現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > BMW、次世代EV世界初公開 「これまでにないBMW」目指したノイエ・クラッセの姿 IAAモビリティ2023

ここから本文です

BMW、次世代EV世界初公開 「これまでにないBMW」目指したノイエ・クラッセの姿 IAAモビリティ2023

掲載 6
BMW、次世代EV世界初公開 「これまでにないBMW」目指したノイエ・クラッセの姿 IAAモビリティ2023

次世代EVのデザイン予告 まったく新しい製品群へ

BMWは9月2日、ドイツ・ミュンヘンで開幕の国際モーターショー「IAAモビリティ2023」において、次世代EVコンセプト「ビジョン・ノイエ・クラッセ(Vision Neue Klasse)」を発表した。

【画像】これが未来のBMW 3シリーズに?【どう変わる?BMWビジョン・ノイエ・クラッセを現行世代3シリーズと写真で比較】 全55枚

ビジョン・ノイエ・クラッセは、電動化時代におけるBMWの内外装デザインの方向性や、先進的なドライブトレイン技術の導入を予告するものである。BMWは2023年末までに各主要市場セグメントでEVを投入し、2025年までに世界販売台数の4分の1以上、その翌年には3分の1をEVとすることを目指している。

BMWは現在SUVやセダンの電動モデルを展開しているが、これからは新しい先鋭的なファミリーの立ち上げに焦点を移そうとしている。今回のコンセプトカーは、1960年代に同社が発売した高級セダンおよびクーペのブランド名「ノイエ・クラッセ(Vision Neue Klasse)」にちなんで命名された。英語表記では「New Class」、つまり「新しいクラス」の誕生を告げるものだ。

BMWは、今後2年間で6車種のノイエ・クラッセEVを発売する予定だが、ターゲットとするセグメントが多岐にわたるため、全車種が同じプラットフォームをベースとするわけではない。同社のオリバー・ジプセCEOは「SUVからセダンまで、すべてのお客様に提供します」と宣言した。

その第1弾は、テスラ・モデル3やヒョンデ・アイオニックニク6の直接的なライバルとなる、3シリーズと同サイズのセダンになるという。ジプセCEOは、ビジョン・ノイエ・クラッセは市販車を直接予告するものではないと述べているが、大きな影響を与えていることは間違いない。

これまでに経験したことのないようなBMW

ノイエ・クラッセは、BMWの現在のEVとはほとんど無関係である。これまでに確立された特徴を取り去り、新時代のために再解釈したまったく新しいデザイン処理によって、技術革命を示している。

ジプセCEOはノイエ・クラッセの登場を、自動車開発へのまったく新しいアプローチにほかならないと表現している。「モビリティとは、自由、自己決定、経済的繁栄のためのポジティブな要素です。人々は進歩を望んでいますが、そこにはマイナス面もあることを認識しています」

「あらゆる影響が残した足跡は、解決されなければなりません。それを重荷と考える人もいるかもしれませんが、わたしは最大のチャンスだと考えています。イノベーションはモビリティをより持続可能なものにし、それこそがBMWに明るい未来をもたらすのです」

ジプセCEOは、ノイエ・クラッセは「これまで経験したことのないようなBMW」になるとし、「BMWは自分たちのルーツから遠ざかるつもりはありませんが、過去のしがらみから解放されました。わたし達は一歩を踏み出す勇気を持ったのです」と述べている。

BMWのデザインは印象的であると同時にある程度偏向的でなければならない、という信念を公言するデザインディレクターのドマゴイ・ドゥケック氏は、このアプローチの変化は同社にとって大きな変革をもたらすと述べている。「ノイエ・クラッセの発表により、BMWブランドはこれまでとは異なるブランドになると信じています。ノイエ・クラッセは多くのことをこれまでと異なる方法で行いますが、いくつかのことは変わらないということをお約束します」

シンプルで「モノリシック」なボディ造形

ビジョン・ノイエ・クラッセは、BMWが今年初めにラスベガスのCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で発表したコンセプトカー「iヴィジョンDee(i Vision Dee)」の進化版であることは明らかで、その鋭角的なシルエット(ドゥケック氏は、完全な3ボックスではなく2.5ボックスと呼んでいる)を生かしつつ広範囲に及ぶリファインが施されており、より市販車に近いものとなった。

BMWはこのデザインを「クリア、エレガント、タイムレス」と称している。横方向に広がったキドニーグリル、拡大されたサイドウィンドウ、スリムなLEDライト、現行車よりも「サーフェスとディテールがはるかにクリーン」とされる「モノリシック」なシルエットなどが、市販のノイエ・クラッセEV群の特徴になるであろう。

