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【新型シトロエンC4試乗】エンジン車もBEVも独自のサスペンションでしっとり快適な乗り心地!

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【新型シトロエンC4試乗】エンジン車もBEVも独自のサスペンションでしっとり快適な乗り心地!

■ICE車とBEVが選べるコンパクトクロスオーバー
2022年1月7日、ついに新型シトロエンC4が日本上陸を果たした。20年6月の本国発表から約1年半、同年12月のデリバリー開始から約1年と、コロナ禍もあって少々時間がかかったが、半導体不足で世界的に自動車生産が滞るなか、まずは日本導入発表を喜びたい。

グループPSAジャパンの資料には「Cセグメント・ハッチバック」とあるが、新型C4/E-C4は「ギリギリCセグメント未満のクロスオーバービークル」といったモデルだ。PSAのコンパクトカー用プラットフォームである「CMA(コモン・モジュラー・プラットフォーム)」を採用し、メカニズム的にはDS3 クロスバックやプジョー 2008/e-2008に近い。ICE(エンジン)搭載モデルのほかに、PHEVではなくBEV(電気自動車)が用意される点もDS3や2008と共通である。

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もっとも特徴的なのは、そのプロポーションだ。全長4375mm、全幅1800mm、全高1530mmというC4は、DS3や2008より全長と全幅は明確に大きいが、全高は20mm低い。2665mmのホイールベースも2008より55mmも長く、CMAを採用するモデルで最長だ。

このように前後に長い独特なプロポーションに、往年のC4ハッチバックを思い起こさせるアーチ状のルーフを持つハッチバックボディを与え、若干車高を持ち上げたシルエットは、とても個性的だ。左右にV字に開いたヘッドライトとリヤコンビネーションランプも独特で、つねに独自のデザインセンスでインパクトを放ち続ける“シトロエンの最新モデル”であることが一見して判る。

じつは今回の日本導入に先駆けて、グループPSAジャパンがサンプルとして導入した、新型C4 シャイン Blue HDiと新型E-C4 エレクトリックに試乗することができた。右ハンドルではあるもののシート表皮や一部装備内容に、今回導入された日本仕様と違いがあるので、完全な日本仕様ではないことをご了承いただきたい。だが、パワートレーンやシャシーセッティングなどは同じなので、おもに走りや快適性の部分を紹介したい。


■まるで「魔法の絨毯」みたいな乗り心地!
まずはディーゼルのC4シャインBlue HDiだ。このモデルは、最高出力130馬力/3750rpm、最大トルク300Nm/1750rpmの1.5L直4直噴ディーゼルターボを搭載し、これに8速ATを組み合わせている。つまりパワートレーンは308 GT Blue HDiと共通だ。駆動方式はFFのみで、DS3や2008と同様、CMAを採用する新型C4は本国にも4WDの設定はない。

走りはとても力強い。最近流行りのマイルドハイブリッドではないので、発進時は若干モタつきを感じたが、低回転域から太いトルクを発生させるエンジンのおかげで、余裕たっぷりの加速感を披露する。車両重量は308 GT Blue HDiより若干重い1380kgだが、そんなことはまったく感じさせない。また静粛性も十二分に高い。

乗り心地はさすがシトロエンである。前後のサスペンションには、C5 エアクロス SUVに採用されて注目を集めたPHC(プログレッシブ・ハイドロ−リック・クッション)を採用。かつてシトロエンの代名詞であったハイドロニューマチック・サスペンションを彷彿とさせる「魔法の絨毯」のようなしっとり滑らかな乗り心地を実現している。

だがフワフワした乗り心地というワケではない。接地感は十分に高くコシもあるので、安心感はとても高い。後述するE-C4と同様に、耐荷重が大きい195/60R18サイズのEV用タイヤ、ミシュランe・プライマシーを装着しているためか、後席は若干上下の動きが大きく感じたが、前席は極めてフラットである。

ハンドリングはコーナリングはゆったりとした印象だが、ロングホイールベースが奏功してとにかく直進性が抜群に高いのは大きな魅力。トルクフルなエンジンと相まって、ロングドライブは非常に快適だ。このクラスでディーゼル車の設定があるだけでも十分に注目に値するが、その実力も文句ないレベルにある。


