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アウディA1スポーツバックの日本デビューを記念した特別仕様

掲載 更新 78
アウディA1スポーツバックの日本デビューを記念した特別仕様

玄人好みのスポーツカジュアル

text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)

【画像】試乗したグリーンのアウディA1【ディテール】 全22枚

photo:Keisuke Maeda(前田恵介)

衝突安全性の向上やプレミアム志向の強まりで車体サイズは拡大傾向だったが、道路の幅や駐車スペースがそれに応じて拡がるわけもなく、現実的な運用を考えればさすがに限界近くなってきたようだ。

そんな中、2代目となるアウディA1スポーツバックはボディサイズを拡大して登場したのだが、プレミアム感向上を狙った印象はない。

ちなみに全長は90mm長くなったが、これはホイールベース延長分と等しく、全幅や全高は従来モデルとほぼ同じ。車体サイズの拡大はキャビン容量増が狙いと見るべきだろう。

フロントにマスク上部に空いた3本のスリットや前後のフェンダー周りのプレスライン、リアピラー等々は4WDでWRCに革命を起こしたスポーツクワトロをモチーフとした外観。

そう言われれば見えなくもないが、実際に目の当たりにすると使い回しのよさそうなパッケージングのほうが印象に残る。スポーツクワトロ云々で「スポーティカー趣味のクルマか!」と身構えさせるような凄みはない。

内外装ともにヘキサゴンをモチーフとし直線と角が機能感を主張するが、そうぎすぎすして見えないのは微妙な曲線と曲面を与えたデザインの巧みさ。プロ向けの小技を入れ込んだスポーツカジュアルといったバランスでまとめられている。

要するにスポーツキャラで尖ったタイプではなく、汎用的な実用性や程よく若々しく程よく大人っぽいのが新アウディA1なのである。

試乗したモデルはA1の日本デビューを記念した特別仕様の1stエディション。35TFSIアドバンスドをベースにナビゲーションパッケージ等の主なOPを装着する。他にはスポーツサスなどのファントゥドライブに振った35TFSI.Sラインが設定されている。

刺激は少なめだが、まとまりの良い走り

刺激の少ない走りである。というと平凡で退屈なクルマと思われてしまいそうだが、部分的に誇張された走行感覚や運転感覚は一時的な昂揚は得られても長い付き合いには適さない。

パワートレインは1.5Lターボに7速DCTの組み合わせ。ダウンサイジングターボらしく25.5kg-mの最大トルクを1500~3500rpmで発生する。

シフト制御も最大トルク発生回転域に合わせている。巡航回転数1500~2000rpm、緩加速で2000~3000rpmに変速制御するのは最近のパワートレイン制御では標準的だが、踏み込み直後のトルクを強調するわけでもなく、ダウンシフトを伴う加速では多少引っ張り気味なものの、ペダル踏み込みに込めた意志に過不足なく応答してくれる。

巡航ギア維持の余力感と狙った速度に向かう加速感のバランスがいい。特性を意識しないで済む自然体の扱い易さと換言してもいいだろう。

このパワートレインにして、このフットワークあり、と言う走り全体のまとまりのよさも好感。うねった路面等での上下動は伸び上がり側が少々目立ち、それほど重質な印象はない。

ちょっと弾むような挙動も見受けられたが、ドタブルと車軸周りを揺するような振動も少なく、据わりよく落ち着いた乗り心地を示す。様々な状況で乗り疲れしにくいタイプだ。

街乗り&長距離に適したモデル

操舵反応も比較的穏やか。シャシー仕様がアドバンスドということもあるのだろうが、操舵に対して素直な回頭反応とラインコントロール性を示す。素早い切り返しでも揺れ返しを抑えるような操作は必要なく、これも「過不足なく」であり、自然体の扱い易さだ。

付け加えるならば、LKAの操舵支援も違和感が少ない。とくにACCオフ時の車線逸脱予防操舵支援の操舵介助が絶妙。

早めに介入し少なく修正というタイプで、保舵力の変化のような操舵補正で、補正が終わった時には車線と車体軸線がいい感じに一致。システム側が制御しているのは分かるが、自分が反射的に補正したような錯覚を覚えるほど。

また、中央車線側やコーナーのアウト側など危険度が高いほど早めに強く介入するなど、リスクをベースにした制御もドライバーの感性と相性がいい。

初めから乗り慣れたクルマのように操れるから印象深くはないし、動力性能でもコーナリング性能でもセオリーどおりにまとまった結果。

ケレン味のない馴染みやすさあるいは操り心地のよさはハイアベレージの長時間走行に適している。ボディサイズからしてもタウンユースに強いのは当然だが、長距離ツアラーとしても優れた走りである。

タウン&ツーリングを高水準でまとめた走りに居心地のいいキャビンである。アウディでは最小クラスだが、しっかりとした設えのシートもあり、後席の居心地は良好。

悠々と表せるほどの寸法的なゆとりはないものの、閉鎖感の少なさもあって大人4名が長時間のドライブを楽しむには不足ない。手頃な汎用性を持ったモデルでもある。

使い勝手も走りも飽きのこない生活のお供

昂揚感と御機嫌は別だな、なんて考えて試乗していた。高性能なスポーツモデルに乗っている時は昂揚感が必須。御機嫌気分なんて緩い気持ちではいられないことも多い。

また、そこまで持っていかないと真価を感じられないのも高性能スポーツモデル。アウディA1スポーツバック35TFSIアドバンスド(1stエディション)は逆側。

性能を引き出す面白さではなく、特性等々を何も考えずに気分良く操れるのが妙味。だから御機嫌で走れてしまうし、同乗者がいれば会話も弾むし、エンタメやインフォテインメントも楽しめる。

近年のアウディはスポーティな味わいを売り物にしているが、A1アドバンスドについては80とか100と言われていた穏やかな味わいの時代を少し思い出した。「あくまでも個人の印象です」という添え書き必要だが、また少し志向を変えてきたような印象がある。

1stエディションの価格は443万円。ベースのアドバンスドは365万円だが、今や必須装備と思われるナビパッケージと運転支援装備のアシスタンスパッケージを装着すれば408万円。

欧州プレミアムコンパクトでは標準的な価格設定と言えないこともないが、実用性だけで選ぶには価格のハードルは高い。凄い高性能というわけでもない。

ただ、長く付き合って使い心地のよさや安心感で元を取ると考えるなら悪くない選択だ。

肌触り感覚の運転しやすさや街乗りも遠出も心地よく過ごせる走行感覚。アウディらしいプレミアム感やデザインテイスト等々。手堅くも馴染みやすくもあって、使い勝手も走りも飽きのこないタイプ。要するにレジャーも含めた良質な「生活の供」なのである。

アウディA1スポーツバック1stエディション(35TFSIアドバンスド)のスペック

価格:443万円
全長:4040mm
全幅:1740mm
全高:1435mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:15.6km/L(WLTCモード)
CO2排出量:-
車両重量:-
パワートレイン:直列4気1497ccターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:150ps/5000-6000rpm
最大トルク:25.5kg-m/1500-3500rpm
ギアボックス:7速オートマティック

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みんなのコメント

78件
  • A1で平均年収を超えてくるあたり、日本が裕福な国でないことが判る…更に日本の場合は買った後の維持に他国よりも余分にお金がかかることから、益々遠い存在になる。
  • 中身ポロでしょ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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