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LMP2ですでに300周走行。「琢磨さんのように」IMSAテスト参加発表の太田格之進、アメリカへの強い憧れ

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LMP2ですでに300周走行。「琢磨さんのように」IMSAテスト参加発表の太田格之進、アメリカへの強い憧れ

 11月15~17日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われるIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの公式テストに参加することが発表された太田格之進。すでにSNSではアメリカでシミュレーターテストにも参加していることが明らかになっているなか、このテスト参加に対する想いと、そして今後の展開などについて聞いた。

 今シーズンはスーパーGTでAstemo CIVIC TYPE R-GTを塚越広大と組んでドライブし、スーパーフォーミュラではDOCOMO TEAM DANDELION RACINGから参戦している太田。さらに今季はスーパー耐久のST-Xクラスにも第2戦からエントリーし、海外の舞台で活躍しているクラフトバンブー・レーシングの一員として今季2勝を挙げる活躍を見せている。

テスト参加の太田格之進にIMSA参戦の可能性は? シリーズとアキュラの現状をおさらい&妄想

⚫︎「佐藤琢磨さんのようにアメリカのレースに出たい」太田格之進の強いアメリカ志向

 改めて、テスト参加が決まったことについて「楽しみですね!」を見せる太田。以前から海外のレースに挑戦したいと公言していたなか、IMSAのLMDhマシン、アキュラARX-06をテストドライブする話が舞い込んできた。

「僕はずっと海外志向がありましたし、ヨーロッパでレースをしたこともあるので、ずっと『海外でやりたい』という気持ちをホンダさんにも伝えていました。そのチャンスがいつ来てもいいように、今年は(スーパー耐久で)クラフトバンブーに入って準備はしてきたつもりです」

「正直に言うと、こんなに早いタイミングで海外に挑戦させてもらえるとは思ってなかったので本当に驚きました」

 海外にはさまざまなカテゴリーがあるなかで「今のHRCの活動で海外に挑戦するのではあれば、現実的な選択肢としてアメリカを大きな目標としておいていました」と太田。現在、HRCのエグゼクティブアドバイザーを務める佐藤琢磨が2度に渡りインディ500優勝(2017、2020)を果たしたのが、きっかけのひとつになっているという。

「どのスポーツイベントを見てもアメリカの盛り上がりって凄いなと思いますが、その中で琢磨さんが2017年にインディ500で優勝して、盛り上がっている様子を映像を見た時も『凄いな!』と思いました。あのシーンは誰の脳裏にも焼き付いているじゃないですか」

「レースに限らず、アメリカでスポーツをやるということに対しての土壌と、ドライバーに対しての名誉的な部分とかエンターテイメント的な部分が、外から見ているだけでも凄いエネルギーを感じるものがあって、そう言うところに惹かれています」

「ヨーロッパのレース界は伝統的な部分の割合が大きいのかなと。アメリカも文化とか伝統を大事にしていますけど、その中にアメリカ特有のエンターテイメント性の強さというか、爆発的なエネルギーを感じるところがあります。映像もそうですし、琢磨さんから話を聞いてもそう感じていたので、そういうところでレースをしたいなと思います」

 今回のテスト参加についても佐藤エグゼクティブアドバイザーに相談をしたとのこと。まずはアメリカでもっとも経験を積んでいる人に話を聞くのが一番だと思って、琢磨さんにいろいろ教えてもらいました」と太田。

 あくまで現時点で決まっているのは公式テストの参加のみということだが「もし、将来的にアメリカのレースに出れることになったら、琢磨さんがアメリカで作った日本人ドライバーのプライドみたいな部分は、しっかりと継いでいきたいなと思います」と、将来の目標を語った。

⚫︎毎週、日本とアメリカを行き来した10月「すごくタフだった」

 すでにHRCの公式Xで太田がインディアナポリスの施設でシミュレーターに乗っているところや現地スタッフと仕事をしているシーンがSNSで公開されているが、10月は彼が参戦する国内3カテゴリーが連続で行われるスケジュールだった。

 実はその合間を縫って渡米し、準備を進めていたという。

「スーパーフォーミュラ第6・7戦富士(10月12~13日)が終わった日の夜の便でインディアナポリスに行って、(現地時間の)月曜朝6時半に着いて、現地のメンバーと顔合わせが終わったら、すぐに9時からシミュレーターに乗っていました」と太田。2日間のシミュレータープログラムを終え、16日(水)に現地を出発して木曜日に帰国。そのまま九州へ向かって週末のスーパーGT第7戦オートポリスを戦ったという。

 そのレースでは残念ながらアクシデントによりリタイアとなったが、その夜には再びアメリカへ出発。今度はLMDhのベースシャシーとなっているLMP2車両での、実車走行に臨んだという。

「月曜が休みで、火曜・水曜でLMP2の実車に乗りました。インディアナポリスの近くにあるプライベートコースみたいなところで……合計300周やりましたね」とのこと。テスト終了後すぐに帰国の途につき、25日(金)の夜に岡山入り。そのまま週末はスーパー耐久第6戦(10月27日決勝)を戦った。

 アメリカに行くスケジュールはここで一旦終了となるが、スーパー耐久後も慌ただしいスケジュールが続き、28日(月)には栃木のHRC Sakuraでシミュレーターに乗り、29日(火)はチームのスポンサーであるAstemoの会社訪問と、自宅で過ごす時間がほとんどないような10月だったという。

 いずれにしても海外挑戦の目標を叶えるためとはいえ「人生で一番大変だったかなと思うくらい……10月は本当にシビれましたね」と太田は苦笑いをみせていた。

 現段階ではシミュレーターのみではあるが、LMDhマシンをドライブした感想について「ひと言で言うと、今までにやったことのないレベルのマルチタスクをやっている感じですね」と太田。特にステアリングのスイッチ操作の複雑さに驚いた様子だ。

「本当に『やることが多すぎるな』と思いました。それだけ走りながらいろんなものを変えられるので、ただ速く走るだけでなくて、そういった操作にも慣れないといけないですし、マネジメントも必要になってきます」

「事前にステアリングのボタン操作に関するマニュアルを覚えていって、シミュレーターで走っている時に無線で指示が飛んでくるんですけど、たまに『それって、どのボタンやったっけ?』となってステアリングを覗き込んでしまうくらい……本当に触るところが多すぎるなという印象です」

 最初はスイッチ操作に苦労したようだが「みっちりと2日間シミュレーターに乗ったので、だいぶ慣れることができました。まぁ大変だなと思いました」と太田。

 公式テストに向けては「今回のテストではしっかりとミスなくやりたいです」と意気込みを披露していた。

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