フレッシュで未来的な印象を形成するだけでなく、従来よりもシンプルな金型と少ない部品で製造できるようになるかもしれない。

「単一のインタラクションエリア」と表現されるフロントエンドは、ユーザーがクルマに近づくとヘッドライトにアニメーションを表示する。ドゥケック氏は「近年、光はわたし達のアイデンティティを強化するのに役立っています」と説明。BMWは「クロームを光に置き換えたい」と付け加えた。

一方、グリルには運転支援システム用のカメラやセンサーを搭載するが、それらは不透明なパネルの背後に隠されるためすっきりとした外観となっている。このグリルはまた、充電状況に関する通知や方向指示器を表示する可能性も示唆されている。同様に、ライトクラスターは走行モードに応じて色やデザインを切り替えることができる。

注目すべきは、BMWの世界販売においてSUVが大きな割合を占める中で、今回あえてセダンスタイルを選んだことである。ドゥケック氏によると、これは「フラットで車高の低いクルマ、特にセダンにはまだ未来がある」と考えているからだという。1960年代のオリジナルのノイエ・クラッセとの関連性も強い。「1960年代のノイエ・クラッセのシルエットには理由がありました。ファストバックは速く見えるからです」

ドゥケック氏はまた、伝説的なE30世代3シリーズが最新コンセプトのデザインに与えた影響を認めている。「わたし達は(セダンを)非常にエモーショナルなものにするというエッセンスを取り入れたいと考えています。E30はスポーツカーではありませんでしたが、ある種のシンプルさを提供し、エレガントなクルマを求める人々の欲求を満たすと同時に、ダイナミズムを求める人々の欲求も満たしていた。わたし達がこのクルマ(ビジョン・ノイエ・クラッセ)で表現したいのはこのことです」

プラットフォームの詳細はまだ明らかにされていないが、研究開発部門の責任者であるフランク・ウェーバー氏は、現行車と比較して「航続距離30%アップ、充電速度30%アップ、効率25%アップ」を標榜する。

「iドライブ」のロータリーコントロール廃止

第6世代(Gen6)となる新しいリチウムイオンバッテリーは、角柱型セルではなく円柱型セルを採用し、現行ユニットよりもスリムである。エネルギー密度が20%向上し、最大270kW(わずか10分で300km分追加)で充電でき、最終的には最大1000kmの航続距離を実現するという。

この次世代バッテリーの設計と生産工程の改善より、コストは最大50%削減されると推定されており、市販EVの価格に大きな影響を与える可能性がある。ただし、現時点ではノイエ・クラッセEV群の価格についてはほとんど触れられていない。

EVはまず、ハンガリー・デブレツェンにあるBMWの新工場で生産される。この工場では化石燃料を一切使用せず、再生資源の使用量を増やし、CO2排出量を削減すると言われている。ミュンヘンとメキシコの工場は、2026年と2027年に改修を行う予定だ。

ビジョン・ノイエ・クラッセのインテリアでは、BMWの車載OS、iドライブの第9世代を中心とする新しいデザインアプローチを採り入れている。2001年に登場したE65世代7シリーズ以来、BMWの特徴となっているロータリーコントロールを廃止し、必要最低限の物理的コントロールのみを備えたミニマルなコックピットに仕上がっている。

ドライバーは、センタータッチスクリーン、音声認識「インテリジェント・パーソナル・アシスタント」、大型のパノラミック・ビジョン・ヘッドアップディスプレイを使って車載機能を操作することになる。ヘッドアップディスプレイは主にステアリングホイール上のスイッチで操作するが、ジェスチャーでタッチスクリーンからホログラフィック・プロジェクションにコンテンツを転送することもできる。

その他の特徴として、鮮やかなイエローの内装、がっしりとした四角いステアリングホイール、スマートフォン用ワイヤレス充電器を内蔵する「フローティング」センターコンソールなどが挙げられる。

ドゥケック氏は、インテリアを担当するデザインチームが最優先したのは室内空間の快適さであり、「テクノロジーに囲まれた冷たい環境にいることを感じさせない」ようにすることだと語った。同氏は、ユーザーが実家にいるときのような親しみを感じつつも、日常生活に関連するすべての要素で「わたしを喜ばせてくれる」と考えるだろうと見込んでいる。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
motorsport.com 日本版
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
AUTOSPORT web
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
Auto Messe Web

みんなのコメント

6件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

379.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
ビジョンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

379.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村