3.4億円の“アナログ・ハイパーカー”
text:Steve Cropley(スティーブ・クロプリー)
【画像】ゴードン・マーレーT50/マクラーレンF1【比べる】 全29枚
初出時にモデル名の表記に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。
ゴードン・マーレーは、5月に革新的なダウンフォースを実現するT50「ファンカー」の量産仕様バージョンを発表する予定。
マーレーの新しいダンズフォールド工場で生産予定の230万ポンド(3.4億円)の“アナログ・ハイパーカー”は、発表後すぐにプロトタイプを製造し、開発段階に移行、2021年に量産車の生産が始まる。
生産が計画されている125台(ロードカー100台とトラックカー25台)は、2022年の初めに新しいオーナーの手にわたる。生産期間は1年間の予定。
T50の肝となるエアロダイナミクス・パッケージは、シルバーストンを拠点とするレーシング・ポイントF1チーム(旧フォース・インディア)の支援を受けて開発されている。
移動式風洞実験設備へのアクセスに加え、F1トレーニングを受けた技術者の専門知識により、大規模モデルを使用してT50の革新的なアクティブエアロパッケージを改良することができる。
運転席を中央に配置し、その両側に同乗者用の座席を備える3人乗りのこのクルマは、50年間にわたるマーレーの輝かしいキャリアで最も象徴的な2つのデザイン、1992年の独創的で超軽量な「マクラーレンF1」と1978年グランプリカー、ブラバムBT46B「ファンカー」を兼ね合わせたものとなっている。
ブラバムBT46Bは、その並外れたレベルのダウンフォースでいきなりF1で優勝したが、ライバルの反対にあい直後にレースから締め出されている。
F1のパッケージングとテクノロジーを引き継ぐ
T50の最も大きな特徴は、リアに取り付けられた400mmの電動ファンで、クルマの下から空気を抽出し、ダウンフォースとグリップを増やす。
エアロのセットアップは、6つの異なるモードで構成される。2つのモードはオートマティックで、残りはドライバーが選択できる。
非常に滑りやすいストリームラインモードからハイダウンフォースまであり、さまざまな安定性とトラクションが選べる。
昨年の夏、T50にF1のパッケージングとテクノロジーの多くが使われることが明らかになった。マーレーはそれが1番良い方法だと考えたからだ。
新しいカーボンファイバー製のボディに、コスワース製造の4.0LのV12自然吸気エンジンをミッドシップに搭載している。
最高出力は650ps、エンジン回転数は1万2100rpm、許容回転数は1万2400rpm。これまでで最高の回転数を誇るロードカーエンジンとなる。
実験バージョンは、ダイナモメーターでフルスピードで実行され、その排気音はいかにも高出力エンジンらしい。
エンジンのフロントには、48Vインテグレイテッド・スターター/ジェネレーターがクランクシャフトに直接接続されてる。
スターターモーターとして機能し、その後は最大8000rpmの速度で軽量ファンを回転させるために必要な電力を作る。
エンジンはボディの非常に低い位置に取り付けられている。
トランスミッションはXトラック社が製造する後輪駆動のHパターン6速マニュアルギアボックス。
マーレーは、ほとんどのユーザーはスティックタイプのシフトを好むだろうが、好まない人にはパドルシフトを使う予定となっている25台のトラックカーを勧めたいと言っている。
乾燥重量は980kg。ストロング・ハイブリッドを採用しない理由は、重量が大幅に増えてしまうためだとマーレーは言う。
T50はF1より全長が60mm長く、全幅が30mm広い。全長/全幅は、フォルクスワーゲン・ゴルフとほぼ同じサイズ。
「私たちのようなやり方でスーパーカーを作る人は、ほかにはいないでしょう。幸せだと思います」とマーレーは言った。
エアロダイナミクス・ダウンフォース
ボディ上部にエアロダイナミクスを強化するウイング類はほどんど付加されず、ピュアなプロフィールとなっている。
フロントのスタイリングはまだ明らかにされていないが、F1との共通性が見られるだろう。
ダウンフォースは、アクティブ・テールスポイラー、ボディ下の大きなベンチュリ、最後端に400mmのファンを備えたスロットとダクトのシステムによって生成される。
ボディ下部の気流は、前方のスロットの開閉によって変化する。
T50のオートマティック・エアロモードには、オート(ファン、リアスポイラー、アンダーボディ・ディフューザーの使用を最適化する)と、ブレーキ(スポイラーを開き、ファンを高速で作動させ、クルマを路面に吸い付かせ安定性とコーナリング性能を高める)の2つがある。
ドライバーが選択するエアロモードには、「ハイダウンフォース」と「ストリームライン」がある。
後者は、アンダーボディベントを閉じてファンを高速回転することにより、「バーチャル・ロングテール」機能が作動。抵抗を約10%削減することができる。
「プッシュトゥパス」設定の1つで、最大3分間追加ブーストが得られる「V-Max」モードもついている。同モードでは、最高速度に近づくと、ルーフに取り付けられたインダクション・エアスクープ(マーレーのお気に入り)の効果によって、最高出力は700psに引き上げられる。
クルマが静止している時のエアロシステムの機能を実証することができるテストモードもある。
もっともコーナリング性能の良さを実感できるのは、97~160km/hで走行中のとき。低速走行中にもダウンフォースがあればよいが、小さなファンでは難しい、とマーレーは説明する。
スピードが高まれば、それもすべて解決。「エアロダイナミクスは速度の2乗に比例して上昇する。空気抵抗も同様だ」とマーレーは言う。
パフォーマンスカーの多くは、高速走行中にサスペンション・ストロークのすべてを使い切る。「高価で、重くて、大きく複雑なサスペンション・システムなら、それを避けることができるが、きっと誰も望まないでしょう」
ファン機能による強力なダウンフォースは、T50のブランド価値の中心となるもの。しかも、このシステムなら思い通りに調整することができる。
クルマを高速走行の状態から停止させたり、240km/hでアウトバーンをクルージングしながら安定性と優れた乗り心地を実現することができる。
今後のすべてのパフォーマンスカーに必要な機能となってゆくだろう。
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