6月27~28日、富士スピードウェイで行われたスーパーGT富士公式テスト。いよいよ開幕に向けて動き出したスーパーGTだが、新型コロナウイルス感染拡大の影響は色濃く、ヨーロッパに滞在していた外国人ドライバーが参加できない状況が生まれている。そんななか、DENSO KOBELCO SARD GR Supraの第3ドライバーとして、2019年チャンピオンの山下健太が参加し、初めて2020年モデルのGRスープラをドライブした。
2019年に、大嶋和也とともにGT500クラスのチャンピオンを獲得した山下は、今季WEC世界耐久選手権に挑戦を開始し、ドイツに居を構えていた。しかし、セブリング戦の前に新型コロナウイルスの影響で日本に戻ることになり、その後は全日本スーパーフォーミュラ選手権のテストに参加したものの、ずっと日本でレーシングカーに乗れない日々が続いていた。
【タイム結果】スーパーGT富士公式テスト 6月27日午後 セッション2
そんななか、シーズン再開に向けて動き出したスーパーGTでは、新型コロナウイルスの影響による水際対策のため、ヨーロッパに滞在していた外国人ドライバーがテストに参加できない事態が発生してしまった。DENSO KOBELCO SARD GR Supraのヘイキ・コバライネンがこの影響を受け、富士テストに参加できず、チームは急遽、山下を第3ドライバーとして起用することになった。
山下は、1日目午前のセッション1でDENSO KOBELCO SARD GR Supraのコクピットに初めて乗り込み2周をこなすと、午後のセッション2ではいきなり65周を走破。1分27秒981というベストタイムをマークし、いきなり4番手につけてみせる。
さらに翌日のセッション3でも12周、セッション4で27周を走った山下は、「今回DENSO KOBELCO SARD GR Supraの第3ドライバーとして参加させていただきましたが、レーシングカーに乗ることもひさびさですし、GT500をドライブするのも2019年の最終戦以来でしたね」とSUPERGT.netでテストを振り返っている。
「とにかくレーシングカーをドライブするのは、すごくひさしぶりです。身体のリハビリにもなりましたね。こうしてドライブする機会を作っていただけて、TGR TEAM SARDの皆さんに本当に感謝していますし、うれしいです」
そんな山下は、初日午後に65周を走ったことで、GRスープラは初ドライブながら「かなり慣れることができた」という。そして興味深いのは、2019年までドライブしていたレクサスLC500との「違いを感じました」ということだ。
「簡単に言うと、GRスープラは“乗りやすい”クルマです。安定していますね。ただ、一発のタイムを出すには違った難しさがあるようにも感じました」と山下は解説している。
2020年から投入されるGRスープラは、開発ドライバーの立川祐路が、「これまでとは違う」と評するアプローチで作られているマシンだ。山下のコメントはそれを裏付けているようにも感じられる。またこれまでテストに一度も参加していなかった山下が、最もタイムが出るセッション2で4番手タイムをマークしているのも、GRスープラの個性を知るにあたり興味深いところだろう。
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