チューンドスクーターの雰囲気漂う
レオンアート「パイルダー125」に乗った! 原付二種なのにトルクでスポーツできる“パワークルーザー”
ウイングフットは、2022年7月よりイギリスの「スコマディ」の輸入販売を開始すると発表した。往年のイタリアンスクーターに端を発するクラシックスタイルのデザインながら、日常の使い勝手を向上するギミックを満載するうえ、見た目を裏切るスポーティさも持ち合わせている。
●取材協力:ウイングフット tel: 03-3897-7255
しっかりした足まわりや、ツボを押さえたディテールの数々
スペインのバイクメーカー「レオンアート」の輸入などで知られるウイングフット(東京都足立区)は、イギリスの新ブランド「スコマディ(SCOMADI)」を輸入し、2022年7月より販売開始すると発表した。
スコマディは、イギリスのランカシャー、プレストンに本拠を置く英国企業。スクーター業界で60年以上の経験を持つ「Scooter Innovation Ltd」のフランク・サンダーソン氏と「PM Tuning Ltd」のポール・メリチ氏のパートナーシップにより、過去のイタリアを代表するスクーターをベースにスコマディのブランドとスクーターシリーズを作り上げたという。
サンダーソン氏のスクーターイノベーション社は、旧世代ランブレッタ(1973年に倒産したイノチェンティ社のブランド)のチューニングなどで名を馳せたコンストラクターで、2005年に創業されたスコマディ社にはその経験が活かされている。さらに、2017年からはサンダーソン夫妻がタイに移り住み、現地工場の運営と生産管理に携わっているというから驚きだ。
そんなタイ工場で生産されるクラシックデザインのスクーターが、このたび輸入開始されるテクニカ125(Technica125)と、ツーリスモテクニカ125(Turismo Technica125)の2車。本国では水冷200cc版もラインナップされるが、まずは日本市場で受け入れられやすい125ccが導入される。モダンクラシックをテーマとしたデザインは“過去のイタリアを代表するスクーター”をモチーフにしているというが、見た目からもわかるように、旧世代のランブレッタを下敷きにしているのは明らかだ。
―― TECHNICA 125(テクニカ 125)車体色:パンサーブラック……サイドカバーが大きくえぐり取られ、スクーターレースのためにチューニングされたようなスタイリングに。
―― TURISMO TECHNICA 125(ツーリスモテクニカ 125)車体色:オレンジパール……サイドがフルカバードになっているほか、埋め込み式ウインカーなどを装備している。
搭載するエンジンは125ccの空冷単気筒で、トランスミッションはVベルト無段変速。フレームはチューブラースペースタイプで、部分的にスチールを用いたボディには多くのカラーバリエーションが展開されるという。そして気になるのは、最近のスクーターではあまり見ないフロントサスペンション形式や、2系統を装備するというUSB電源などのギミックだ。このあたり、もっと詳しく知りたいぞ!
鮮やかなボディカラーと、思った以上の高級感
さて、じつは筆者はウイングフットまでバイクで5分の距離に住んでいる。せっかくなので、本記事を書くにあたって実車を拝見させていただこうとダメ元で問い合わせてみると、テスト導入した未登録車両があるという。さっそくショールームを訪ねることにした。
現地で実車を目の前にすると、思った以上に塗装の質感がいい。ツーリスモテクニカは標準4色+スペシャル6色、テクニカは標準3色+スペシャル2色のラインナップで、現車はスペシャル色のオレンジパールに塗装されたツーリスモテクニカと、標準色パンサーブラックのテクニカだ。
面積が大きいフロントカバーとサイドカバーはスチール製で、ヘッドライトケースの下側はアルミ鋳造製。その素材ゆえか発色がよく、特にスペシャル色のオレンジパールはとても見栄えがいい。見た目にはそれほど大柄ではないが、テールまわりに対してリヤタイヤがギリギリまで後ろに寄っているため、ホイールベースはパッと見の印象よりも長めで、最低地上高については330mmとモトクロスバイク並みのスペック値だ。
2車の主な違いは、サイドカバーの形状とタンデムステップバーの有無、そしてマフラーなど。LEDウインカーが埋め込みかハンドルマウントかといった違いもあるが、跨ってしまえばそれほど大きな違いは感じられない。
―― フロントカバーはスチール製で、ブラックパンサーが描かれたエンブレムが右側、そして車名ロゴが左側に入る。本国仕様はエンブレムのフチの部分がバックライトで光るギミックを備えるが、日本導入の際には国内法規に照らし合わせて廃止される可能性もあるとのこと。