■BEVはクラス最高レベルの快適性
次にBEVのE-C4だが、こちらはさらに快適だ。E-C4は、最高出力100kW(136ps)/5500rpm、最大トルク260Nm/300~3674rpmの交流同期電気モーターをフロントに搭載。リチウムイオンバッテリーは、DS3 Eテンスやe-2008と同様に容量50kWhで、前後席シート下とセンターコンソールにH型に搭載されている。

リチウムイオンバッテリーが約350kgと重いため、車両重量が1630kgにもなるが、走りはBEVらしく十二分にパワフルだ。走行モードはエコ、ノーマル、スポーツの3モードあり、ノーマルモードでは80kW(108ps)と220Nm、エコモードでは60kW(81ps)と180Nmに絞られる。だが街中ではエコモードでも十分実用的だ。また積極的に減速エネルギーを回生するBモードに入れると、完全ではないが、いわゆる「ワンペダル・ドライビング」に近い運転が可能になる。

低重心とロングホイールベースがもたらす走りは、とにかく快適だ。リヤサスペンションには重量増による横方向の負荷に対応すべくパナールロッドが追加。サスペンションにはディーゼル車と同様にPHCが備わるのだが、乗り心地はとにかくフラットで、ヒタッと路面に吸い付くような走りを披露する。コーナリング時のロールは少なく、ハンドリングはとても素直。またこちらも直進性がすこぶる良好である。またBEVだけに静粛性の高さは非の打ち所がない。快適性の点ではクラス最高レベルにあるのは確実だ。

航続距離がWLTCモードで405km、JC08モードで459kmと控えめではあるが、快適性や実用性の点でプロダクトとしての魅力は非常に高い。遠出する機会が多い人はディーゼルを選ぶほうが利便性は高いが、街乗りメインで充電環境の問題がないのであれば、E-C4はかなり魅力的な選択肢になる。

ちなみに充電時間だが、満充電まではコンセントタイプの普通充電器(200V 3kW)で約18時間、50km走行分なら約3時間で済む。家庭に設置するウオールボックスタイプの充電器(200V 6kW/3kW)だと、コンセントタイプの半分で済みそれぞれ約9時間と1.5時間。CHAdeMO規格の急速充電なら、約80%の充電が約50分で終わる。

個性的でスタイリッシュなデザインを纏ったコンパクトで快適なクロスオーバービークルで、BEVも選べるという、現在の世界のトレンドのド真ん中に投入された新型シトロエンC4/E-C4は、ヨーロッパでは大きな注目を集めている。日本でもヒットする可能性は高そうだ。

<文=竹花寿実 写真=山本佳吾>


■290万円~のリーズナブルな価格設定
◆新型シトロエン C4 バリエーションと価格
・E-C4 エレクトロニック:465万円
・C4 シャイン BlueHDi:345万円
・C4 シャイン:325万円
・C4 フィール:290万円

◆主要諸元
C4 シャイン BlueHDi(FF・8速AT) 
【寸法・重量】
全長:4375mm 
全幅:1800mm 
全高:1530mm 
ホイールベース:2665mm 
トレッド:前後1560mm
最低地上高:170mm
車両重量:1380kg 
乗車定員:5人

【エンジン・性能】
種類:直4DOHCディーゼルターボ 
ボア×ストローク:75.0×84.8mm 
圧縮比:16.4
総排気量:1498cc 
最高出力:96kW(130ps)/3750rpm 
最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1750rpm 
使用燃料・タンク容量:軽油・50L 
WLTCモード燃費:22.6km/L 
最小回転半径:5.6m

【諸装置】
サスペンション:前ストラット/後トーションビーム 
ブレーキ:前Vディスク/後ディスク
タイヤ:前後195/60R18

◆主要諸元
E-C4 エレクトロニック(FF・ー) 
【寸法・重量】
全長:4375mm 
全幅:1800mm 
全高:1530mm 
ホイールベース:2665mm 
トレッド:前後1560mm
最低地上高:170mm
車両重量:1630kg 
乗車定員:5人

【モーター・性能】
モーター種類:交流同期電動機 
最高出力:100kW(136ps)/5500rpm 
最大トルク:260Nm(26.5kgm)/300~3674rpm
駆動用バッテリー種類:リチウムイオン 
駆動用バッテリー総電力量:50kWh 
WLTCモード 一充電走行距離:405km 
最小回転半径:5.6m  

【諸装置】
サスペンション:前ストラット/後トーションビーム 
ブレーキ:前Vディスク/後ディスク
タイヤ:前後195/60R18

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