公道走行が考えられたハイパーカーが誕生
アストンマーティンは2019年7月22日、東京・アストンマーティン青山ハウスでミッドエンジン・ハイパーカー「VALHALLA(ヴァルハラ)」を日本で初公開した。世界限定500台で2021年末よりデリバリー開始予定だ。
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このクルマはヴァルキリー、ヴァルキリーAMRプロに続く第3のアストンマーティンのハイパーカーだ。ヴァルキリーのエッセンスを注入し、アストンマーティンとレッドブル・アドバンスド・テクノロジーとの共同で開発されるが、ヴァルキリーとはまったく違った、独自のクルマに仕上がっているという。空力の鬼才として有名なF1デザイナー、エイドリアン・ニューエイの手も加わったモデルだ。
ヴァルキリーとの一番の差は、公道走行に適した利便性・快適性を持ち合わせているところだ。
コックピットはヴァルキリーよりもゆとりのある広さで、ステアリング、ペダルをはじめとするキャビン全体のエレメントはドライバーを中心に整列されている。また前方へ開くLMP1スタイルのドアを採用し、ルーフセクションもドアと同時に持ち上がる仕様は、乗り降りのしやすさに貢献している。
加えて、実用性を確保するために一定の譲歩は強いられたものの、一切の妥協を排して開発したとメーカーは語る。
NASA検証の航空機技術を自動車に初採用!
ミッドシップにハイブリッドターボV6エンジンを搭載し、1000馬力の最高出力が目標とされている。このパワーはF1からフィ―ドバックされた8速デュアルクラッチトランスミッションを介して路面に伝えられる。
また、パワーユニットにはネクセル・シーリング・オイル・システムを採用。90秒以内に交換が可能なオイルカートリッジで、交換されたオイルは精製され再利用される。ヴァルハラは公道走行可能なクルマでこのシステムを採用した、世界初のモデルだ。
ボディはカーボンファイバー製とし、軽量化を追求。エアロダイナミクスにはレッドブル・アドバンスド・テクノロジーズの技術が注ぎ込まれ、公道走行可能な車両としては驚異的なレベルのダウンフォースを発生するという。
フロント・リヤのライトは独自のデザインを採用しながらも、構造はヴァルキリーのものを流用し、軽量化を実現。4つのランプの重量の合計はアストンマーティンDB11のヘッドライト1つ分よりも軽いというから驚きだ。
また次世代航空機の翼全体を滑らかに変形させながら飛行する技術も応用。フレックス・ホイールと呼ばれるこのシステムはNASAによって検証されていて、自動車ではヴァルハラが初採用。これによりエレメント全体の物理的な角度を変えずにダウンフォースを変化させることを可能とし、ハイパフォーマンスと風切り音の少ないシームレスなデザインを両立している。
またこのクルマは2020年4月に公開予定の映画「007」に登場することも決定している。メーカーからは「ヴァルハラがどのように登場するかは明らかになっていないが、楽しみに待っていてほしい」とのことだった。
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