2020年の東京オリンピックに関連する「ボランティア問題」について、今や知らない人はいないだろう。
「8万人も集まるのかよ?」「本気で無給でやらせるつもりなの?」「ていうか素人に救急セット持たせて会場を回らせて、何ができると?」「しょせんは上級国民のための奴隷労働か……」などと、そのボランティア体制に関する批判的な意見は枚挙にいとまがない。
とはいえ筆者もニッポン国民のひとりとして、いろいろな問題もあることは承知のうえで「それでもお国のために働きたい!」「一流アスリートたちを応援したい!」「世界的なイベントに当事者として立ち会ってみたい!」という気持ちがないわけではない。
だが特に英語やフランス語などが達者なわけでもなく、これといったスポーツ経験があるわけでもないため、「とはいえ自分に何ができるのか……」と思い悩んでいた。しかし考えてみれば、自動車好きの端くれとして「移動サポート(運転等)」であれば、こんな自分でもお国やアスリートの役に立てるのかもしれない。だって運転だけは好きで、そこそこ得意だもの! そんな思いをベースに、ボランティアの募集サイトを見てみた。
それによれば「移動サポート(運転等)」は1万~1万4000人の人員を募集しており、「大会関係者が会場間を移動する際に車を運転し、快適な移動となるようサポートをします。自動車の運転を行うために普通自動車運転免許が必要です」というような活動をするとのこと。
「どんな人を乗せるのか?」
「事故ったときの補償はどうなるんだ?」
「ていうか一種免許しか持ってない素人がコレをやっちゃっていいのか?」
……さまざまな疑問や不安が脳内を駆け巡ったが、しかしお国と一流アスリートのためである。自分は一念発起し、「移動サポート(運転等)」のボランティアスタッフに登録しようと決意した。しかし、またまた新たな問題が発生した。
ツイッターなどのSNSで出回った情報によれば、「ボランティア応募ページの作りがゴミすぎて、入力するだけで2時間はかかってしまう。ダメだこりゃ!」だというのである。
そうなのか? 当該サイトを見てみると「入力には30分ほどかかります」と書いてあるが、2時間もかかるのか……。ていうか「30分」でもかなりのゴミ設計であり、たいていの人は入力途中で離脱してしまいそうだが。
まあ案ずるより産むが易しということで、自分は当該サイトからボランティア登録をするために「入力」を試みた。結果は……さすがに「2時間かかる」というのはオーバーで、自分の場合は15分ほどで入力作業自体はほぼ完了させることができた。
が、応募サイトの作りはハッキリ言って「ゴミ」としか言いようのないものだった。本気でひどかった。言い出せばキリがないのだが、筆者が感じた主な問題点(の一部)は以下のとおりである。
・入力前に読まなければいけない文章が多すぎて、その時点ですでに離脱したい気持ちでいっぱいになる。
・画面内に色が多すぎて目がチカチカする。
・ログイン画面がなんとなくフィッシングサイト風のデザインであるため、妙に不安になる。
・いきなり日本語ではなく英語の画面が現れ、右上でわざわざ言語を変更しないとその状態がいつまでも続くので、その時点で離脱したくなる。
・フェイスブックやLINEのアカウントを持ってない高齢者とかはどうやってログインするのだろう? との疑問が頭にうずまく。
・「国籍」を選択するだけで30秒ぐらいかかる。
・ただ誕生日を入力するためだけに、マウスを何十回もカチカチしないとならない。
・エラーメッセージの表示が本文を覆い隠してしまうため、何を言っているのかがよくわからない。
・とにかく、何がなんだかわからない(わかりにくい)。
筆者は途中で嫌気が差したため、申し訳ないが最終画面で離脱した。しかし、こういった「困難」や「理不尽」にも負けないガッツフィーリングを備えた熱い人たちが、大会では立派にボランティアを務めるのだと思うと、もちろん心強くは思う。
だが、東京オリンピックの運営主体がここまでグダグダであることを身をもって知ると(実際にこのサイトを作ったのがどんな制作会社かは知りませんが、こんなゴミ設計を許して公開するのはさすがにアカンでしょ! 税金のウルトラ無駄遣いだし)、2020年の東京オリンピックには、すでに微妙かつ濃厚な暗雲がただよいまくっているような気がしてならない……。
■東京2020大会ボランティア募集サイト
https://tokyo2020.org/jp/special/volunteer/
文=谷山 雪(ライター)
写真=いらすとや(1枚目)
出典=公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(写真2~4枚目)
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