シーズン大詰めを迎えた豪州最高峰RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの第11戦『Boost Mobile Gold Coast 500(ブースト・モバイル・ゴールドコースト500)』が10月24~26日に争われ、予選から主力級ドライバーが相次ぐビッグクラッシュに見舞われる波乱の展開に。
そんななか、来季2026年よりTOYOTA GAZOO Racing オーストラリアの新型モデル『A90型GRスープラ・スーパーカー』をドライブするウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドのチャズ・モスタート(WAU/フォード・マスタング)が、土日曜双方の250km戦で逆転勝利を飾り、今季限りで離脱するフォードに感謝の連勝を捧げている。
韓国で初勝利を飾った豪州王者に続き、現役スーパーカー王者が世界戦復帰へ/TCRワールドツアー
前戦『Bathurst 1000(バサースト1000)』を含め、シーズン終盤のエンデューロ・カップに入り第7世代マスタング“ダークホース”が猛威を振るうなか、今季導入の初施策となるエリミネーション方式の『Finals Series』初戦サーファーズ・パラダイスでもフリープラクティス(FP)からフォード陣営が先行。しかしそのなかで、元王者ブロディ・コステッキ(DJR/フォード・マスタング)は市街地戦のウォールに苦労させられる展開に。
今月前半のマウントパノラマを制覇したマット・ペイン(グローブ・レーシング/フォード・マスタング)に続き、暫定予選のシケインでビッグクラッシュを喫したコステッキは、週末残りのセッション参加が危ぶまれる大ダメージを負ってしまう。
その際、フェンス外の許可エリアに陣取ったフォトグラファー4名も怪我を追うなど、シリーズは全方位的な対応に迫られる事態となった。
『土曜の予選セッション中にブロディ・コステッキがタイヤウォールに高速で衝突したことを受け、スーパーカーは4名のカメラマンが医療処置を必要としたことを確認しました』とのリリースがセッション直後に発出された。
『カメラマン2名が足首を負傷し、1名が肘を負傷、もう1名が頭部を負傷しました。4名とも意識ははっきりしており会話も可能で、さらなる検査のため病院へ搬送されます。全員の容態は安定しています』
『モータースポーツ・オーストラリアは、イベントの残りの期間、当該エリアにおけるカメラマンの立ち入りについて変更を実施しました。スーパーカーは、迅速かつプロフェッショナルな対応をしてくださったボランティア、役員、そして医療スタッフの皆さまに感謝申し上げます』
さらに予選トップ10シュートアウトでは名門トリプルエイト・レースエンジニアリング(T8)の王者ウィル・ブラウン(レッドブル・アンポル・レーシング/シボレー・カマロ)もクラッシュを喫するなか、シリーズのモータースポーツ責任者を務めるティム・エドワーズは「選手たちは今、多くの課題を抱えており、状況は芳しくない」と厳しい現状を明かした。
「彼ら(DJR)はマシンを修理のため現場外に持ち出す許可を求めている。マシンを見るまでもなく、シャシーに重大な損傷があることはほぼ確実だ」
そのコステッキの車両回収を経て、マスタングの損傷状況を確認したディック・ジョンソン・レーシング(DJR)は、サーファーズ・パラダイスから45分のスタピルトンに拠点を構えており、共通シャシー製造元であるPACE Innovations(ペース・イノベーションズ)もまた、そこから約1時間のヤタラに本拠地を置く。
「そこで彼らは、わずか15分ほどの距離にあるスーパーカーのシャシーコンストラクター、ペース・イノベーションズにマシンを持ち込み、分解して一晩かけて再構築し、明日また戻ってくることができるかどうかを確認する予定だ。しかし彼らは今日に関して、間違いなくリタイアを選択せざるを得ない状況だ」
こうした波乱の状況で迎えたレース1は、結果的にポールポジションを得たライアン・ウッド(WAU/フォード・マスタング)も、スタート後の燃料漏れでブラックフラッグを受けリタイアを余儀なくされることに。
さらに12周目にはターン1のスポンサーボードが外れたため、最初のセーフティカー(SC)が導入される。このイエローピリオド中はピットレーンも大混雑に陥り、渋滞が発生してマシン同士の接触が多発。そのうちのひとりになぅたモスタートは、カイ・アレン(グローブ・レーシング/フォード・マスタング)を押しのけようとした際にマット・ペイン(グローブ・レーシング/フォード・マスタング)と接触。ペインはアンセーフリリースにより15秒のペナルティを課される。
リスタート後もクーパー・マレー(エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロ)がアーロン・キャメロン(ブランシャード・レーシング/フォード・マスタング)との接触でパンクを起こし、ウォールに突っ込んだためすぐさまSCが発動。さらにターン1でタイヤスタックが外れたことが原因で3度目のSCとなる。
終盤には各車でピット戦略が分かれ、最後のストップ後に3番手へと浮上したモスタートは、ステイアウトの異なる戦略でフィニッシュを目指していた前方のデビッド・レイノルズ(チーム18/シボレー・カマロ)やアレンをパスし、背後にタイトル候補のブロック・フィーニー(レッドブル・アンポル・レーシング/シボレー・カマロ)を従え逆転での勝利を手にした。
「今季は浮き沈みの激しいシーズンだが、まさにここ適切なタイミングで自分たちの調子を取り戻すことができた」と4月のニュージーランド以来の勝利を挙げたモスタート。
「僕らはこういうタイプのトラックでは基本的に調子が良いし、正直、言葉が出ないよ。ライアン(・ウッド)の活躍には本当に感謝している。彼は1年を通して素晴らしい仕事をしてくれましたし、今日の予選でも素晴らしい仕事をした。このスポーツは本当に過酷だ。でも僕たちは速いマシンを手に入れたし、明日も彼は仕事をこなしてくれると期待している」
明けた日曜は夜通しの修復作業でコステッキのマスタングがパドックに姿を見せるなか、予選ではブラウンがふたたびウォールにヒットし、その僚友であるフィーニーがシーズン15回目のポールを獲得する対照的な展開となる。
そのレース2は概ね順調に進み、アントン・デ・パスカーレ(チーム18/シボレー・カマロ)がジェームス・コートニー(ブランシャード・レーシング/フォード・マスタング)をウォールに衝突させてリタイアさせた際にSCが発動したのみで、作業遅延で遅れをとったフィーニーに対し、モスタートは2回目のピットストップまでにトップに立つ。
残り4周のリスタートでも背後のフィーニーを抑え込んだモスタートが、接触バトルの肉弾戦を展開しながらチェッカー。わずか0.6秒差で連勝を飾った。
「今日のパフォーマンスはチーム全員の力です」と今季3勝目を手にしたモスタート。「ピットストップをしっかり管理し、全力を尽くすことがいかに重要か、そしてこれはチームスポーツだということを、僕たちは知っている。ブロックはものすごく速かった。僕らのマシンはソフトタイヤでは少し物足りず、明らかに2番手のマシンだった。だから時には運も必要になるんだ。この勝利はチームのおかげだ。彼らがいなければ、僕はここにいなかったよ」
これで次戦11月14日~16日に開催される『Penrite Oil Sandown 500(ペンライト・オイル・サンダウン500)』に出場する7名のドライバーが決定し、フィーニー、モスタート、ペイン、キャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)、ブラウン、アレン、そしてトーマス・ランドル(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)らが、最終戦『Adelaide Grand Final(アデレード・グランドファイナル)』に向け、タイトル挑戦権の4枠を賭けて争うことになる。
[オートスポーツweb 2025年10月30日]
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