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ホントに同じメーカーの同一車種? 初代と現行であまりに見た目が違うクルマ5選

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ホントに同じメーカーの同一車種? 初代と現行であまりに見た目が違うクルマ5選

 2シーターから4ドアセダンとなったモデルも存在

 名は体を表すというが、クルマの名前にはイメージが固定されがちだ。とくにロングセラーとなっているモデルではその傾向が強い。たとえば、トヨタ・クラウンは国産の高級セダンというキャラクターを長年にわたり磨き続けている。一方、幾度もモデルチェンジを繰り返しているうちに初代のイメージとかけ離れてしまうこともある。現行モデルの初代を眺めてみて、生まれた時と現在でイメージが変わってしまったモデルをピックアップしてみよう。

前のほうがイケメン? マイナーチェンジで理解しがたい見た目になった国産車トップ5

 1)ホンダ・インサイト

 初代と現行モデルでまったくイメージが変わってしまったモデルとして、このところ指摘されることが多いのが「ホンダインサイト」だ。ホンダのハイブリッド専用モデルとして「インサイト」という名前を付けるという点ではまったくブレていないが、その恰好はずいぶんと変わっている。

 初代インサイトは燃費世界一を目指した尖ったクルマ、専用設計の1リッター3気筒エンジンにモーターを組み合わせたパワートレイン、空力性能と軽さを追求したオールアルミボディは2シーター仕様だった。

 ちなみに、2代目インサイトは5ドアハッチバックで、200万円を切る価格で話題となったハイブリッドカーの価格破壊を提案したモデルだった。

 そして、現行モデルはオーソドックスなフォルムを持つCセグメントの4ドアセダンとなった。ボディサイズが圧倒的に成長した現行モデルは、1.5リッターエンジンと2モーターハイブリッドシステム「スポーツハイブリッドi-MMD」を組み合わせている。

 各モデルのカタログ燃費はモードが異なるので比較できるものではないが、経験的な補正や実際の走行燃費からすると、歴代インサイトでもナンバーワンの燃費性能を持っているのは現行型といえる。見た目や使い勝手は変わったが、燃費性能を追求するという姿勢は不変だ。

 2)スバル・ジャスティ

 ずいぶんと前の話だが、スバルの乗用ラインアップが登録車のレオーネと軽自動車のレックスだった時代がある。そんななか、1984年に初代ジャスティが生まれた。1リッター3気筒エンジンを積んだハッチバックのFFコンパクトカーのジャスティは、ドアなどサイドパネルを軽自動車のレックスと共用するといった成り立ちで、まさにレックス・ワイドというべきモデルだった。その後、量産車として電制CVTを世界初採用するなど自動車技術史に残る一台ともいえる。また、全日本ラリーでは多くのドライバーを育てたことでも知られている。

 日本では初代モデルでディスコンとなっていたが、欧州向けにはスズキからカルタスやスイフトのOEMを受けて2代目・3代目として発売。資本関係の変更により4代目はダイハツ・ブーンのOEMとして販売された。そして、国内で復活した現行モデルのジャスティはご存じのようにダイハツからのOEM。ダイハツ・トール、トヨタ・ルーミー/タンクの兄弟車として、コンパクトなスライドドア車としてよみがえった。

 脇役からメインストリームへと路線変更したクルマも!

 3)ホンダ・アコード

 日本国内ではハイブリッド専用セダンとして販売されているホンダ・アコード。2リッターエンジン+2モーターハイブリッドシステム「スポーツハイブリッドi-MMD」というパワートレインは、インサイトの兄貴分といったポジションだ。

 このアコード自体、グローバルに見ると旧型で、北米などではターボエンジンと10速ATを組み合わせた10代目アコードが販売されていたりするのだが、いずれにしても4ドアセダンであることは変わりない。しかし、グローバルに見ると10世代も続いているロングセラーだけにそれぞれの世代において思い入れがあるだろう。

 スポーツ派には「ユーロR」の設定された6代目、7代目の印象が強いかもしれない。またJTCCで活躍した5代目が記憶に残るという人もいるだろし、リトラクタブルヘッドライトを採用した3代目のインパクトがいまだ強烈だ。現在はセダンだけのラインナップだが、過去にはステーションワゴンやクーペといったバリエーションもあった。

 しかし、初代まで遡ると、当初は3ドアハッチバックだけの設定だったというのだから驚く。のちに初代アコードにも4ドアセダンは追加設定されたのだが、それにしても現在のアコードとはまったく異なるプロフィールだった。もっとも、シビックの上級モデルという立ち位置は不変だ。

 4)日産クリッパー

 日産クリッパーといえば軽1BOXバンの「NV100クリッパー」、軽トラックの「NT100クリッパー」の2本立て。先代モデルは三菱自動車からのOEMだったが、現在はスズキからのOEMとなっている。そんな「クリッパー」は商用車として伝統のある名前だったりする。

 初代クリッパーが生まれたのは1950年代で、1.5~1.8リッタークラスの小型トラックだった。ただし、初代モデルを生産していたメーカーは日産ではない。のちに日産に吸収合併されるプリンス自動車だった。その後、日産となってからも小型・中型トラックの名前として1980年代まで使われた。

 そんなクリッパーという名前が軽商用で復活したのは、トラックとしての認知度を考えれば正統的かもしれないが、以前のクリッパーを知っている層からすると違和感があるのだという。たしかに、小型・中型トラックが来ると思っていて、軽トラックが現場に到着したら驚くのかもしれない。

 5)三菱eKワゴン

 2019年3月にフルモデルチェンジを果たしたeKワゴン。日産と三菱によるJV企業によって共同開発され、三菱・水島製作所によって生産される最新の軽自動車だ。その生産工場も、軽自動車であることも変わっていないが、初代eKワゴンのポジションは、現行モデルのイメージとはまったく違うことに驚くだろう。

 初代eKワゴンが登場した2001年、軽自動車のメインストリームは、全高1600mm台のハイトワゴンだった。具体的な車名を出せば、スズキ・ワゴンRとダイハツ・ムーヴが覇権を競っていた。そのなかで三菱が考えたのはハイトワゴンとハッチバック車(三菱ミニカ、スズキ・アルト、ダイハツ・ミラ)の中間的なポジションとして「良い軽(eK)」を出すこと。だから初代eKワゴンの全高は1550mmというボディだった。ハッチバックよりちょっと余裕があって、しかし立体駐車場に対応するサイズは多くのユーザーに認められ、スマッシュヒットとなった。

 2代目eKワゴンでは、その全高はキープしたまま、後席スライドドアにもチャレンジした。そうした「ちょっと外したイケている軽自動車」というイメージからすると、3代目から軽自動車のメインストリームを目指すというのは大きな路線変更だった。

 初代モデルのデビュー時にはグレード構成も最小限で、シンプルな装備設定となっていたことを思うと、最新モデルで「MI-PILOT」のような高度運転支援システムが設定されることなど夢のようだ。

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