車両構造上ふらつきを起こしやすいモデルが多い
コンパクトなボディなのに室内は十分に広くて、小まわりが利いて運転しやすく、税金が安くて維持しやすい軽自動車。今では通勤などの足グルマとしてだけでなく、ファミリーのファーストカーとしても選ばれることが多くなっていますね。
軽自動車が「危険」は車体サイズが原因じゃない! レーシングドライバーが語る「問題点」とは
なかでも現在、販売台数ランキングで常に上位に入ってくるのが、ホンダN-BOXを筆頭にダイハツ・タント、スズキ・スペーシア、日産ルークスといった、両側スライドドアを備えた高い全高のボクシーなボディ形状となっている、スーパーハイトワゴンと呼ばれる軽自動車たち。室内なんてそこらへんの高級セダンよりぜんぜん広いし、装備だって折りたたみテーブルやサンシェード、ハンズフリーのスライドドア自動開閉機能まで付いているし、家族みんなで乗るのにピッタリの使い勝手を実現しています。
ただ、そうした軽自動車を運転する際にはちょっと注意が必要なシーンがあります。高速道路などで、運転している本人はまっすぐ走っているつもりなのに、急にボディがふらついてヒヤッとしたり、無意識のうちに車線をはみ出しそうになっていた、なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。今回はなぜ、軽自動車でそうしたふらつきが起きやすいのか、その理由をピックアップしてみました。
1)重心が高い
1つ目は、ボディサイズと形状です。軽自動車は日本独自の規格でボディサイズの上限が定められており、全長が3.4m以下、全幅が1.48m以下、全高2m以下となっています。また、エンジン排気量は660cc以下、乗車定員4名以下、貨物積載量が350kg以下という規定もあります。
先ほど挙げた人気車種はどれも、全長と全幅はほぼ規格いっぱいのサイズで、全高はN-BOXが1790mm、タントが1755mm、スペーシアが1785mm、ルークスが1780mmと、軒並み1.7mオーバー。1835mmにもなる、ダイハツ・ウェイクというモデルもあるほどです。
こうした、細く背が高いボディ形状ゆえに、普通車と比べるとどうしても重心が高くなってしまうこと。これが1つ目の原因です。視界をよくするために、乗員の着座位置がアップライトに設定されていることなども関係していますが、重心が高いと路面のギャップなどでボディが揺れた際に、その揺れがいつまでも収まらず、ふらつく原因に。そしてカーブでは遠心力が働きますが、その反動でカーブを曲がり終えたあとにボディが反対側に振られることも、ふらつきの原因となってしまうのです。
2)ホイールベースの短さ
2つ目はホイールベースの短さ。一般的にホイールベースが長いクルマのほうが、直進安定性に優れていると言われます。路面の段差を乗り越えた際に、その振動が車内に伝わりにくいという特性もあり、乗り心地が良くなるのもメリットの1つと言われていますね。ボディサイズの上限がある軽自動車は、スーパーハイトワゴンに限らずどれもホイールベースは2440~2455mm程度というのが標準です。
普通車ではコンパクトクラスのトヨタ・ヤリスでも2550mm、セダンのトヨタ・プリウスだと2700mm、ミニバンのトヨタ・アルファードともなれば3000mmものホイールベースが確保されていますので、軽自動車はかなり短いことがわかると思います。
そのため、小まわり性能には優れるのですが、やはり直進安定性は普通車より劣ります。そんななかでも、2520mmというホイールベースを確保しているN-BOX。別格とも言える安定感のある走りに定評があるのは、こうした理由もあるのではないでしょうか。
アフターパーツを使用することで改善される点もある!
3)横風や乱気流の影響を受けやすい
3つ目は、先ほどのボディ形状とも関係しますが、横風や乱気流の影響を受けやすいことです。高速道路のカーブなど速度域の高いコーナリングや、橋の上、トンネル出口、トラックやバスなど大型車の横を走る際に、そうした横風や乱気流の影響を受け、ふらつきが起きやすくなっているのです。こうした状況を走る際には、周囲の流れを妨げない程度に速度をなるべく落とし、ハンドルをしっかり握って走行するようにしたいですね。
4)タイヤのサイズ
4つ目は、タイヤです。軽自動車が履くタイヤは現在、14インチ程度が主流となっており、なかには12インチ、13インチというモデルもあるくらい、サイズが小さめ。その分、回転数も多くなり、すり減りやすいので磨耗も早めと言えます。径だけでなく幅も狭いので、タイヤへの負担がとても大きいことも考えられます。
なので、本来なら軽自動車こそ、高性能なタイヤを装着したいところなのですが、純正で装着されているタイヤはどちらかといえば、コストに制限があるなかでの必要十分な性能のものだったり、燃費重視のものが多いのが現状です。そんな事情もあって、ふらつきやすいという軽自動車の弱点をカバーしてくれるようなタイヤを装着すると、見違えるようにガッシリとした乗り味になる場合もあります。
タイヤメーカーはそうした事情に目をつけ、軽自動車向けの高性能タイヤを開発・発売しているところも多いので、チェックしてみるといいでしょう。
5)スタビライザー非装着
5つ目は、クルマがカーブを曲がる際などの横揺れを抑え、安定して走行できるようにする役割を持つ、スタビライザーの装着率がやや低いことです。スタビライザーはメリット、デメリットがあるため、車両のタイプや走行シーンによっては非装着のほうがいい場合もあり、好まないドライバーもいると思いますが、一般道や高速道路を走る際には、やはり装着されていたほうが安定性が高まるというのが一般的。
軽自動車では、スーパーハイトワゴンではフロント、リヤともに装着されているケースが多いものの、ルークスのようにフロントのみだったり、ミライースなどのセダンタイプでは装着されていないモデルも見られます。2WD車は前後とも装着、4WD車はフロントのみ装着というモデルもあります。
これはメーカーによって考え方や開発プロセスが異なるため、一概には言えませんが、コスト削減が理由ということもあるでしょう。購入後、アフターパーツでスタビライザーを取り付けたところ、走行安定性が高まったというケースもあります。
というわけで、知らないうちにふらつきを起こしていてヒヤリとした、という軽自動車あるあるの理由として考えられる5つのポイントをピックアップしました。どんなクルマも、周囲の状況につねに気を配って安全第一で運転する、という基本は同じなのですが、軽自動車は運転しやすい、手軽に乗れるというイメージが強いため、油断してしまいがちです。ふらつきやすい理由をしっかり頭に入れて、注意して運転したいですね。
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