■着々と制作が進んでいる「NEO SKYLINE」とは
毎年、見る人に驚きを与えるカスタムカーを制作している日産京都自動車大学校のカスタマイズ科。
最近でも「東京オートサロン2025」に向けて、新たなカスタムカーを制作しています。
そのうちの1台が「NEO SKYLINE」と言いますが、どのような特徴があるのでしょうか。
【画像】「えっ…!」これが「次世代ケンメリ」です。(67枚)
日本のクルマ文化のひとつに、カスタムやチューニングといったものがあります。現在でも毎年1月に「東京オートサロン」、2月に「大阪オートメッセ」が開催され、様々なカスタムカーやチューニングカーが展示されます。
近年では、自動車メーカーも自社のスポーツカーやスポーツ仕様、カスタムカーなどをお披露目することから一段と注目されています。
そうしたなかで、未来の自動車業界を担う学生が手掛けたカスタムカーも存在します。
東京オートサロンや大阪オートメッセには、様々な自動車専門学校が出展していますが、毎年メーカー系で出展しているのが日産・自動車大学校です。
日産は全国で自動車専門学校を展開しており、栃木校・横浜校・愛知校・京都校・愛媛校が存在します。
とくに京都校のカスタマイズ科は、毎年注目のカスタムカーを展示しており、過去にはムラーノをベースにした「シーマSUV」や「フェアレディZ SUV」などを披露。
また次期エルグランドが期待される中でエルグランドをベースにエクストレイル顔を融合させたカスタムカーも。
こうした様々なカスタムカーがお披露目されてきた中で、東京オートサロン2025に向けたカスタムカーの制作発表が2024年5月29日に行われました。
今回、製作するのは「スカイライン(V35)」をベースに日産の往年の名車「ケンメリ」風に仕上げた「NEO SKYLINE」と名付けられたモデル。
もう1台は、「ステージア(M35)」をベースに「フェアレディZ」風に仕上げる「Z Lealia」というモデルです。
NEO SKYLINEのキャッチコピーは「あたらしい~魂~」だと言います。
企画のきっかけは、クルマが大好きでデザインを書き溜め、人前で話すのが大の苦手だった学生が勇気を出して提案したものが採用されたもの。
名前の「NEO」は、ギリシャ語で“新しい”や“復活”という意味がありますが、今回制作を担当する学生達は「N・E・O」にそれぞれ意味を持たせていると言います。
まずNは「Nostalgic(懐かしい)」という意味を持たせており、これは50代の人々が幼少期の頃にケンメリを見かけていた当時の懐かしさから付けてたようです。
次にEは「Ecstasy(夢中)」となり、40代の人々がツーリングカーならではの快適性を活かして普段使いでも楽しめる、夢中になれるという部分から。
最後のOは「Original(独創的)」だといい、30代の人々から見た、ケンメリのデザインが今の車には無く、斬新さがあることから付けられました。
こうしたそれぞれの文字にも意味を持たせることで、NEO SKYLINEという名前が「次世代のケンメリ」としてふさわしいものと言えそうです。
なお制作に関しては、国産旧車を得意とするRocky Autoがカスタムしていく造形についてアドバイスを行っています。
そんなNEO SKYLINEの制作について、担当する学生は次のように説明しています。
「NEO SKYLINEのフードは、平坦な形をしていますが、実は型から新規造形をしています。
ケンメリの特徴の1つでもあるフロント部分。それを再現するには、基準となるフードを製作しなくてはなりません。
ですが、V35スカイラインクーペの奥行きも幅も長いエンジンルームをカバーするフードとなると、既製品で探すのは難しく、木型から製作することになりました。
剛性を高めるため、プレスラインの造形に力を入れ、どこまで出すか試行錯誤を重ねました。
そして、製品の完成度を高めるため、FRPで雄型を製作してから製品となる雌型をFRPで製作しました。
慣れないFRP製作で失敗しながらも作り上げた自信作です。
当たり前ですが、ケンメリとV35スカイラインクーペは、サイズが違います。
V35にケンメリの皮を被るとバランスが崩れますし、オマージュとも言えません。
そのためフロントフェンダーの先端は、丸みのある造形にし、コンセプトに沿ったデザインにします」
※ ※ ※
このように細部までこだわっているNEO SKYLINE。さらにこだわりには見た目だけではなく、内装にも注目でシートカバーや内装関係を手がけているメーカーの協賛を得ながら、検討していくと言います。
なおNEO SKYLINEの制作過程は、同カスタマイズ科のSNSで見ることが出来ます。
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