マクラーレンという車名は、F1チームで有名だが、それはマクラーレンレーシングが担当している。スポーツカーのマクラーレンは、マクラーレンオートモディブの担当だ。当然グループ内なので技術などの共有や共同開発も行なわれている。
そのマクラーレンオートモティブの新型スポーツカーが「アルトゥーラ」。次世代のハイパフォーマンスハイブリッドスーパーカーとして、2020年11月にその存在が明らかになった。その後、2021年4月には日本でも実車が公開されたが、折からの半導体不足やコロナ禍により、生産は大幅に遅れ、ようやくデリバリーが開始された。
0-100km/h加速の目標タイムは2.5秒、最高速度は320km/h!5.2ℓ、V10エンジンを搭載したマクラーレンのサーキット専用モデル「Solus GT」
まったく新しいプラットフォームアーキテクチャを採用
新しい「アルトゥーラ」のスタイリングは、これまでの「720S」などと似たような印象だ。しかし、その中味はまったく新しいプラットフォームアーキテクチャを採用している。ボディーは、カーボンファイバーと成形アルミニウムを採用。パワーユニット、サスペンション、内装などすべてが新たに設計された。
パワーユニットは、排気量2993cc、ツインターボV6ガソリンエンジンで、最高出力は585PS、最大トルクも585Nm。オールアルミのエンジンだ。これに組み合わされる電気モーターは、5個のリチウムイオンモジュールから構成され、最大電力量は7.4kWhで、95PS、225Nmを発生するモーターをトランスミッションのベルハウジング内に搭載している。
ちなみに、ミッドシップのパワーユニットだが、リアのフードは開閉できないので、直接、目に触れたり、手で触れたりすることはできない。電池+モーターのみでの航続距離は30km。「アルトゥーラ」は、外部充電もできるプラグインハイブリッドだが、それならもう少し、航続距離を長くしてほしかった。試乗したブルーの「アルトゥーラ」は、実際にメーター内の航続距離は40kmを表示していた。
例によって、上に開くディヘドラルドアをハネ上げ、運転席に座る。シートはクラブスポーツシートで、太ももから背中までフィットする形状だ。前後のスライドはレバーによる手動。背もたれと高さ調整はシート横のスイッチで行なう。
キャブフォワードのポジションは、身長165cm以下だと、シートをスライドさせないと乗降できないほど、前方に座ることになる。ハンドルとメーター部分は一体で上下する。走行モードは、センターコンソールのP/D/Rのスイッチと、パドルレバー。メーターカバーの両側にはモードスイッチで操作する。右側は、パワートレインでTrack/Sport/Comfort/Electricの4つのモードを選択できる。左はハンドリングモードで、Track/Sport/Comfortが選べる。
気になるハイブリッドスーパーカーの乗り心地は?
試乗車は100%充電済みだったので、スタートボタンを押しても、無音。Dレンジにシフトすると、音もなく動き出した。公道に出て、EVで走行。駆動系とタイヤノイズが伝わってくるので、フツーのEVとは異なり、メカニカルな走行音は耳に入ってくる。
それでも十分に静かだということは、EVモードが終了し、V6エンジンが始動した時にわかった。V6エンジンは、これまでのマクラーレンのように、低く、勇ましいサウンドを2本のエキゾーストパイプから発生したのだ。
EV走行の「アルトゥーラ」は、適度なメカニカル走行音で、ドライバーを楽しませてくれる。もちろんアクセルレスポンスと、ハンドリングのシャープさは、マクラーレンスポーツそのもの。充電に関してだが、駐車中の外部充電だけでなく、走行中に充電することも可能。もちろんその時はV6エンジンは始動する。充電は各モードで、可能なのだが、その表示はTrackモードのみ充電量を%で表示、他のモードは走行可能距離を表示する方法を採っている。
メーターカバーの左側のハンドリングモードは、ダンパーの硬さや電動スタビリティーコントロールの介入レベルを調節する。操舵力や乗り心地は、当然かもしれないがComfortモードでも、重く、硬め。ただし、乗り心地に関してはゼブラ路面でも突き上げるようなことはなかった。
動力性能は、公道ではその一端を試すだけ。0→100km/hの加速は、スタートと同時に295/35ZR20のタイヤを装着した後輪でも、一瞬の空転を抑えることはできなかった。これはComfortモードでのこと。おそらくTrackモードでは、コントロールされているはず。この時に理解したのは「アルトゥーラ」はプラグ・イン・ハイブリッドだが、一般道よりもやはりサーキットを走らせて楽しいスポーツカーであるということ。
これは、充電モードでの表示も、Trackモードでは走行距離ではなく、%で表示されることでもわかる。サーキットでは、走行距離よりあとどの位走れる電気量があるかが大切だからだ。同時にフォーミュラEのドライバーの気分も味わえることになる。マクラーレンはたとえ、プラグ・イン・ハイブリッドでも、おそらくフル電動EVでも、サーキットで楽しいスポーツ走行を提供してくれるに違いない。
そう考えると、2965万円でフォーミュラE気分を満喫できる「アルトゥーラ」は、バーゲン価格なのかもしれない。
■関連情報
https://cars.mclaren.com/jp-ja/artura
文/石川真禧照 撮影/萩原文博
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適当に言葉並べればモータージャーナリストになれるのか?