―― ツーリスモテクニカ125は大きなスチール製サイドカバーを備え、車名ロゴが配される。ウインカーはLEDで、前後ともボディ埋め込み型を採用。また、カバー内にエンジンを照らす青いLED照明を装備しているが、こちらも日本導入の際にどうなるかは今後検討される模様だ。
シートはフラットで前後に長く着座位置に自由度があり、前めに座れば車体はコンパクトに感じられるが、少し後ろめに深く座ると、スクーターとしては珍しくハンドルバーにやや垂れ角がついていることもあって、よりスポーツバイクのようなフィット感になる。
エンジンを始動すると、うるさいというほどではないが両車とも明確なビート感がある。ツーリスモテクニカよりもテクニカのほうがやや野太い音質だった。メーターは指針式の速度系のほかオドメーターと燃料残量計、各インジケーターのみのシンプルな構成だ。
※メーター等の写真は今回のリリース素材に含まれなかったので、国内正式導入されたのちに試乗インプレッションと車両解説を改めてお送りします
―― こちらはテクニカ125のウインカー。小ぶりのLEDタイプで、前後それぞれハンドルとナンバープレートホルダーにマウントされる。このほか、テールランプとポジションランプはクールなLED仕様だが、ヘッドライトは暖かみのある色味で夜間でも立体感をつかみやすいH4ハロゲン球を使用している。 [写真タップで拡大]
ウイングフットのご厚意で日本最速の試乗インプレッションが実現!
ここでさらに、試乗用の仮ナンバーがあるというので急きょ試乗が叶うことになった。まだ慣らしもまったく進んでいないド新車なので慎重に乗る必要はあるが、軽めのインプレッションはできそうだ。走りの写真は自撮りするわけにもいかなかったので今回は割愛させていただきたい。
走り出すと、慣らし前のエンジンということもあってまだ回転上昇に渋さが残る印象はあるものの、125ccクラスとして普通の加速を見せる。大通りの流れをリードするのにも不足はなさそうだった。面白いのは、ブレーキレバーに触れた後だ。
フロントサスペンションにはボトムリンク式を採用しており、フロントブレーキをかけてもフロントはほとんど沈まない。まるでハブステアのようなフィーリングなのだが、ステアリング機能は普通のテレスコピックと同じなので余計なフリクションもない。左レバーを引くと前後ブレーキが連動して掛かるので、リヤブレーキだけを掛けたつもりでも思いのほか鋭く止まってくれるが、ブレーキによるサスの沈み込みは抑制しつつ路面の凹凸には対応するという不思議な感覚だ。タイヤはミシュランの前後12インチで安心感があった。
左右に車体を振るとけっこう軽く、発売前のド新車なのでバンキングは試せなかったものの、安定感をベースとしながらスポーティな走りが得意そうに思えた。さらに着座位置を後ろめにすると、長めのホイールベースにゆったりと身体を預ける感じになって、ミニサーキットなどに持ち込んでも楽しめそうな雰囲気になる。このあたりは、スクーターのチューニングに長年携わってきたスクーターイノベーション社のノウハウを感じる部分だ。テクニカが装備するタンデムステップは、もしかしてバックステップのように使うことを前提に組み付けたのでは、と思えるほどだった。
―― ボトムリンク式サスペンションにφ220mmのウェーブディスクを組み合わせるフロントまわり。キャリパーサポートの制動力ベクトルを受けるのがフォーク側になっているため、ブレーキを掛けてもフロントが沈む方向に力が働かない。
―― リヤブレーキは隠れて見えにくいが、ディッシュホイールのようなレトロデザインの中にφ220mmディスクを備えている。スコマディのロゴが入ったエンジンはセル/キックスターター併用式。テクニカ125はタンデムステップも備える。
今回の状況では、2車の走りの違いはあまり感じられなかったが、エンジンフィーリングにはサウンド同様にやや違いがあった。テクニカのほうが中間加速がわずかに力強く、ツーリスモテクニカのほうは高めの回転をキープしやすい印象だろうか。ただ、あくまでもごく短時間の試乗だったので、慣らし後の車両にきっちり乗り込んだら違った感想になる可能性もあることはお断りしておきたい。
コックピットまわりについても触れておくと、手元のスイッチ類は違和感なく扱えるほか、メインスイッチの左側にある電源用USBソケットが視覚的に新鮮だった。USBタイプCとクイックチャージ3.0の2つの出力ポートを備え、その中央には青く光る電圧計が数値をリアルタイムで見せてくれるのだ。また、日本仕様がどうなるかは未定のようだが、フロントカバーにあるエンブレムがバックライト付きだったり、リヤフェンダー内を青く照らすLED照明が内蔵されていたりと、カスタム感あふれるギミックがあちこちにある。
