『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(当時29歳)が、2019年に中古のフェラーリ360モデナを買ったことから始まった本連載も、いよいよ最終章に突入。連載終了の理由をお話しします。
壊れないんです
俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記第2部「少年探偵団編」のVol.20─三菱ランサーエボリューションIX
3年以上続いた連載が終了する理由はいくつかある。ひとつは“ネタ不足”である。
ボク自身、20年落ちのほぼ現状販売の個体だったゆえ、さまざまなトラブルに悩まされると思っていた。
が、予想に反してトラブルは想像以上に少なかった。走行に支障をきたすような重篤なトラブルはゼロ。冷却水漏れやドアロックの不調などはあったものの、走行不能に陥ることはなかった。
おそらく前オーナーは、マメに整備していたに違いない。購入後、はじめてフェラーリ横浜サービス・センターに持ち込んだときも、「大きな問題は見当たらないですね」と、お墨付きをもらった。
このとき、車検整備でタイミングベルトを交換したのも、トラブルの発生を事前に防ぐことになったのかもしれない。
いずれにせよ、オーナーとして360モデナの耐久性の高さを大いに実感した。1回ぐらい、路上で停まってしまうようなトラブルに遭遇するのでは? と、ハラハラしていたが、そんな危うい状況なんぞ、1度たりともなかった。
俗に言う「アタリの個体」だったかもしれない。それゆえ、読者には刺激的な話をあまり伝えられなかった。
でも、これが真実なのだから、2000年前後のフェラーリの購入を考えている人にとって、少しでも役立てば嬉しい。
ちなみに最初の車検整備時、当初の見積額は数百万円だった。「見積もりどおりでお願いします!」と、即答したいところだけど、ボクにはそれは叶わない。見積もりの内容について高橋忠久工場長と相談してみたら、この金額はあらゆる箇所の予防整備を施した場合で、本当に必要なところに限れば、98万円に抑えられることがわかった。
もちろん98万円はボクにとって、なかなか痛い出費だ。その一方、「だいぶケチったようだけど大丈夫かなぁ……」と、20年落ちの360モデナはボクを不安にさせた。
あれから2年以上過ぎたが、このとき整備代をケチったことに起因するトラブルはない。「これだけ整備すればとりあえずは大丈夫でしょう」という高橋工場長の言葉は、いま振り返ると間違っていなかった。
オイル交換もそうだ。走行距離と状態を見て総合判断し、12カ月定期点検時の交換を見送った。約4万5000円も掛かるのだから、「じゃ、お願いします」と簡単にはOKを出せなかった。
それでも、わが360モデナは元気に走ってくれて、翌年の車検整備のときにはちゃんと交換した。このときは「そろそろ交換しましょうか」と、高橋工場長から提案があった。
「29歳、フェラーリを買う」を、もっと読む。
I Bought A Secondhand Ferrari 360 Modena/ Installment One29歳、フェラーリを買う──Vol1. 運命の出会い熱狂的なフェラーリファンというわけではなく、スーパーカー好きでもない『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(29歳)が、ひょんなことから中古のフェラーリを購入した! はたして、勢いで買ってしまったフェラーリのある生活とは? 文・稲垣邦康(GQ)Ferrari 360 Modena Long-Term Test / Vol. 1229歳、フェラーリを買う──Vol.12 女優・夏樹陽子が語る! フェラーリの魅力とは?(前編)『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(29歳)が、ひょんなことから中古のフェラーリを購入した! 勢いで買ってしまったフェラーリのある生活とは? 今回は長年F355を所有する“フェラーリの先輩”、女優・夏樹陽子さんに話を聞いた。前編では所有車の維持などについて語る! 文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.) 撮影協力・GSTFerrari 360 Modena Long-Term Test / Vol. 2629歳、フェラーリを買う──Vol.26 車検完了! “98万円”の意味とは?『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(29歳)が、ひょんなことから中古のフェラーリを購入した! 勢いで買ってしまったフェラーリのある生活とは? 今回は、正規ディーラー車検の印象を総括する。信頼性は高い!? ただしF1マチックは……
つまり、なにが言いたいのかというと、お金をそれほど掛けなくても360モデナを維持出来たということだ。これも、高橋工場長という、いいメカニックに巡り会えたおかげだ。
トラブルが次々に発生すれば、ネタが増えて本連載も200回、300回……と、続いていたかもしれない。
しかし、トラブルが起こりそうな気配すらない。たしかに1990年代以前のフェラーリはトラブルが多かったらしい。F355オーナーの夏樹陽子さんも、初めてのフェラーリである「348」ではトラブルに悩まされたそうだ。
しかし、1990年代後半から信頼性は飛躍的に向上したようで、夏樹さんも、先日取材した工藤静香さんもF355オーナーだけれど、どちらもF355はほとんどトラブルが発生していないとおっしゃっている。
