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高速道路の中央分離帯に植えられた植物、なんの意味がある??

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高速道路の中央分離帯に植えられた植物、なんの意味がある??

 道路脇や高速道路の中央分離帯には植物が植えられていますが、普段当たり前の光景として目にすることから、なぜ植えられているのだろう…と疑問に思う人は少ないかもしれません。

 こうした植物が植えられているのには、何か理由があるのでしょうか。NEXCO東日本の担当者は、次のように話します。

【画像】「え…!」これが中央分離帯に植えられた植物です(8枚)

「中央分離帯に植物が植えられているのは、中央分離帯の突破防止や対向車からの眩光(げんこう)防止のほか、ドライバー・ライダーに道路の線形を分かりやすくするためです」

 眩光とは、漢字の通り光が眩しくて見えにくくなることをさします。走行時のヘッドライト点灯が義務付けられているバイクですが、特に夜間走行時などでは、反対車線からのライトによる眩光が原因で、運転時の安全性が損なわれる可能性があります。しかし、中央分離帯に植物が植えられていることによって、反対車線からのライト光量が抑えられるため、夜間でも安心して運転することができるというわけです。

 加えて、一般的にまっすぐな道が多い高速道路であっても、時折緩やかなカーブの道も存在します。そこで中央分離帯に植物を植えることで道路の線形をわかりやすくし、カーブなどが発生していることをライダーに知らせているようです。

 また、前述の担当者は「また、単調になりがちな走行景観に変化をつけることも、理由として挙げられます」とも言います。

 SAやPAには、ガソリンスタンドなどは存在するものの、高速道路は一般道路と異なり、道路脇にお店が建っていることが少ないため、走行していても単純な景観が続いてしまいがちです。

 単調な走行景観が続けば、ライダーの集中力がなくなり、事故のリスクが高まるだけでなく、正常な判断ができなくなります。

 しかし、道路脇や中央分離帯に植物があれば、走行景観に変化を付けて、高速道路を長時間走行するライダーにも飽きがこないようにしているというわけです。

 では、中央分離帯などに植えられた植物は、誰が手入れをおこなっているのでしょうか。

「NEXCO東日本グループでおこなっています。植物の種類や地域による生育状況で、点検の頻度はまちまちですが、点検し、交通を妨げる可能性がある場合に手入れしています」

 また、植物が植えられている箇所によっては、高速道路外からの作業をおこなう場合もあります。例えば、道路脇に植えている植物は比較的背の高い植物も植えられているため、クレーンや高所作業車によって対応しています。

 一方、中央分離帯には手入れの関係から背の高い植物は比較的少なく、作業員の安全を守りながら手入れできる大きさのものが基本です。

 高速道路の植物はしっかりと手入れしていないと走行の妨げになる可能性もあり、状態に合わせながら安全に車が走行できる大きさに剪定しています。美しい景観を保つためにも丁寧な剪定がされているでしょう。

 ちなみに中央分離帯の植物は、名神高速の開通(1963年)当初、つまり日本初の高速道路の当初から植えられているといいます。

 中央分離帯に植物が植えられていることを、当たり前のこととして受け入れている人が多いのは、初めて高速道路が開通された当時から植えられているためでしょう。高速道路を安全に走行するための工夫が、60年経った今でも使用されていることに驚きです。

※ ※ ※

 高速道路の道路脇や中央分離帯に植物が植えられているのには、明確な目的があります。安全性を高める効果はもちろんのこと、高速道路ごとに植えられている品種も違うので目から景観を楽しむこともできます。

 今後ツーリングなどで高速道路を走る機会があるなら、注目してみても面白いかもしれません。

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