スポーツランドSUGOで行われたENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE第3戦『SUGOスーパー耐久3時間レース』。今回は7クラス46台をふたつのグループに分けて決勝を行う2レース方式が採用された1戦となり、どちらのグループもレース終盤にまさかの逆転劇が見られた。そんななか、ST-4クラス、ST-5クラスに加えST-Qクラスの一部車両が参加したグループ2の決勝では“ラスト0分での逆転”というドラマが生まれた。
ST-4はポールポジションからスタートした3号車ENDLESS GR86(坂裕之/小河諒/菅波冬悟)がトップを死守していたが、1回目のピットストップを終えたところで86号車TOM'S SPIRIT GR86(矢吹久/松井孝允/河野駿佑/坪井翔)がトップに浮上。86号車は第1スティントに松井、第2スティントに坪井を起用し、約1分近く後続を引き離してジェントルマンドライバーの矢吹にバトンをつないだ。
S耐SUGOはGr-2でSDA BRZ、Gr-1でTKRI AMGがトップチェッカー。TKRIはST-X初優勝
これに対し、3号車はジェントルマンドライバーの坂を中盤に起用し、最終スティントでは菅波が乗り込んで逆転を狙いにいく作戦だった。両車とも残り1時間15分ほどになった63周目に2度目のピットストップを完了して最終スティントに突入。この時点でのギャップは45秒以上あった。
ペース良く周回を重ねていけば最終的に逆転できると菅波も高を括っていたようだが、いざスティントが始まると思ったようにギャップは縮まらなかった。
「コースに入ったときは1周で3~4秒くらい詰めていき、最後の方も1周2秒くらいはコンスタントに詰めることができるかなと計算していました」と菅波。「ただ、86号車の矢吹選手もジェントルマンドライバーとは思えないくらい速かったので、ST-5に引っかかったとき以外は、ずっと1秒以内(のペース)で走っていたので、思ったよりも差が詰まらなかったです」と最終スティントの状況を語った。
そんな菅波を苦しめたのが刻々と変わる天候状況だった。一時は雨もパラつく場面がみられたグループ2決勝は、残り1時間を切ったあたりから強い日差しがコースを照りつけ、気温も上昇していった。3号車は軽量化のためにクールスーツのシステムを積んでおらず、菅波はコックピットで暑さと闘いながら、遥か前方の86号車を追いかけ、着々とギャップを縮めていった。
矢吹がST-5との混走でペースを落としている隙に差を詰めていった菅波。それでも残り10分の段階では12秒差ということで、最終ラップに追い抜けるか否かという状況だった。そこで菅波にとって追い風となったのが、ラスト0分の“プラス1周”だった。
今回のグループ2決勝では、ST-Qから2台がエントリーしており、61号車Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptが総合トップを走っていた。その61号車は、最終ラップに86号車と3号車の背後まで迫っていたものの、ラップダウンするまでには至らなかったため、他の車両が続々とチェッカーを受けるなか、この2台はもう1周バトルすることになったのだ。
「真後ろに61号車がいたので、ちょうど僕が(コントロールライン付近を)走っていたときにチェッカーフラッグが出ました。そのときは暑くて頭もボーっとしていたので『もう1周あるの?』と無線で確認したら『もう1周ある!』と言われて、追い抜けるかどうかは別としてチャンスはあるなと思いました」と菅波。
0.6秒後方まで迫っていた菅波は、ヘアピンからS字で間合いを詰め、ハイポイントコーナーに向かうわずかな直線でインからオーバーテイク。矢吹も必死に応戦したが、菅波が1秒差で逃げ切り優勝を飾った。
「ドライバーを交代して20分くらい経ってから『すごく暑いなと。これをあと40分も続けるのか……』と思っていました。特に最後は日差しも強くなりキツかったです。矢吹選手も速かったので、追いついてからも前に出るには何周か必要だなと思っていました。正直(逆転は)厳しいと思っていましたけど、全力を出し切るしかないので、ひたすら一生懸命走っていました」と、暑さのあまり顔を真っ赤にしながら語った菅波。前週には全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権で初優勝を果たし、今回も難しい状況下で逆転優勝を果たせたことで、どこか自信が深まった表情をしていたのが印象的だった。
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