フランス車イベント「アロンフランセ車山」が初開催
2023年10月に車山高原で初開催となったフランス車のイベント「アロンフランセ車山」。この日のプログラムでは、生誕75周年を迎えたシトロエン「2CV」をフィーチャーし、「シトロエン2CVの歴史紹介」のステージや、「生誕75周年記念大パレード」が行われた。
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生誕75周年を祝いシトロエン2CVファミリーが100台以上集結
前日から降り続く雨にもかかわらず、イベント当日は全国からたくさんの2CVファミリーが集まった。そのラインナップは「フルゴネット」や「メアリ」、さらには4輪駆動の「サハラ」まで、100台を超えていた。過去、同じくここ車山高原で行われていた「フレンチブルーミーティング」でも、これだけの数の2CVは集まったことはないというから、オーナーたちがこの祝典をいかに楽しみにしていたかが窺われる。
そんな2CVたちが並んだエリアで写真撮影に励んでいた堀口邦彦さんも、愛車の誕生祭を祝おうと参加したひとりだ。
プロカメラマンとして、長年にわたり某国産車の輸出用モデルの撮影に従事していたという堀口さんの最初のクルマはVW「ビートル」。その後、ホンダ「バラードスポーツCR-X」に乗り換えてからはモディファイ道へ。その後ツインカムエンジンモデルのSiが登場すると、負けていられないと後付けのターボキットを組み込むなどして楽しんでいたという。
そして、ある年に撮影のために訪れたフランス。レンタカーのオペル「カデット」でオートルートを走行していたとき、す~っと追い越していったのがシトロエン「CX」だったそうだ。140km/hで巡航していたカデットを、家族4人を乗せたCXが優雅に抜き去って行く姿に、堀口さんのハートは「ズキュンと射抜かれた」(ご本人の表現)。
プジョー309、シトロエンCXを経てフランス車にどっぷり
実際にCXに辿り着くまでは、それから10年かかった。この出張時、まだ日本では発売されていなかったプジョー「205」も街にあふれていて、それも気になる存在だった。その兄弟車的な「309」が日本に導入されることになり、最初のロットの1台を後輩が購入。その後しばらくしてその309を引き継いだ堀口さんは、309が初めてのフランス車となった。
ほぼ新車にもかかわらず走行中には時おり給油口がパカパカ開くこともあったが、気持ちよく回るエンジンに、ゆったりとしたストロークのサスペンションながら運動性能もすこぶるゴキゲン。日本車とはまた違った魅力を持ったフランス車への興味はさらに増していく。
309を楽しみながらも「ズキュン」のCXの売り物も探していたが、ついにハイドロシトロエンのスペシャリストであるショップ「ジャベル」にて、イギリス仕様のシトロエンCXサファリと出会い、10年越しの念願が叶う。
そして、ロケでたくさんの撮影機材を積んで全国各地を飛び回り年間2万kmを走破するなど、仕事でもガンガン使う堀口さんの要求にもしっかりと応えてくれたCXは14年間所有し、その後も「エグザンティア ブレーク」、「C5ブレーク」とハイドロ街道まっしぐら。
シトロエン仲間から8年前に引き継いだ2CV
堀口さんの2CVスペシャルは、フランス本国生産最後にあたる1988年式だ。
「この2CVは25年くらい前から仲間が乗っていたクルマです。同じ頃に私がCXに乗っていたため、同じシトロエンの仲間として、自分が乗らなくなったらその後を引き継いでもらいたいと、8年前に託されて私のところに来ました」
堀口さんがC5ブレークに乗っていた頃だ。前述の通り、国産スポーツカーではモディファイも楽しんでいた堀口さんであるが、2CVは一見したところノーマルの状態を保っている。
「仲間の愛車の頃から身近だったクルマです。機関以外の内外装に関しては刻んできた歴史があるので、ボディの凹みや塗装の退色などは手を入れずそのままにしています」
という付き合い方をしているそうだ。
「自分のところへ来てすぐの頃、走行中に3速に入れる動作で、シフトノブをまっすぐ手前に引いたら、レバー全体がシャフトごと、勢いよく抜けてしまいました。シフトレバーとミッションをつなぐリンケージが金属疲労で破断したのが原因でしたが、喜劇映画のワンシーンみたいでおかしかったです。その後は3速に入ったままのため、半クラッチを多用し、近くのホームセンターまで走って針金を買い、その場で応急処置をして帰りました。メカが原始的なので、子どもの工作レベルの修理でもなんとかなるのが良いところです」
と、トラブルも楽しんでいるようだ。
「純正のルーフキャリアが欲しいんです。もし手に入ったらカヌーを積んで水辺に行きたい」
空冷フラット4から気がつけば、空冷フラットツインにたどり着いて、まだまだ2CVとの時間を楽しもうとしている堀口さん、目を細めて語ってくれた。
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みんなのコメント
今で言う軽ハイトワゴンに通じる使い勝手のよさから半世紀ものロングセラーに。
出た当初から「誰か缶切り持ってきてくれ」と言われるある種のカッコ悪さ。
映画に出れば(007、カリオストロの城、ベストガイ…)コメディリリーフ役。
でも実用性の高さはみんなが見抜いていたし外見のユニークさもその機能美の裏返しだった。
ミニカーあるぞ。