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大型燃料電池トラック開発で方向性が一致? イヴェコとヒュンダイが提携に向けて覚書を交わす!!

掲載 更新 4
大型燃料電池トラック開発で方向性が一致? イヴェコとヒュンダイが提携に向けて覚書を交わす!!

 イタリアのイヴェコと韓国のヒュンダイは、技術共有・共同調達などの提携に向けた覚書を交わしたと発表した。

 イヴェコはディーゼルエンジンからバッテリーEVまで大型トラックを全方位に展開するいっぽう、ヒュンダイは燃料電池大型トラックの欧米への輸出を開始している。

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 「100年に一度」の変革が激しさを増すなか、商用車の未来に関する両社の方向性が一致したようだ。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/Iveco Group ・ Hyundai Motor Company

イヴェコとヒュンダイが提携へ

 フィアットグループで商用車を担当するイタリアのイヴェコグループ(以下、イヴェコ)と、韓国の現代自動車(以下、ヒュンダイ)は2022年3月4日、車両技術の共有、部品・システムの共同調達などに関する提携に向けた覚書(MoU : Memorandum of Understanding)に署名した。

イヴェコ・ヒュンダイのMoU調印式

 調印式には両グループのCEOの他、商用車部門のトップ、技術責任者らが出席した。この覚書は両社がコンポーネントやシステムを含む技術・プラットフォームなどで提携するための前段階となる。

 両社の関心が共通している分野として、燃料電池システムを含む電動パワートレーンと車両プラットフォーム、商用車の自動運転とコネクティビティなどを挙げている。

 商用車市場が急速に変化するなか、両社ともに革新的なソリューションの創出を通じて市場をリードすることを目指している。イヴェコとヒュンダイの双方に利益のあるパートナーシップに基づいたエコシステムを構築することで、それぞれの戦略をさらに推進するとした。

燃料電池大型トラックを展開する両社

 イヴェコはディーゼルエンジンの大型トラックでは欧州でも大手のメーカーで、代替燃料、特に天然ガストラックではトップシェアを誇る。

 2018年に当時のフラッグシップであった「ストラリス」トラックの天然ガスエンジンモデル「ストラリスNP」で日本市場への参入を表明、同年開催された「ジャパントラックショー2018」にも出展した。

イヴェコの天然ガス大型トラック「ストラリスNP」

 その後、新世代のフラッグシップとして「Sウェイ」を導入したが、天然ガスエンジンのNPモデルも引き続き設定する。

 イヴェコとアメリカのニコラが提携を発表したのは2019年。欧州向けの大型トラックとしてSウェイをベースに「トレBEV」(バッテリー電気自動車)と「トレFCEV」(燃料電池)をモジュラー設計で開発するというものだった。

 ニコラは2021年から「トレ」の顧客への納入を開始しており、量産化を目前に控えている。したがってニコラによるものも含めると、Sウェイをベースとする大型トラックは、ディーゼル、天然ガス、BEV、FCEVと全方位に展開していることになる。

 また、韓国のヒュンダイが大型トラック「トラゴ」の後継として「エクシェント」を発表したのは2013年だった。当初、日本市場への導入の噂もあったが、これは実現していない。

 いっぽう欧州市場についてヒュンダイは、2018年のIAA国際商用車ショーで、燃料電池大型トラックを欧州に導入すると発表。実際に2020年に「エクシェント・フューエル・セル」をスイスに輸出している。

 FCEVを製造する完成車メーカーは少なく、特に乗用車から大型トラックまで手がけるのはヒュンダイのみだ。少量ながらFCEV大型トラックを量産化しているのもヒュンダイのみとなる。

 それだけに燃料電池にはかなりの情熱を注いでおり、2021年には早くも「エクシェントFC」のモデルチェンジ(というよりマイナーチェンジと北米向けモデルの追加設定)が行なわれた。2023年前半までにカリフォルニアに30台のFCEV大型トラックを配備する計画だ。

 商用車の世界も「100年に一度」といわれる変革期にあって、同じ方向性を持ったパートナー探しが活発になっている。イヴェコとヒュンダイは燃料電池システムのほか、商用車の自動運転やコネクティビティなどで方向性が一致したようだ。

 独自の分野に強みを持つ両社の提携がどのような実を結ぶのか注目だ。

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みんなのコメント

4件
  • 「大型クラスは燃料電池式EVが本命」というのは現時点での世界の共通認識。
    世界の主要大型車メーカーは、どこも燃料電池を想定して動いてる。

    ボルボとベンツは共同で大型車用燃料電池ユニットの合弁企業を立ち上げてるし、いすゞも日野ももう試作車を作ってる。

    とは言え、まだ実用レベルでは課題が多く本格普及までは先が長い話。

    ある程度安定した立場を確立している企業は、将来の普及が始まるタイミングを測りながら今はまだ慌てず騒がず粛々と準備を進めている印象。
    一方、現時点でいまひとつ主流になりきれていない立場の企業ほど、目新しい部分で他社より先行しようと躍起になっているのかも?と感じる記事でした。
  • 韓国を信用するとどうなるものか?
    すればわかるさ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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