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AE86トレノを自らイジり、「昭和の走り屋スタイル」を貫く27歳の愛車物語

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AE86トレノを自らイジり、「昭和の走り屋スタイル」を貫く27歳の愛車物語

近年、人気の高まりが著しい日本の絶版スポーツカーたち。今回紹介するAE86もそのうちの1台だ。そんな背景もあって、最近はあえてノーマルに戻すなど、AE86をきれいに乗る人が増えている。しかし、今回紹介するマロンブックさんは、かつてのAE86らしく、サーキットでのグリップ走行に、ドリフト走行にと、あらゆるステージでAE86を楽しんでいる20代のオーナーなのだ。

オーナー:マロンブックさん(27歳)
車両:トヨタ スプリンタートレノ 3ドアハッチバック GT-APEX
年式:1986年式(昭和61年式)
在住:愛知県
走行距離:21万キロ(取材時)

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〇:電子制御がないため運転技能の基本をクルマが教えてくれる
×:ドリフト時にターボ車と比べるとパワー不足を感じる

■父がAE86に乗っていた

若い方がAE86に乗っているとなると、漫画やアニメの影響だったりと思いがちだが、マロンブックさんとAE86との出会いはもっと身近なところにあったそうだ。

「父がAE86に昔から乗っていたんです。父が乗っていたのは3ドアハッチバックのレビンで、後期型だったと思います。物心ついた時にはすでにあったので、自分にとってAE86はあって当たり前の存在でした。ですので将来免許を取ったら、自分もAE86を運転するんだ!と思ってましたね。でも小学校4年生のころ、エンジンブローを機に父はAE86を手放してしまったんです。小さいころからの“当たり前”が消えてしまったので、寂しさがありました」

この小学生の時のAE86との別れが、大人になったらAE86を運転するという思いをより強くさせたそうだ。

免許を取得し、AE86を探し始めたマロンブックさん。いろいろな中古車をチェックしていて、発見したのが現在の愛車。ネットオークションで、走行12万4000kmの個体を70万円で購入したとのこと。昨年、足となるクルマを購入したが、それまではずっとこのAE86一筋。初めての愛車をずっと所有しているわけである。

■メンテナンスは基本的に自身で行う

購入後、細かな仕様変更やメンテナンスは自身で行っており、大きな仕様変更はしていないとのこと。現在搭載するエンジンはカローラレビン/スプリンタートレノの最終型(1995~2000年)であるAE111に搭載されていた20バルブの4A-GEだが、このエンジンは購入当初から搭載されていたとのこと。

今でこそ、このAE86に乗り、サーキットであらゆるスポーツ走行を楽しんでいるマロンブックさんだが、当初はサーキットを走っていなかった。

「最初の2年間はメンテナンスに明け暮れていましたね。買ってすぐに、オイルは食うし、それを直したら、次は抜け抜けのダンパーを交換して…そんな感じでまずはしっかりと走れるようにメンテナンスをしていきました。そしてワインディングでのドライブを楽しむようになって、サーキットへ初めて行ったのは購入して2年くらいが経過した時でした」

メンテナンスの中には、失敗談も。例えば、デフのバッククラッシュ調整がうまくいかずデフブローしたり、SST(特殊工具)であるリングナットレンチを使わずにショックをバラしたら上手く組付けができず、走行してみると大きな振動が起きたり…。しかし、そんな失敗があったからこそ、いろいろな整備の経験や知識を身につけることができたと前向きに語るマロンブックさん。AE86 を自分でイジり、そして惜しげもなく走り回る。マロンブックさんはまさに昭和の走り屋のスタイルを令和でも貫いている若者なのだ。

そんなマロンブックさん、エンジンのオーバーホールまで手掛けている。走行17万kmの時だったそうだが、さすがに自分一人で、というわけにはいかず、先輩に教えてもらいながら行ったとのこと。「先輩に教わって」というところも何だか昔の走り屋らしい。このオーバーホールをキッカケに、エンジンは若干仕様を変更。バランス取りをし、圧縮比を高めるハイコンプピストンを導入したそうだ。

■街乗りから国際サーキットまでこれ1台

マロンブックさんのメインステージは鈴鹿サーキット。フルコースで2分35秒を切るというから、AE86のポテンシャルはもちろんマロンブックさんのドラテクにも驚かされる。サーキットを走るためにラジエーターのカロリーアップやオイルクーラーの追加、ブレーキの大型化(ホンダ モビリオのキャリパーとFC3S・RX-7用ローターの組み合わせ)などを実施したという。

また、現在でこそ昨年購入した足グルマがあるものの、それまではこのAE86 1台で街乗りからサーキット、遠方の実家への帰省をこなしていたマロンブックさん。さらに「オーディオは大切」と語っていて、ナビゲーションシステムにアンプを組み合わせた現代的な室内のエンタテイメントシステムを構築していた。

ちなみに、ドリフトは約4年前から開始。当初はグリップ走行でのコントロールの幅を広げるためだったが、ハマってしまって今ではドリフトの比重が増えているとのこと。

これからもAE86と共に、サーキット走行を楽しんでいきたいと語っていたマロンブックさん。メンテナンスを継続しつつ、もう少しドリフトがしやすいように足まわりの仕様を変えていきたいと意欲的。

これからもAE86らしく元気に走り回ってほしい、そう感じるオーナーとその愛車だった。

〈文と写真=西川昇吾〉

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みんなのコメント

23件
  • 古い車でも盆栽にせず走り倒しているのが良いですね。
    壊れたら直せば良いんですもん、バンバン走ってあげましょう。
  • AE86レビン、発売3ヶ月後に購入。当時ノーマルは「できの悪いFR」と呼ばれていたことを知っている人はもうあまりいないのかな。最低の足回りでした。ただ、ショックアブソーバーとストラットタワーバーを入れただけで全く違う車に生まれ変わった。当時はジムカーナしていたが今となっては懐かしい。
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