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ホンダがEVシフトにむけて10兆円を投入! 2030年までに7モデルの「0シリーズ」が誕生する

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ホンダがEVシフトにむけて10兆円を投入! 2030年までに7モデルの「0シリーズ」が誕生する

 この記事をまとめると

◼️ホンダが定例記者会見である「2024 ビジネスアップデート」を実施

「ほらEV減速したじゃん!」と色めき立つクルマ好きはちょっと待て! EVもHVもエンジン車も正しく評価できる視点の重要性

◼️主にクルマの電動化対策とそれに対する財務戦略が発表された

◼️今後のEV開発にホンダは10兆円を出資

 ホンダがエネルギーシフトに向けた方針を表明

 2024年5月16日、本田技研工業(ホンダ)は定例となっている「2024 ビジネスアップデート」を開催した。東京・青山ビルのホンダホールにて開催された会見には、三部敏宏代表執行役社長が登壇。後半には、青山真二代表執行役副社長や、貝原典也代表執行役副社長も登壇し、今後の電動化社会に向けたホンダの取り組みや、財務戦略について説明した。

「ビジネスアップデート」と題された定例記者会見は、三部敏宏代表執行役社長の就任後は2021~2023年のいずれも4月に行われており、今回は4回目。これまでから少し時期を遅らせ、5月中旬の開催となった。

 会見では、大きく4つの項目に分けて内容が語られた。(1)ホンダが従来より掲げている電動化目標に対する考え方、そして(2)バッテリーなど調達・生産構造の改革について、(3)今後の電動車ラインアップ戦略、そして(4)財務戦略について、である。

 ホンダの電動化目標に対する考えかたについて、二輪・四輪などの小型モビリティの電動化にはピュアEVがもっとも有効なソリューションであり、2040年にグローバルでのEV/FCEVの販売比率を100%とする目標に変化はないと強調した。

 そのうえで、中長期的な視野で強いEVブランド・事業基盤を構築するため、まず2030年までに、グローバルでのEV/FCEV販売比率を40%とし、200万台以上のEVを生産する計画であると発表。その実現に向け、ホンダならではの魅力的なEVの投入、バッテリーを中心としたEVの包括的バリューチェーンの構築、それら生産技術や工場の進化を、投資判断を行いながら適切なタイミングで着実に行っていくとした。

 調達・生産構造の改革については、バッテリーを中心としたEVの垂直統合型バリューチェーンの構築により、2030年に北米で調達するバッテリーコストを現行のバッテリー比で20%以上削減。そのうえで200万台のEV生産を可能とするだけのバッテリー生産量を確保する。そして生産コスト全体では35%の削減を目指し、競争力のある事業構造を構築していくとした。

 EV開発に10兆円を投入予定

 電動車ラインアップ戦略において、ファンがもっとも期待するのは「ホンダらしいEV」の登場だろう。残念ながらHonda eは生産終了してしまったものの、次世代EVとしてグローバル展開される「Honda 0シリーズ」が控えている。

「Honda 0シリーズ」は、“Thin, Light, and Wise.(薄く、軽く、賢く)”という新たな開発アプローチにより、文字どおりゼロからの発想で創り出す、まったく新しいEVシリーズで、2030年までに小型から中大型モデルまで、全世界で7モデルが投入される。

 そのフラッグシップとなる「SALOON」は、2026年に発売予定。今年1月にアメリカ・ラスベガスで開催されたCESにおいて、「SALOON」および「SPACE-HUB」というコンセプトモデルを発表されているが、市販型SALOONはコンセプトモデルにかなり近い形で発売を予定しているという。

 日本国内市場においては、2024年秋に軽商用EV「N-VAN e:」を発売。そして2025年には、N-ONEをベースとした軽乗用EVが発売予定。そして期待したいのが、2026年に発売予定という小型EVだ。こちらは「操る楽しさを際立たせた小型EV」とのことで、ホンダファンならずとも正式発表が待ち遠しくなるモデルだ。

 そしてホンダならではのMobile Power Pack(モバイルパワーパック)を使った電動化展開として、2024年にモバイルパワーパックを2個搭載する二輪電動モビリティ、2025年度中には、同じく4個のモバイルパワーパックを搭載する超小型モビリティが日本国内市場へ投入される。

 そして、最後に語られたのが財務戦略だ。ホンダがEVの本格普及期と位置付けている2030年度までの10年間で、約10兆円の資源投入を計画。

 その内訳は、ソフトウェアディファインドモビリティ実現に向けた研究開発支出として約2兆円。アメリカ/カナダ/日本などでの、EVの包括的バリューチェーン構築に係る投資・出資など約2兆円。次世代のEV専用工場を含む生産領域、二輪電動化関連、四輪新機種開発支出、金型投資など、ものづくり関連費用として開発支出が3兆円。同じく投資や出資が3兆円となっている。

 これらの原資を創出するため、2026年から2030年度までをICEからEVへの本格的な事業転換フェーズとし、絶好調の二輪事業を中心にICE/ハイブリッド事業の体質を強化。2021~2025年度を超える、12兆円の営業キャッシュフロー創出を目指すと掲げた。その原資は電動事業・ICE/ハイブリッドおよび新領域へ投資配分するとともに、今後の株主への安定・継続的な配当を両立させるべく邁進していく。

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みんなのコメント

67件
  • ipi********
    しばらくはEVにはならないと思うのでエンジンも作っていた方が良いと思うよ。
  • あたふた
    ホンダを潰した社長として、日本人の記憶に残ることでしょう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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