していなかった」
「テストのおかげで、自分たちのポテンシャルがどの程度かは分かっているから、このセッションでは同じタイヤを使い続けることに決めたんだ」
「だから、そういった状況であまり大きな問題にはならなかったよ。もちろん、少しタイムはロスしてしまったけど、簡単に修正できる。明日は確実に戻していくつもりだ」
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