アルファロメオは、先日行なわれた2023年のF1最終戦アブダビGPを最後にザウバーとの関係を終了させ、F1での活動を終了させた。同社は今後、WEC(FIA世界耐久選手権)に参戦することを目指す可能性が高いようだ。
2019年からザウバーとネーミングライツ契約を取り交わす格好で、本格的にF1に参戦したアルファロメオ。6年間に及ぶ活動で、最高位は2019年のブラジルGPでキミ・ライコネンが記録した4位。表彰台に手が届かないまま、2023年限りで両者の関係に終止符が打たれた。来季から同チームはザウバーへと名称が戻り、2026年からはアウディのワークスチームとして活動する予定だ。
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一方でザウバーから離れることになったアルファロメオは、一時は提携先をハースに切り替える可能性があるとも言われていたが、交渉は進展せず。F1からは離れることになった。ただ、今後はWECに参戦することを目指す可能性があるという。
アルファロメオのジャン・フィリップ・アンパラトCEOはmotorsport.comの取材に対し、モータースポーツへの関与を続けること、そして現時点ではWECに移行する可能性が最も高いことを明かした。
ハースF1との交渉がまとまらなかったことについて尋ねられたアンパラトCEOは、次のように説明した。
「我々は、ザウバーでやったようなスタイルのことをコピー&ペーストして行なうことに興味はなかった」
「そうなってしまったら、我々は車体にステッカーを貼るという立場になっていたわけだ。それはもはや新しいことではなく、我々の物語の一部にはならなかったはずだ」
「我々は別のことを検討し、すぐに結論に達した。アルファロメオはラリーの世界では何もしていない。(アルファロメオが所属する)ステランティス・グループは、フォーミュラEに参戦するふたつのブランド(DSとマセラティ)を持っている。そのため、アルファロメオとしては、過去に素晴らしい経験をしてきた世界であるWECに焦点が移ったのだ」
アンパラトCEOは、現時点ではWEC参戦について最終決定がなされたわけではないとしつつも、最もコスト効率の高い方法を検討していると説明した。
「WECの世界は非常に興味深い時期を迎えており、そのように高揚感が高まっている時には、最高の目標を目指すにはどのレベルの投資が必要なのかを理解することが難しくなるものだ」
そうアンパラトCEOは説明する。
「2015年には、LMP1クラスで制御不能なほどコストが高騰し、その影響が全体的に及ぶのを目にした。このことがどのように展開していくのかを理解するのに、少し時間が必要だったのだ」
「プロジェクトに着手する前に明確なイメージを持ち、自分が何に直面しているのかを正確に知ることが、正しい道だと信じている」
ステランティス・グループ傘下のブランドとしては、プジョーがWECに参戦中である。このプジョーと提携するのが、最も効率の良い方法であるようにも見える。
「確かに、それは我々が検討したシナリオのひとつだ」
アンパラトCEOはそう語る。
「ステランティス・グループの傘下には、すでにモータースポーツのプログラムと緊密に連携している企業がある。フォーミュラEのDSやマセラティなどがそうだ」
「我々がモータースポーツに復帰する時には、ステランティスのモータースポーツ・プロジェクトのサポートを受けることになる。プジョーが既にWECに参戦しているわけだから、協力を得られるのは可能という以上のものだ。その場合、おそらくそのふたつのプロジェクトは他の面では別々に進むかもしれないが、最終的には同じファミリーに属しているのだ」
「しかし現時点では、何も確かなことは決まっていないということを明確にしておきたいと思う。しかし投資の計画と評価が完了すれば、そうする(WECに挑戦する)つもりだ」
ザウバーとのF1プロジェクトは、アウディがチームを買収したことで終了することを余儀なくされたが、その効果は絶大であり、ザウバーと組んでF1に参戦したことに後悔はないとアンパラトCEOは説明する。
「史上最高の投資だったと言える」
そうアンパラトCEOは言う。
「イメージとしては、1ユーロの支出に対して、20ユーロが返ってきたようなものだ」
「ただそれと同時に、6年間我々のブランドを受け入れてくれ、素晴らしい関係を築いてきたチームと離れることになるので、それは少し悲しいと思う」
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