工具専門メーカーならではの一貫性
メンテナンスの現場では想像以上の時間をボルトナットの着脱作業に費やしている。コーケン(ko-ken)は、ソケット工具を使う場面で「もう少しソケットが長ければ…」「ラチェットがもう少し振れたら…」という声に応え、信頼を勝ち得てきたブランドだ。
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ユーザーニーズに応え続けることで、膨大なバリエーションを開発
ソケット工具専門メーカーである山下工業研究所(ko-ken)は、バイクや車向けのオートモーティブ用をはじめ様々な業種のユーザーニーズに応えることで、5000以上のバリエーションのソケットを開発してきた。
例えば差込角3/8のソケットには、開口部が6角か12角、長さはスタンダード/セミディープ/ディープ/エクストラディープがある。スタンダードソケットにエクステンションバーを組み合わせても深い場所に届くが、帯に短したすきに長しで、ソケット自体の長さ違いでなければ対応できない場面もある。
ラチェットハンドルも同様で、差込角が同じでも、ヘッドの大きさや全長、首振りなどの構造的特長によって使いやすい場面が変わってくる。ボルトナットを早く回せることが作業時間の短縮につながることを知っているメカニックほど、作業内容に応じて工具を使い分ける。
コーケンのラインナップを活用すれば、今よりもっと快適な作業を実現できる組み合わせが見つかるはずだ。
ラチェットハンドル:ラチェットの本質は歯数にあらず。回せば分かる軽快な空転トルクが美点
差込角3/8のラチェットハンドルは、全長の違いやグリップデザイン、プッシュリリースの有無、首振り機構などラインナップは豊富で、ここで紹介する4製品以外にも32種類のハンドルがある。
グリップデザインはユーザーの好みによるが、これほどのバリエーションが展開されているのはソケット工具だけを専門に開発しているコーケンならでは。
―― (上から)■滑りにくいローレットグリップ:ラチェットハンドル 3753N ●価格:5220円(税別希望小売価格、以下同) ■確実ロックのプッシュ式:プッシュボタン式ラチェットハンドル 3753NB ●価格:6420円 ■1/4ヘッドに3/8差込部をセット:ラチェットハンドル 2749N-3/8 ●価格:5550円 ■手に収まる短ハンドル+首振り:首振りラチェットハンドル(ショート) 2774JS-3/8 ●価格:8360円
◆プッシュボタン式ラチェットでソケットをしっかりロック
―― ソケットを交換しやすいことがプッシュボタン式ラチェットのメリットだと認識しているサンメカは多いはず。だがコーケンの狙いはそれだけではない。
―― ボタンを押さない限りボールが戻らず、ソケットやエクステンションが確実にロックされるため、差し込み部のガタつきを抑制できる利点もあるのだ。
―― 耐荷重性向上を目的に、コーケンのソケットは四角凹部にも面接触設計を採用。差し込み部の鋼球を保持するボールディンプルの形も独自に研究している。
―― 滑り止めとデザインを両立するローレットグリップには、6カ所のセレーション(縦溝)がある。これは鍛造時に成型するため、高い技術を要する部分だ。
◆狭い場所で強さを発揮する1/4ヘッドの3/8ハンドル
―― 上記の4本のハンドルのうち、下の2本はそもそも1/4インチで用いるボディに3/8用ギアを組み込んだ製品。全長は125mm(上)と120mmで、狭い場所で本領を発揮する。
―― ハンドルのレバーを操作すると、ヘッド内部のカムが爪を動かして回転方向が決まる。レバーとカムはソケット差込部のギアに直接触れていないので、レバーは常に軽い力で操作できる。
◆空転トルクの軽さと強固なロックを両立
―― 3/8ヘッドの3753N(右)も決して大柄ではないが、本来1/4用に開発された2749N-3/8は圧倒的に小さい。ヘッド幅は右が30.5mmで左が25mm。
―― 下側の爪はギアに接しているが、上はギアを引きずらないためフリクションロスが低減。ギアを受け止める爪に対して真正面から力が加わるので、爪が滑って外れることもない。
ソケット:基本のフラットドライブと究極のサーフェイスドライブの2本立て
コーケンでは、ボルトの六角部頂点を傷めない面接触設計を「フラットドライブ」と名付けており、6角(右)/12角を問わずすべてのソケットに採用する。
対する「サーフェイスドライブ(左)」は、多少潰れたボルトでも回せるように、頂部を大きく外れた位置で接触する徹底した面接触設計を採用。傷つきやすい化粧ナットやアルミナットにも適している。
―― (右)3/8 6角ソケット3400M-19 ●価格:780円 (左)3/8 サーフェイスソケット3410M-19 ●価格:960円
◆スリムな外径とボルトナットへのフィット感。作業に応じてベストなソケットが選べる
―― 後列3個は差込角3/8で二面幅17mm、全長はスタンダード29mm、セミディープ40mm、ディープ55mm。セミとディープの六角部の深さが18mmと全長のわりに浅いのは、スタッドボルトを想定しているため。ボルトの突き出しが長いと、スタンダードでは底突きするため、ディープタイプが必要なのだ。
◆6角と12角の価格は同一。狭い場所で重宝する12角
―― 6角ソケットはボルトに対して60°ごとにしかはまらないが、12角ソケットは30°ごとに接触できる機会があるので、昔から狭い場所では12角が有利という意見もある。コーケンではサイズが同じなら価格も同一なので、6角か12角は好みで選べば良いだろう。(右)3/8 12角ソケット3405M-19 ●価格:780円 (左)3/8 6角ソケット3400M-19 ●価格:780円
―― 6角と12角による感触の違いはなく、一般的な使い方なら強度や耐久性にも明確な差はない。もちろんどちらも面接触だ。
●取材協力:山下工業研究所
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