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【2022年の人気2番手予想】アウディQ4 eトロン(1) 長期テスト ブランドへの期待

掲載 更新 1
【2022年の人気2番手予想】アウディQ4 eトロン(1) 長期テスト ブランドへの期待

初回 2022年にはA3に次ぐ人気モデルへ

執筆:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)

【画像】ファミリー・クロスオーバー アウディQ4 eトロン 兄弟モデルのVW ID.4も 全61枚

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


近い将来、内燃エンジン車より電気自動車が多く売れる日がやってくる。英国で3番目に売れているブランドの2番人気のクルマが、約500km走れる電動コンパクト・クロスオーバーになるだろうという事実。その日の到来は、意外に早いかもしれない。

2022年には、最新のアウディQ4 eトロンはA3に次ぐ人気モデルになるだろうと英国では予想されている。A1やA4、Q2やQ5というモデルを差し置いて、純EVのクロスオーバーが上位に食い込んでくるというわけだ。

Q4 eトロンは、大きなクロスオーバーのeトロンや、サルーンのeトロンGTに続いて登場した、アウディとしては3番目の電気自動車。内燃エンジンを搭載したモデルは、2032年以降販売しないという目標が現実味を帯びてきた。

eトロンやeトロンGTとは異なり、Q4 eトロンは、アウディのAやQという頭文字を用いたモデル名ルールに則っている。4という数字が示すとおり、ボディサイズはよりSUV的なボディを持つQ3に近い。

AUTOCARでは何度か試乗しているからQ4 eトロンをご存知かもしれないが、これは純EV専用モデル。PHEVなどはラインナップされない。

長期テスト車としてやってきたのは、英国ではミドルグレードになる40。最高出力203psを発揮する駆動用モーターをリアに搭載し、実容量77kWhの駆動用バッテリーで、508kmの航続距離を得ている。アウディなのに後輪駆動だ。

アウディとしての差別化に課題

英国のエントリーグレードとなるのが、35。駆動用モーターの最高出力は170psになり、駆動用バッテリーも52kWhへ小さくなる。トップグレードが50で、バッテリー容量も大きくなり、駆動用モーターも前後に2基搭載する。

システム総合での最高出力は299ps。アウディらしく四輪駆動だ。

トリムグレードはスポーツを選んだ。Sラインやフォアシュプルングより下だが、装備に不足はない。

19インチのアルミホイールにスポーツシート、3ゾーン・エアコン、MMIインフォテインメント・システムと10.1インチのタッチモニター、モニター式のメーターパネルなどが備わる。

スポーツのQ4 eトロン 40の英国価格は4万4990ポンド(683万円)から。長期テスト車にはオプションが満載で、5万ポンド(760万円)を超えている。

その内容は、ナバラブルー・メタリック塗装にマトリックスLEDヘッドライト、テクノロジー・パッケージ、20インチの5スポーク・ホイールなど。総額は5万2685ポンド(800万円)となった。

フォード・マスタング・マッハEやフォルクスワーゲンID.4など、ライバル関係にある純EVのクロスオーバーと比較して、1万ポンド(152万円)は高い。

アウディQ4 eトロンは、MEBと呼ばれる純EV専用のプラットフォームを採用している。フォルクスワーゲン・グループで共有されるもので、これまでの試乗では、アウディとしての差別化に課題が残ると感じている。

洗練され実用的で、電費効率も良い

Q4 eトロンの走りは洗練され、実用的で電費効率も良い。同時にデザインやプロポーション、インテリアの品質などは、アウディへ期待するものとまではいえないだろう。

フォルクスワーゲンID.4なら、気になることはない。だがアウディの場合、プレミアム・ブランドとして高めの価格設定には、相応の内容も求められる。

これまで、ほかと異なる上級志向な雰囲気を放ち、優れた品質と内容で多くのユーザーに訴求してきたことは事実。その結果、販売台数も効果的に増やしてきた。Q4 eトロンは、プレミアム・バブルをさらに膨らませることはできるだろうか。

もっとも、アウディに限らずメルセデス・ベンツやBMWなども英国では主流ブランド化し、販売台数もかなり多い。その時点で、プレミアムという定義が難しいのかもしれないけれど。

今回の長期テストでは、短時間の試乗では感じにくい、表面的ではない高品質が生む深い魅力について探ってみたいと思う。

車内の第一印象はツヤツヤの大きなモニターへ目が奪われがちだが、少し落ち着いて眺めると、少々プラスティック感が目立つ部分も多い様子。走り出せばアウディへの期待通り、静かで洗練されたファミリー・クロスオーバーだ。

ドライバーの気持ちを掻き立てるような、ホットな雰囲気はない。落ち着きがあり、快適に移動できる。

初めての純EVでも不安感なく運転できる

航続距離も純EVでは課題の1つ。寒い季節が来た時にどう変化するのか、確かめてみたい。少なくとも今の気候なら、480kmは余裕で走れるようだ。

Q4 eトロンは、リラックスして運転できる。初めての純EVでも、不安感なく運転できるのではないかと思う。内燃エンジンからの乗り換えを、スムーズにしてくれるだろう。

アウディの純EVとして、特別な印象は長く続くだろうか。競合モデルと比較して、高めの価格を正当化する内容は備えているだろうか。手頃なフォルクスワーゲンID.4とは、兄弟関係にある。

これからの数カ月間で、明らかにしていきたいと思う。

セカンドオピニオン

アウディは、技術による進歩を掲げてきたブランドであり、力強いデザインで多くのファンを獲得してきたブランドでもある。新しいQ4 eトロンは、そのイメージへ上手にフィットできていないように感じる。

アウディは洗練され、実用的なクルマ以上のものを作る必要があったと思う。独自性を高めるために。長期テストでどんな発見があるのか興味深い。 Matt Saunders(マット・ソーンダース)

テストデータ

テスト車について

モデル名:アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)
新車価格:4万4990ポンド(683万円)
テスト車の価格:5万2685ポンド(800万円)

オプション装備

テクノロジー・パッケージ:1200ポンド(18万2000円)
マトリックスLEDヘッドライト:1075ポンド(16万3000円)
アシスタンスパッケージ・プラス:1000ポンド(15万2000円)
ダンピングコントロール・サスペンション:950ポンド(14万4000円)
20インチ5スポーク・グラファイト・アルミホイール:660ポンド(10万円)
セーフティパッケージ・プラス:650ポンド(9万9000円)

ナバラブルー・メタリック塗装:575ポンド(8万7000円)
プライバシーガラス:375ポンド(5万7000円)
ファンクション・パッケージ:325ポンド(4万9000円)
パドル付きツインスポーク・ステアリングホイール:285ポンド(4万3000円)
アンビエントライト・パッケージ:250ポンド(3万8000円)
アルミニウム・トリム:225ポンド(3万4000円)
フロントドア・アコースティック・ガラス:215ポンド(3万2000円)

テストの記録

航続距離:482km
故障:なし
出費:なし

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みんなのコメント

1件
  • 内装の質感頑張って欲しいけどな。最近のモデルの内装にはガッカリさせられる。
    Q4イートロンはVWの工場で作ってるんですですよね?
    尚更、差別化に注力して欲しい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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