2008年発表の「カリフォルニア」や翌2009年発表の「458」以降になると、さらにトラブルは少ないようだから、フェラーリの信頼性は飛躍的に向上しているのだ。
この間、1991年に中興の祖と言っていい、ルカ・ディ・モンテゼーモロがフェラーリの社長に就任し、フェラーリの信頼性、実用性を大幅に引き上げた。F355の後継として1999年に発表さえた「360モデナ」は、モンテゼーモロの時代にゼロから開発されたV8ミドシップだから、彼の理想がつまっている。
ウェブで検索すると、360モデナのF1マチックは「クラッチがすぐに減る」「急に変速しなくなる」などのネガティブな記事が多い。おかげでボクも、街中での変速にはものすごく気をつかった。
幸いにして、ボクのモデナのF1マチックは大きなトラブルには見舞われなかった。もちろん、F1マチックのフェラーリを購入する際には状態を確認しておいた方がいいけれど、F1マチックを必要以上に怖がる必要はない。
これが、F1マチックの状態を確認しないまま購入したボクからのアドバイスである。
「29歳、フェラーリを買う」を、もっと読む。
29歳、フェラーリを買う──Vol.123 アラーム・トラブル再発!『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(29歳)が、ひょんなことから中古のフェラーリを購入した! 勢いで買ってしまったフェラーリのある生活とは? 今回は、トラブルに関する続報。Cars29歳、フェラーリを買う──Vol.118 トラブルは気まぐれ\!?『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(29歳)が、ひょんなことから中古のフェラーリを購入した! 勢いで買ってしまったフェラーリのある生活とは? 今回は、セキュリティアラームに関するお話。35年落ちスポーツカーの購入
自分で整備したらネタになったかもしれないが、複雑極まりないフェラーリのエンジンを整備するのは至難の技だ。素人がおいそれと手を出せるものではないし、フェラーリ横浜サービス・センターからも「分解は出来ると思いますが、元に戻せなくなると思いますよ」と止められた。
そもそも、クルマを整備出来るような駐車場での保管ではないし、近くにそういったレンタル・ガレージもなかったので、自ら愛車をイジることは諦めた。せっかくのフェラーリを実験台にするなんて勿体無いし。
そんな事情もあって、連載は終了する。むしろ、150回も続けた結果、信頼性の高さを伝えられた。そのことに、ボク自身、1番驚いている。
もうひとつの理由は、クルマを増車したのである。35年落ちの古いふたり乗りのスポーカーだ。ふたり乗りのスポーツカー2台生活をこれから始める。
35年落ちの方は納車後にすぐ、マフラーから盛大に白煙をふいてしまい工場に戻ってしまった。警告灯がいくつも点いては消えたりするなど、360モデナとは比べようがないほど、信頼性が低い……。
フェラーリのある生活について述べているだけでは書ききれない。だから、本連載は一旦終了させてもらうことにしたのです。
本連載は残すところ、あと3回。まだまだ続きます。
『29歳、フェラーリを買う』直近記事
Vol.146 心を痛めたコメントについて
Vol.145 連載、終わります
Vol.144 クルマ、買っちゃう!?
Vol.143お久しぶりね
Vol.142 出会いと別れ
Vol.141トラブルの意外な原因
Vol.140 久しぶりのトラブル!?
Vol.139 買い換えるとしたら……
Vol.138 フェラーリのフラッグ
Vol.137 乗るまではちょっと大変
Vol.136 “3年目”も頑張ります
Vol.135 平和な1年でした
Vol.134 フェラーリの運転は大変か
Vol.133 超久しぶりのドライブ
Vol.132 アルミテープで走りは変わる!?
Vol.131 愛車遍歴~アウディ&スマート編
Vol.130 愛車遍歴~BMW編
Vol.129 スーパーカーの売買事情
Vol.128 その360モデナ、譲ってくれませんか?
Vol.127 若者とクルマと濱尾ノリタカ:後編
Vol.126 若者とクルマと濱尾ノリタカ:前編
Vol.125 縦列駐車は大変!
Vol.124 トラブル完治までの道のりは長い!
Vol.122 駐車は大変!
Vol.121 フェラーリと維持費
Vol.120 小さなトラブルは気にしない、気にしない
Vol.119 スーパーカーと音
Vol.118 トラブルは気まぐれ!?
Vol.117 自動車保険の見直し
Vol.116 車検整備完了
Vol.115 危機一髪! ガソリン漏れの結末
Vol.114 車検整備スタート
Vol.113 要整備箇所発見!
Vol.112 いざ2回目の車検へ!
Vol.111 等級ダウンでフェラーリの自動車保険はどうなる!?
Vol.110 フェラーリ・クラシケのブックレット
Vol.109 フェラーリ・クラシケの鑑定書に感動!
Vol.108 フェラーリ・クラシケ取得出来ました!
Vol.107 まもなく車検!
Vol.106 税金と保険
Vol.105 新型ポルトフィーノMに憧れる
Vol.104 冷たい風が欲しい!
Vol.103 トラブルは気まぐれ
Vol.102 トラブルかも!?
Vol.101 女優・夏樹陽子さんとの再会(後編)
Vol.100 女優・夏樹陽子さんとの再会(前編)
Vol.99 施工するのはどこ!?
Vol.98 “SPPF”に注目!
Vol.97 愛車を守りたい!
Vol.96 春なのに
Vol.95 事故の決算書
Vol.94 保険協定の結果
Vol.93 修理金額判明
Vol.92 事故の続きと驚きの方向へ
Vol.91 愛車をぶつけました
Vol.90 UVERworld・真太郎さんとの出会い(後編)
Vol.89 UVERworld・真太郎さんとの出会い(前編)
Vol.88 フェラーリ・クラシケ取得は簡単に進まない!?
Vol.87 458スパイダーとの偶然の出会い
Vol.86 フェラーリの実燃費 Part.2
Vol.85 新型ポルトフィーノMも良いではないか!
Vol.84 ローマに乗る
Vol.83 2020年を振り返る
Vol.82 人生初のツーリングに参加
Vol.81 あるべき“穴”がない!
Vol.80 クラシケ取得費用に納得
Vol.79 スーパーカーとソーシャルメディア
Vol.78 愛車をイベントに展示しました(後編)
Vol.77 愛車をイベントに展示しました(中編)
Vol.76 愛車をイベントに展示しました(前編)
Vol.75 フェラーリ・クラシケを取得するぞ! その5
Vol.74 フェラーリ・クラシケを取得するぞ! その4
Vol.73 この夏、愛車に乗れませんでした
Vol.72 オウナーとの交流
Vol.71 フェラーリ・クラシケを取得するぞ! その3
Vol.70 フェラーリ・クラシケを取得するぞ! その2
Vol.69 フェラーリ・クラシケを取得するぞ! その1
Vol.68 トラブル発生!
Vol.67 ドライブレコーダーの装着
Vol.66 自動車保険の現実(後編)
Vol.65 自動車保険の現実(前編)
Vol.64 フェラーリのオフィス・チェア
Vol.63 F8トリブートのオウナーに会う!
Vol.62 トラブル発生!?
Vol.61 純正サスペンションを紛失!?
Vol.60 612スカリエッティのオウナーに会う
Vol.59 認定中古車で迷う(後編)
Vol.58 認定中古車で迷う(前編)
Vol.57 フェラーリ・オウナー専用のスマホ・アプリとは?
Vol.56 新車フェラーリの購入はいかに
Vol.55 いざ、新車フェラーリの商談へ!
Vol.54 ローマの購入を真剣に考える
Vol.53 1カ月半ぶりのドライブへ(後編)
Vol.52 1カ月半ぶりのドライブへ(前編)
Vol.51 月々2万円でフェラーリに乗れる!?
Vol.50 気になる車両価格と連載50回目
Vol.49 カスタマイズ費用の総額
Vol.48 ちょっと古いフェラーリのランニングコスト
Vol.47 愛車にしばらく乗りません!
Vol.46 外出自粛の今、愛車を楽しむ方法とは?
Vol.45 新型コロナウイルス問題でフェラーリの新車販売はどうなる!?
Vol.44 フェラーリでスキーに連れてって!
Vol.43 ドアがロックされない!後編
Vol.42 ドアがロックされない!前編
Vol.41 トラブル発生! ドアが開かない!?
Vol.40 超有名漫画家が360モデナを描き下ろす!
Vol.39 新車フェラーリを購入!?
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
マツダ「“5人乗り”軽トラ!?」公開! 「4人も寝られる」全長3.7m級ボディに「驚き」の声も! 「AZ-MAXラクーンツー」登場に反響集まる
スバル新型「“すごい”4ドアセダン」公開に反響多数! 約680馬力の2リッター「水平対向4気筒ターボ」に「スゴイ技術」「走りが気になる」の声も! 漆黒の最速マシン「プロジェクト ミッドナイト」米国で登場
スズキ新型「コンパクトSUV」いつ登場? MTあり&全長4m以下の「カクカクボディ」が超カッコイイ! 注目の「“5ドア”ジムニー」導入どうなる!?
全長2.2m級で3人乗れる! 59万円からの「小型マシン」に反響あり! 普通免許&ノーヘルでも乗れる新型「トライク」どんなモデル?
街に溢れる「マツダ車」の“1番人気”ってなに? 「流麗SUV」や10年続く“ロングセラーモデル”も! 爆売れの「マツダ車」トップ3とは?
メリットなかった!? トヨタもホンダも「アイドリングストップ機能」廃止へ! 「使いにくい」の声も! どんな反響があった?
原付二種の教習が最短2日に!それでも実際の免許取得には最低4日かかるって本当?
「ウインカー」出す意味知ってますか? 適切なのは「直前? 3秒前? 30m前?」道交法的に正しいのはどれ? 出さない人は免許返納を!
「左足ブレーキ」の是非を問う!…AT車普及率98%の日本なら、なおさら「踏み間違い」による事故を減らすことができます【Key’s note】
ホンダ「“ド迫力”コンパクトSUV!?」初公開! ローダウン×「真っ白」エアロが超カッコイイ! クールの「“シャコタン”WR-V」発表
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
よくもこんな駄文が書けたもんだな