シートの開閉はシート自体の左側にあるボタンを押しながら開ける構造で、シートオープンで露出する燃料タンクキャップを鍵で開ける仕組み。メットインスペースはないが、メインスイッチの下に鍵付きのグローブボックス(500mlのPETボトルが3~4本は入りそう)を備えている。サイド&センタースタンドは標準装備で、センタースタンド掛けはかなりやりやすい。
アクセル開度がやや大きめのロースロ気味になっていること以外には気になるところもなく、全体的に好印象だ。レトロスタイルで使い勝手がよく、その中にほどよい遊び心とスポーツマインドを秘めたスコマディの2車は、2022年7月に標準カラー、9月にスペシャルカラーが導入開始される予定だという。最初のロットは台数が限られるようなので、興味のある方は早めに問い合わせることをおすすめしたい。全国ディーラー数は現在のところ5店舗ほどだが、正式導入時までにはもう少し増えそうとのこと。
―― グローブボックスの上にUSB電源×2(タイプCおよびQC3.0)と電圧計を備える。
―― サイドスタンド標準装備なのも嬉しい。ステップボードは靴で塗装が傷つかないよう、きっちりリブが立てられている。
SCOMADI TURISMO TECHNICA 125 / TECHNICA 125[2022 model]
主要諸元■全長1810 全幅670 全高1130 最低地上高330 シート高769(各mm) 車重125kg(乾)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 124.6cc 9.79ps/7300rpm 0.98kg-m/7200rpm 無段変速 燃料タンク容量11L■ブレーキF=φ220mmディスク+2ポットキャリパー R=φ220mmディスク+2ポットキャリパー タイヤサイズF=110/70-12 R=120/70-12 ●価格:テクニカ125=48万4000円(スペシャルカラー=50万6000円)/ツーリスモテクニカ125=51万7000円(スペシャルカラー=52万8000円) ●販売開始時期:2022年7月(スペシャルカラーは9月)
◆カラーラインナップ
ツーリスモテクニカ125■車体色スタンダード(4色):パンサーブラック、オールドイングリッシュホワイト、クリムゾンレッド、ストラトスシルバー■車体色スペシャル(6色):オクスフォードブルー、スターダストグレー、オレンジパール、ライトニングイエロー、オールドイングリッシュホワイト/オクスフォードブルー、オールドイングリッシュホワイト/クリムゾンレッド(※計10色)
―― TURISMO TECHNICA 125(ツーリスモテクニカ 125)オレンジパール
―― TURISMO TECHNICA 125(ツーリスモテクニカ 125)オレンジパール
テクニカ125■車体色スタンダード(3色):シャドウブラック、パンサーブラック、オールドイングリッシュホワイト■車体色スペシャル(2色):パンサーブラック/クローム、オールドイングリッシュホワイト/クローム(※計5色)
―― TECHNICA 125(テクニカ 125)パンサーブラック
―― TECHNICA 125(テクニカ 125)パンサーブラック
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「右車線ずっと走って何が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「捕まるよ」「違反です」の声も…投稿者は「後ろから煽るほうが悪い!」と主張 法律ではどちらが正しいのか
なぜ日本人はBEVを買わないのか? 世界で乗用車新車販売比率18%だけど日本だと1.8%な理由
「知り合いの女の子が、軽自動車に軽油を入れて動かなくなってしまった」 ガソスタでの減らないトラブル、どうする? 元店員の「間違え」とは
「横断歩道で譲らないクルマ多すぎです。『止まれ!』と叫んでもいいですか?」質問に回答殺到!?「分かる」「ルール知らん人多すぎ」の声も…法律ではどう書いてあるのか
32年ぶり復活! 新型「コンパクトSUV」に反響多数! “カクカク”ボディの「旧車デザイン」に「カッコイイ」の声も! 新型「4(キャトル)」フランスで発表され話題に
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント